特急あたみで帰宅オタク
はじめに
私は静岡県東部にある某学校に通っているわけですが、夏休みに入ったため山梨県にある実家に帰ることとなりました。
山梨県とはいっても甲府とかそっちの方ではなく東部の方なので、静岡県から帰るには鉄道のアクセスが絶望的に悪いんですね、、
いや無理に鉄道を使う必要はないんですけども、どうしてもそこはオタクなのでそういったツッコミは勘弁…
そんなところである日ボケーっと布団の中でJR東日本の夏の臨時列車を見てみたらあったんですよそれが。
復路は
熱海→高尾という経路
日付も丁度帰省の予定日
個人的に好みのE257系グフフフヌフエヘヘアハハハハハ
なんすかこれ、俺得すぎんか?
まあさすがに去年からこの列車の存在は知ってましたけどね、こんな都合のいいことってあるんすかね。
まあ当然ですよね~~~
乗らない手はないでしょう
特急あたみってなんですか
ここでこの特急あたみ号が一体何なのかご紹介します。
特急あたみは2021年の11月以降、毎年8月と11月の第一土・日曜日に運転される臨時特急列車です。運転区間は青梅~熱海、今回2023年の8月は高尾~熱海間で、往復ともに運転されます。
直接の前身となるのは2020年11月まで毎年運転されていたホリデー快速あたみとなります。先述の通り2021年から特急としての運転になり、車両が185系からE257系に変更となったほか実質的な値上げとなり、少しだけ話題になった気がします。
乗車記本編
東海道線[熱海~小田原]
来たる8月5日は熱海海上花火大会の開催日でもあったので夕方の熱海駅は大混雑でした。お祭り気分の群衆の中にキモオタがぽつり…泣
それにしても熱海駅、JR境界駅なのにホーム出口の階段が一か所しかないので列車が到着するごとに毎度階段に人が殺到するアレどうにかなんないのk(
熱海駅3番線に到着してのんびりしてたら反対側の2番線をE257系の回送が通過。午前中に熱海に到着した後一旦上り方面に引き上げた後来宮に持ってくところですかね。
ICカードで静岡方面から来てるので一旦出場、乗車券を購入後再入場して5番線に移動。
昼間に熱海5番線を使う列車はあまり多くありませんが、この時間になるとだんだん増えてくるので発車標には割と直前まで特急あたみの文字が出てきません。
いざ出てくるとイラスト表現もあっていい感じです。この駅絶対LED職人いるよね(Twitterで調べると色々出てきて面白いのでぜひ)
しばらくして先ほど来宮方面に回送されたE257系5500番台(OM-52編成)の5両編成が5番線に入線、5ばっかだな(
先頭付近では写真を撮影する鉄道オタクが数名、もちろん私もその一人
入線時は回送表示でしたが、すぐに特急表示に切り替えました。
ダイヤ改正で高崎線特急運用に入ることになりROM更新されましたが、臨時ながら運行頻度の比較的高い「特急鎌倉」の表示は未だ収録されていません。鎌倉駅があって行先表示と紛らわしいからですかね?(同じく臨時列車でしか運用に入らない「富士回遊」は収録)じゃあなんで「ホリデー快速鎌倉」はまだ残っとんねん
まあそんなわけで「特急あたみ」の表示は収録されてるはずもなく…ちょっと見てみたい気もしますが…
側面も特急表示でした。ちなみに「高尾」単体表示や「特急 高尾」もあるっちゃあります。見てみたかった…
入線してからすぐにはドアが開きませんでした。というのも入線時は同じホーム反対側の4番線に16時29分発の踊り子16号が停車中で、誤乗を防ぐためですかね。
というわけで熱海から乗車。2500番台は改造に際して内装にも結構手を加えていますが、5500番台は500番台時代とほぼ変わらない内装です。
車内はガラガラで、進行方向右の窓側は4割くらい埋まってますが左に座ってる人はほとんどいません。また乗客も半分以上はオタクっぽく(超絶ド偏見)、まあお察しですね…
先に出た14両編成の踊り子の後ろに隠れるようにしてひっそりと5両編成の9078M、特急あたみが発車。
当然自動放送装置は設置されていますが、特急あたみに関しては収録されていないので車掌さんが手動放送を行っています。
たった1駅ですが熱海と同じく温泉地の湯河原に停車するのは踊り子と一緒ですね。
湯河原には疎開中のナニかがいました。
なおなんとなくわかってはいましたが自分の号車の出入りはゼロでした()
この区間はトンネルも多いですが、東海道線でも屈指の海の近さを誇る区間ですね(他には静岡の由比あたりとか)。夏でボーボーになった草の途切れ目から時折見える相模湾は大変奇麗です。
