ドールクエスト小説版 0話 エリー七姉妹次女の憂鬱(次女目線）
0話 エリー七姉妹次女の憂鬱(次女目線）
ここはくまモン県人形町2021年9月、エリーちゃん7姉妹の次女であるところの私は、今日もキッチン間リビングでのんびりウクレレを弾いていた。
そこへオカルト大好きな四女と五女が息を切らせて飛び込んできた。
『次女ちゃん人形魔々（ママ）がリカちゃんを主役にして、私たち百均人形を処分しようとしているみたいだよ！』
『ないよ、ないない。』
私たちエリー七姉妹は、私たちのｄｏｌｌオーナーであるところの人形魔々（ママ）によって2020年9月から１０月にかけて召喚された。
YouTubeヒロインにすべく、まず長女がダイソーより召喚され、他の姉妹はママの人形遊びのコレクションに過ぎなかった。
ｄｏｌｌオーナーであるところの人形魔々（ママ）は、ウクレレ歌人さかなちゃんと名乗る四捨五入すれば１００年ぐらい生きていると言われている自称音楽家な存在らしい。魔々(ママ）の音楽はウクレレもそうでないものも、ＹｏｕＴｕｂｅのＢＧＭに使われている。(人形魔々についての詳細はこちら）
最初は、長女ちゃんに鍋スープの紹介をやらせるチャンネルにしようともくろんでいたようだが、次第にこのＹｏｕＴｕｂｅのタイトルにウクレレ歌人という言葉を残してしまったために、方向性がブレブレのまま、人形ママの暴走が始まった。
『長女ちゃんの鍋動画はいまいち視聴率がとれないし、ウクレレ歌人なんてタイトルつけちゃったし、私はウクレレなんてもうやりたくないんだけど、しょうがないわねえ、次女ちゃん、あなた、私の代わりにウクレレやりなさいよ。』
と、突然ウクレレを手渡されたのだった。
(人形魔々の行き当たりばったりにも困ったものね)
次女はため息をついた。
私だって、ウクレレを持つ役割のために体を改造された挙句、失敗し、オフィスボディーに差し替えられていた。
(ヘッドよりボディーの高い子なんてありえないよ)
そして、ウクレレチャンネルに舵を切るのかと思いきや、そうでもなく、エリー姉妹のおもちゃにするためのキューピーちゃんたちが今は前面に出て活躍している。
私エリー次女はたまに出てきて、しゃべる人形魔々の代わりに画面でウクレレを弾くポーズをするだけだ。
そう。ウクレレ歌人代理ーそれが私、エリー次女に与えられた役目。
私は与えられた役目以上は望んでいなかった。
エリー七姉妹だって、確かに結果として７人お迎えされたのだが、カワイイエリーちゃんという人形劇が始まってから、やっと姉妹、家族になれたようなもの。
ウチのエリーちゃん七姉妹 https://youtube.com/playlist?list=PLHoJHvjxjNWf1JSag2SchEFzn7Vj0_DF0&si=mfSeFYoZnUwZdCMu という人形劇の中で、私たちエリー姉妹の各自の自己紹介が済んだばかりの頃、人形魔々は中古のリカちゃんをお迎えした。
（リカちゃんは、前のｄｏｌｌオーナーに売られたことをとても悲しんでいて元気がなかったから、私たち一生懸命励ましてあげたっけ）
人形魔々は、そのリカちゃんをＹｏｕＴｕｂｅの主役にして、私たちをお払い箱にしようとしている？リカちゃんもそれを受け入れるかもと？
『百均人形より高いから、知名度が高い、人気だからそちらを優先するとか、私たち百均の人形はもういらないとか・・なんなのそれ。
私の腕を切断してボディーをダメにしたあげく、もういらないってどういうこと？』
ケチな人形ママが、自分たちを捨てる事はないだろうと妹たちに説明しながらも、次女はかつて自分のボディーを台無しにして、どこかにやってしまった人形ママが、これから何をしでかしてくるのか、内心不安に思っていた。
(続く）
ＹｏｕＴｕｂｅ動画 全話まとめリンク https://youtube.com/playlist?list=PLHoJHvjxjNWfZhtO1q_cvobAn7rxkNJIT
作品についての情報はこちら。
人形劇】doll quest YouTube主人公争奪戦 2021ー2022｜ウクレレ歌人さかなちゃん @sakana20001 #note https://note.com/sakana20001/n/n16f0d757dbf1?sub_rt=share_sb