神社に行く意味について

筆者は実家へと帰還して以来、神社との繋がりが深く濃くなっていった。幼い頃から寺社仏閣へ赴くことがよくあったのは、奈良県に住む者としてはまあまあ普通なのであるけれど、最近の筆者は特にそうなのである。
そのため、神社について考えることがよくある。

日本人は何故、神社を国の至る所に祀り、守り続けてきたのか。この国は幾多の戦を経て徳川の君主政から維新を経て、近代国家大日本帝国の時代は国家神道として、第二次世界大戦後は植民地としての支配を受けながらそれでも神社を守り続けた。どんな苦しい時代も人々を見守り続けてきた大切な場所である。霊に満たされ、心が安らげる場所。祖先から手渡され、託された約束の大地。森と人間との境界であり、精神世界と物質世界の近しい場所、人間が自らの神聖さに気づくことができる場所。古代アミニズム信仰が呼び覚まされる聖なる場所。八百万の神が今に生きる私たちの心にも宿っている証。森の民。森とともに、海とともに生きてきた。脈々と受け継がれる智慧、DNAに刻まれてきた文化。

そんなことを考えずとも、苦しい時、心に余裕がない時、理屈ではない感覚を開いて、ふらふらと訪れてみては如何だろう。何かが整えられるのを感じられるかもしれない。



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