続いての停車は小田原です。6番線に到着しました。僅かではありますが人の出入りはありました。次にドアが開くのは中央線八王子駅です。
と、皆さんなんとなくお察しの通り、この列車で最も面白いのはここからです。まあ一部のオタクしか喜ばないけd(ry
東海道貨物線[小田原~鶴見]
熱海から小田原までは東海道線を走行してきましたが、ここから先は上野東京ライン・湘南新宿ライン等の列車が走る旅客線と貨物列車や一部の某ぼったくり通勤特急、回送列車などが走るいわゆる「東海道貨物線」に分岐します。当然我らが特急あたみはこの貨物線の方に入っていきます。
2023年度の定期旅客列車で小田原から貨物線に入るのは特急湘南6号・8号とサンライズエクスプレスのみです。(湘南は定期っつっても平日だけだがな)
小田原出発後はみんな大好き複々線になり、北側(進行方向左側)から貨物上り、旅客上り、旅客下り、貨物下りの順に4本の線路が並びます。方向別複々線ってやつですね。
と思う間もなく貨物下り線が2本の旅客線をオーバークロスし、貨物上り、貨物下り、旅客上り、旅客下りの順番に並びます。線路別複々線です。
オーバークロスが終わると旅客線と貨物線の感覚が少し開き、酒匂川橋梁を渡ります。
鉄橋を渡り終え右カーブが終わると鴨宮駅を通過します。
貨物線なのでホームはありません。しばらくの間こんな駅が続きます。
現在ではもっぱら信号場的な役割で使われている西湘貨物駅を通過して、しばらく走ると上から御殿場線と国府津車両センターへの回送線が一緒になって降りてきます。国府津駅を通過します。
国府津はデカい駅なのでホームが5本ありますが貨物線にはありません。みんな東海道旅客線及び御殿場線の持ち物です。
続いて二宮、大磯を通過すると相模貨物駅です。
この相模貨物駅から隣の平塚駅にかけて、上下貨物線の間から伸びて上下旅客線の間に着地するオーバークロスの配線跡がありますが、この終始も北側からそのまま眺めることができます。
平塚を出ると相模川を渡ります。上下貨物線と上り旅客線の3線がまとまります。下り旅客線との間に関東大震災で崩落した明治期の橋脚の基盤部分があり水位が低ければ少し顔を出しますが、貨物線からはよく見えません。
次の通過駅は茅ヶ崎です。この駅は特急湘南のためだけに貨物線にもホームが設置されています。列車の発着がない時間帯は閉鎖されます。(そもそもこの日は土曜日)
そういえば正確な場所は覚えていませんがこのあたりで車掌による検札がありました。乗車券・特急券の提示を求められましたが、乗客も少ないためすんなり終わったのではないでしょうか。
辻堂、藤沢を通過。藤沢にも茅ヶ崎同様貨物線ホームがあります。
しばらく走ると車窓右には鎌倉車両センターが見えます。主に横須賀線で使用される車両が所属していますが、こうしてみるとE235系もだいぶ増えましたね…
ここら辺から大船駅構内ですが、ここに旅客線と貨物線の短絡線があり、上野東京ラインの列車が貨物線に誤進入、そのまま武蔵小杉まで止まるに止まれなくなるなんてこともありましたね…()
しかも私の乗った特急あたみが通過した数時間後にこの分岐の付近で傾いて建築限界を支障した架線柱に東海道線の列車が衝突する事故が発生、貨物線で起こったことではありませんがゾッとしましたね。
さて、この大船駅も例によって貨物線にはホームがないわけですが、根岸線が分岐、代わりに久里浜・逗子方面から横須賀線が合流してきます。横須賀線は鶴見付近まで東海道線と同一の経路を辿りますが線路を共用しておらず、貨物線と合わせて計6本の3複線になります。たのしい
戸塚を通過し、東戸塚を通過。東海道線と横須賀線の線路が分離する以前は東海道線の列車は戸塚駅を通過しており、東戸塚はこの系統分離の際に設置された駅で、横須賀線側にしかホームはありません。
この東戸塚のあたりまで並走していた横須賀線と東海道線は一度少し離れてトンネルに入ります。では特急あたみが走っている貨物線ほというと…ここでトンネルに入りますが、東海道線を大きく迂回し、地下トンネルに入っていきます。
ここを通る旅客列車などなかなかいないので携帯電話の電波が途切れます。
実は一度地上に出るのですが壁で覆われた高架なので車窓は何も変わりません。
全長4kmほどのトンネル、短いようでなかなか長いです。
割と唐突に明かり区間に出たと思うと線路の数が急激に増えます。横浜羽沢駅です。
