ドールクエスト小説版 1話 中古のリカちゃんは焦っていた。
1話 中古のリカちゃんは考えていた。
ここはクマもん県、県庁所在地の近所人形町。
0話でエリー7姉妹、次女が頭を抱えていた頃、中古のリカちゃんが焦っていた。
自民党がまた政権を取ってしまった。核で汚れた私リカちゃんの故郷福島。そのおかげで東日本大震災の復興も10年近く経った今も、ままならない。
私は中古のリカ。
前の人形オーナーにパンツ1枚にされて小物と、小さい靴一足と一緒に売られた人形。しかしこの人形町に来て、エリーちゃんたちに優しくされて元気を取り戻した。
今の私の生きる希望は生き別れのきょうだいに会うこと。
原発を止める事。
このままでは九州の原発が爆発し、私の故郷の二の舞になってしまう。
人形魔々が私にYouTubeヒロインの座をくれるなら、私のメッセージを伝えて、世の中を変え、生き別れのきょうだいとも、再会できるに違いないわ。
リカちゃんは非常に焦っていた。
そのため、あまり自分が置かれていた状況が見えていなかった。
新しくお迎えされた有名人形リカちゃんがYouTubeヒロインを目指したことで、人形町にもともと住んでいた百均人形たちに動揺を与え反感を買ってしまった。
人形魔々がリカちゃんをYouTubeヒロインにすると言う噂が人形町に流れ始めた後、人形たちの態度が変わり始めた。
挨拶を無視されたり、口を聞いたかと思えば有名ブランドのお人形さんはいいわねぇ。決して捨てられたりしないものなどと言われてしまう。
何を言うのだ。私だって前のdollオーナーに見捨てられてここにいる人形なのに。
心の狭い百均の先輩人形たちには失望するわ。
しかし、負けてはいられない。
まずしっかりと主役の座をつかむには、手足が自由に曲がるオビツボディーを手に入れなければ。
リカは人形魔々に直訴した。
『私がこの底辺YouTubeを変えて見せます。私には収益化する力があるわ。でも、この生まれ持ったリカちゃんボディーでは表現の幅が狭すぎるの。
収益化できるリカちゃん人形ユーチューバーの憧れ『現実を生きるリカちゃん』のように、
私にも現実を生きられるように関節が動かせるボディーを与えてください。』
しかしケチで貧乏な人形魔々は、無情にもその願いを退けた。
『どうして!?私なら、この誰もかえりみることのない泥沼のような底辺YouTubeを収益し、日本の未来だって変えることができるのに!?』
リカは激しく混乱した。
(続く)
YouTube動画 全話まとめリンクhttps://youtube.com/playlist?list=PLHoJHvjxjNWfZhtO1q_cvobAn7rxkNJIT
作品についての情報はこちら。
人形劇】doll quest YouTube主人公争奪戦 2021ー2022|ウクレレ歌人さかなちゃん @sakana20001 #note https://note.com/sakana20001/n/n16f0d757dbf1?sub_rt=share_sb