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Photo by
yriica
才能がない、という才能
嫌なことすぐに忘れない未練たらしいサカナです。ども。
最近もやもやとしていた正体がわかってしまった。
私が「私だけ」しかできない事を持っていないことに。
何者にもなれないし、秀でた才能もない、ギターも掻き鳴らすこともできなければ、悲観した気持ちを歌うこともできず、逃げ道にちょっと粋な趣味も持っていない。
なにも持っていない。
なにになりたいのかもわからない。
なにになりたくないのかもわからない。
なにも、ない。
気づきたくなかったし、気付かされたくもなかったし、どちらかと言えば何もないから何にでもなれるかもという絶望的な希望にすがることしかできない小物感。
でも何か秀でた人は何かしら犠牲にして、必死縋りついて、その先で花を咲かせたのも知っている。
私には、その度胸もなければ努力もない。素地がない。まっさら状態で、いつまでもなんの色も乗らないキャンパスの上で誰かが勝手に色を載せてくれて、洋画みたいに厚く塗り固めてくれるのをずっと待っているだけでいる、卑怯者だ。
どうしたら、底から抜け出せるのか。
どうしたら、私だけ、というもの出来るのか。
底しれぬ沼に嵌って足先から寒気を感じる。何かしらあれば、生きてる〜というの感じて、覇気が出るのか。
もやもや。
もやもやもやもや。
隣の家から聞こえる練習中のベース音が、また背中を淋しくさせる。