横浜羽沢駅というと羽沢横浜国大駅を思い出す人も多いと思います。羽沢横浜国大駅は横浜羽沢駅に隣接しており、海老名方面からやってきた相鉄・JR直通線の電車がここから東海道貨物線に合流し、新宿へ向かいます。
列車は再びトンネルに突入、またしばらくの間住宅地の地下を走行します。ここにもシールド付きの高架がありますが当然そんなことには気づかず…
と、徐々に外が明るくなり再び地上に出ます。
ここで東戸塚手前で分かれた東海道旅客線・横須賀線と再び合流します。いつの間にか京浜東北線もいますし、この区間は京急本線も並走しています。ちょうど京急の生麦駅のあたり、新子安駅と鶴見駅の間です。
そうです。この列車、横浜羽沢経由で走ってきたため、横浜駅を通らずここまで来てしまったのです。天下の横浜をシカトしてしまいました(◞‸◟)
ほどなくして列車はスピードを落とし、鶴見駅構内へ進入します。
この鶴見駅で列車は小田原駅を出発して以降初めて停車します。貨物線はもちろんのこと、旅客線にもホームはなく、何もない本線上に停車します。そしてなんと、ここで乗務員交代を行います。外をボーっと眺めてたら線路間の地面を歩く交代後の運転士と目が合ったきg…しばらく停車し、ブレーキテストの後再び発車。ここで列車番号も9078Mから9273Mへ変更となります。
そしてここで東海道貨物線ともお別れです。(貨物線はこの後南にそれ、南武支線と並走したのち東京貨物タへ向かう)この列車はここから武蔵野線に入ります。武蔵野線はここでは旅客営業を行っていないので起点は府中本町だと思っている人が結構いるみたいですが、実は鶴見が起点です。ここからは定期旅客列車の存在しない通称「武蔵野南線」の旅になります。
武蔵野線(武蔵野南線・武蔵野貨物線)[鶴見~府中本町]
鶴見を出て少しの間は武蔵野線の線路は横須賀線と並走します。横須賀線と湘南新宿ラインの列車が走行する東海道線の別線、いわゆる「品鶴線」との重複区間です。ただし、両者は並走しているだけであって使う線路は別物です。
※この辺りの線路の呼び方は大変難解ですが、ここでは重複区間であっても便宜上横須賀線・湘南新宿ラインの電車が使用している線路を「品鶴線」、特急あたみや相鉄・JR直通線が走行する線路を「武蔵野線」と呼ぶことにします
品鶴線の線路は鶴見駅の地上の最も北を走っているためそのまま北にそれ、そうではない武蔵野線の線路はほかの線路をオーバークロスして東海道線と別れます。そしてすぐに下り勾配に入り、この間じわじわと高度を高めていた品鶴線の線路にさらにオーバークロスされて、西に武蔵野線、東に品鶴線という形で重複区間を北上します。
両線は一度は地平を走りますが、品鶴線は一瞬再び高架になります。ここで東側から一本の線路が武蔵野線に合流します。これは尻手短絡線と呼ばれる線路で、さらに東側を通る南武線の尻手駅近くから伸びてきたものです。南武線と武蔵野線を短絡しており、東京貨物ターミナルと武蔵野線を繋ぐ役割があります。
尻手短絡線と武蔵野線が合流すると上下線の間に一本の着発線が現れます。割畑信号場です。また、この辺りから新鶴見信号場の構内へと入っていきます。
ここから武蔵野線の上下線は急激に間隔を広げ、間に広大な敷地が現れます。新鶴見機関区です。言わずと知れた車両基地兼乗務員基地で、わかりやすいところだとJR貨物のEF65の残党や、EF210の一部が所属しています。上下品鶴線と上り武蔵野線はしばらく見えません。
ここに所属しているEF65は関東で見られる数少ない国鉄型機関車であるため大変注目されていますが、その中でも唯一広島更新色を身に纏った状態で残っている2127号機はアイドル的存在です。前面貫通扉がカラシ色に塗られているため「カラシ」の愛称で呼ばれていることは電気機関車に興味のない鉄道ファンでも知っている人は多いハズ。
いた
機関区のエリアが終わるとおびただしい数の着発線が広がり始めます。それが終わると先ほど離れた品鶴線と上り武蔵野線が再び近づきます。ここで武蔵野線と品鶴線の短絡線が現れます。相鉄・JR直通線の電車はここを通って武蔵小杉へ向かいます。ところがそう思う間もなくまずは上りの武蔵野線が、次に今走っている下り武蔵野線が地下へ潜ります。再び長いモグラ生活の始まりです。
普段通ることのない貨物線ということで何故か何もないトンネルの壁を見ていても飽きないという…ついに気でも狂ったか
長ーいトンネルを抜けると梶ヶ谷貨物ターミナル駅です。
この手前あたりから我らが特急あたみ号は急激にスピードを落とし、ノロノロ運転になりました。梶ヶ谷に着くのが早すぎて採時点までに合わせようとしたんですかね?
