【歯列矯正への道~第1回 歯が痛い~】

私は今、歯列矯正治療を行っている。

ただ一般的な歯列矯正ではなく、矯正の後に、口腔外科手術を行って顎の骨を削り、さらに矯正治療を行うのだ。

誰も、私の矯正治療に興味はないと思うが……、実は今、矯正治療が、当初の予定より遅れているのだ。

そこで、せっかくの機会なので、これまでの矯正の日々(思い出)を振り返って、記録に残しておこうと思い書き始める。


①歯が痛い

全ての始まりは、今から2年前、2022(令和4)年の春だった。
何かを食べている時、口の奥に違和感があったのだ。
食べ物が引っかかっているわけでもなく、口の奥に口内炎ができたわけでもなく…ただただ「歯が痛い」。

歯の痛み=虫歯と短絡的に考えた私は、とりあえず歯科に行くことにした。
しかし、札幌に引っ越してきてから、10年間1度も歯科にかかったことのない私にとって、歯科へ向かうことはかなりハードルの高い挑戦だった。
行かねば歯の痛みは治まらず、痛い思いをするだけなのは目に見えていた。
考えること数日、歩いて5分圏内の歯科を受診した。

②歯科が怖い

すぐに受診しなかった最大の理由は、歯科が怖いからだ。
もっと正確に言うならば、歯科の麻酔の注射が大嫌いだからだ。

私は小学生の頃、かくれんぼをしていた際に、当時まだ乳歯だった前歯2本を折っている。
この折れた前歯が歯列矯正の遠因になるとは…この当時知る由もない)
放心状態で、口から血を流しながらも、急ぎかかりつけの歯科へ運ばれ緊急手術となった。その際に、歯茎に刺された麻酔の注射がめちゃくちゃ痛かったのだ。放心状態でありながらも、それはよく覚えていた。

その痛かった麻酔の記憶がずっと残っていたため、ずっと行きたくなかったのだ。虫歯→麻酔をしての治療は、目に見えていたので、尚更行きたくなかった。
ただもしかしたら、痛くない注射針を使った麻酔があるかもしれない!という淡い期待を胸に……。

③虫歯じゃない!


勝手に虫歯だと思い込んで、歯科に来た私に診察を終えた先生が告げたのは「虫歯じゃないですね」の一言。

え?虫歯じゃないならなんなの?
歯の痛み=虫歯としか思っていなかったので、衝撃を受けた。

「親知らずが化膿しています」
炎症は治まると思いますが、抜かないといけません
「(うちの)歯科では抜けません。口腔外科で抜いてください

え?親知らず?
抜かなきゃならないのに、ここで抜けないの?
なぜ、口腔外科?

理解するまで時間を要した。

春先に私を襲った痛みの原因は、「親知らずの化膿」だった。
しかも化膿していた親知らずは、「埋伏歯」だったのだ。
つまり全身麻酔を行って、歯茎を切開して抜く必要があると……。

歯医者さんから説明を聞いた時点で、恐怖で冷や汗がダラダラだった。
(この文章を書いている今も冷や汗をかいている)

すぐに紹介状を書いてもらい、近くのK総合病院へ向かったのは、それからまもなくのことだった。

④顎の骨がズレてますね

K総合病院へ向かった私は、(昨今の病院事情等を一切知らなかったので)紹介状があればすぐ診てもらえると思っていたのだ。
しかし甘かった。

9:30に受付を済ませ、待つこと3時間―呼ばれたのは、お昼を過ぎた頃。

担当医の先生は、診察台の上で口を開けた私を見るなり一言。

顎の骨ズレてると思いますよ

親知らずの診察に伺ったのに、ここではじめて「歯列矯正」を提案された。

やるにしても、まずは親知らずを抜かねば話は始まらなかった。


この診察から一月後のGW、一泊二日の入院を経て、親知らずを抜くのだが、これはまた、次の回に……。

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