ここで現れたのが川崎市民のごみを運ぶクリーンかわさき号こと153レ到着後の入れ替え列車です。
機関車側は一見何の変哲もない国鉄色赤プレートのEF65に見えますが、その中で唯一車体側面上部のクリーム帯の部分に蛍光灯カバーが付いた2089号機です。いいもん見たわ…
梶ヶ谷貨物ターミナル駅を過ぎるとまたすぐにトンネルに入ります。
ここから先は長いトンネルの後、何度か明かり区間があり、東京都に入って稲城市のあたりでも一度高架に出ます。
最後のトンネルを抜けると少し離れたところを並走し続けてきた南武線がすぐ隣に現れ、多摩川を渡ります。
もうすぐ府中本町駅です。
府中本町の手前で進行方向右側を走っていた南武線下りの線路が下をくぐり、左側に出てきます。
武蔵野線の車両が留置される留置線の横を通過すると列車は先ほど左側に移動してきた下り南武線に転線し、南武線のホームを通過します。ちなみに配線上、武蔵野線の府中本町以南からやってきた列車は武蔵野線府中本町駅のホームに入線することはできません。
ということで鶴見から走ってきた武蔵野線とはここでお別れです。
ホームを通過しきると南武線の線路は左に急カーブを描き、武蔵野線と離れていきます。
南武線[府中本町~立川]
府中本町時点ではまだ武蔵野線の奥にいた上り南武線の線路も武蔵野線の線路を潜り抜け、ようやくここで上下が再び並びます。
先ほどとは打って変わって南武線区間では地上の住宅街の中を走行します。
南武線(本線)は基本的にすべて線内完結運用で、E233系6両編成しか走っていないため、特急列車で各駅を通過するのはかなり貴重な体験です。
府中本町~立川間で距離はそれほど長くありませんが、前方を走る列車に追い付かないようにするためか比較的ゆっくり走ります。沿線を歩きながら見慣れない列車を二度見する人や自転車に跨ったまま立ち止まり撮影する人が見えて大変面白いですね。
西国立駅を通過すると左にカーブし、立川駅の構内に進入していきます。
列車は立川駅の6番線(下本)と7番線(南部5)の間にあるホームの無い下1に入線し、運転停車します。ここで2度目の乗務員交代。
しばらく停車したのち発車。最後は中央線で終点の高尾まで向かいます。
中央線[立川~高尾]
立川駅を出て青梅線と分かれると多摩川を再び渡ります。
日野・豊田を通過すると小田原以降久しぶりの停車駅、八王子です。
4番線に入線し停車。発車標には「全車指定 高尾」の文字が。この駅では腐るほど見る高尾行きの表示ですが、何やら様子のおかしい列車に注目し車内を凝視する人が多数…
またこの駅でほとんどの乗客が降りていき、ほぼ完全な空気輸送となりました。
特急あたみは西八王子を通過し終点の高尾駅4番線に到着。熱海からの旅もここでいったん終了、回送表示で返却の準備に入ります。
このあとは中央線の大月行きに乗り換え、実家へ帰りました。
おわりに
いかがでしたでしょうか?というか、ここまで読んでいる人って存在するんでしょうか?
東海道貨物線や武蔵野南線の区間に乗車したのは実は初めてで、見慣れない景色の中を走るのはとても面白かったですね。(ほぼトンネル)
私の乗った初日復路特急あたみ号は本文中でも触れたように乗客がかなり少なかったのですが、往路はそれなりに需要があるようです。設定日は非常に少ないですが、きっと来シーズンも走ると思うのでもし都合が合う方がいらっしゃいましたら乗ってみると面白いと思います。
もし誤字脱字や内容の誤りがあれば遠慮せず教えてください。
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