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御上先生はどんな先生?!(4)

2月20日

御上先生の note が書けないでいた。ドラマに興味が薄れたわけではない。ただ今まで書いてきた考察をすべきドラマでは無いような気がしていた。もっと真面目の上辺の誰がどうだという推理ではなく今の日本の子供たちが受ける権利、大人たちが与えるべき義務を「教育」という分野でどう示せばいいのか、真摯な態度で投げかけられている気がする。人の心の内を察することよりもっと重い問い「観て、、考えて、、!」がこちらにもやってくる。

そんな時にこの記事を読んだ。脚本家の写真もある。ありがたい!
FLASH 2/10(月) 11:00配信

“民放ドラマ初”で日曜劇場『御上先生』に抜擢! 話題の脚本家は「以前は派遣登録の仕事で生計を」「テレビなし生活15年」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース

このドラマは日曜劇場でばんばんヒット作を生み出しているTBSの飯田プロデューサーの片想いから始まっているようだ。脚本家・詩森ろばさんに2020年春から打診、その時は脚本が企画を通らず一旦保留。2022年再び飯田氏からろばさんに諦めていないというメールが届き再始動。この間ろばさんはリサーチを独自に続けていたし、飯田氏は企画を忘れていなかった。この両思いが今年の「御上先生」の制作に繋がっている。
それにしてもこんな優秀なプロデューサーと脚本家をもってしても企画ってなかなか通らないとは。放送まで5年もかかっているとは。諦めないことの重要さ! 両者が熱い思いを持ち続けなければこの企画は今も宙を舞っている。その間飯田氏はあの「VIVANT(2023夏)」も「アンチヒーロー(2024春)」も同時進行していてどれも手抜きの無い名作であることは周知の事実。ろばさんもこの間にNHKの連ドラを手掛ける機会があり良い2年間だったようだ。社会派脚本家のろばさんがどんな方向に持って行ってくれるのか、既に5話が終わってしまったけどやっと私は本題を書いていけそうだ。

記事の中では他にもろばさんが初回導入部に試験会場での刺殺事件を描くシーンを持ってきた理由が記されている。それと、(太字は記事から引用)

「でも、たぶん書きたいことはひとつ。私が伝えたいのは『それでも人は生きていかなくちゃいけないよね』ということ。人間が生きていること、生きていくために明日につなげていく何かとか。それを書きたいから、題材がカラフルになっているのかもしれません。いちばん大事なのは命。文化芸術は、命を守るためのものだと思っています」 ⇐記事中のろばさんの言葉

この脚本家の思いを先に知れたのは良かった。生きていかなくちゃいけない。たとえ今は苦しくても時間と共に自分は成長するし、環境は変わるし、周りに居る人も(別の人に)変わっていく。それは60年以上生きた私も証明できる。若い人たちに言いたいのは動けない時には小さく生き、動けるなら環境が変わるよう自分を動かすことだと思う。私はそんな抽象的な話しかできないけど「御上先生」は画面の高校生を通して具現化してくれている。
若い人たちに観てほしい。そして若い人を応援したい大人たちに観てほしいドラマだ。

最近聞いたんだけど、今年の高校受験生がこのドラマを録画し観ているとのこと。正直私は中学生には難しいと思っていた。私自身が難しく一度観たくらいでは本当に届けたいことまで気づいてないんじゃないかと複数回観ている。そんなドラマを若い子たちは敬遠するのではと危惧していた。だけどそうではなく私以上にこのドラマを身近に感じている高度な触角を持った中高生がたくさん居るようで嬉しい。

それにしてもこの記事のコメントが10日も経つのにたったの39件。少ない。お手軽に喜怒哀楽を書ける記事には1000件以上のコメントがあっという間につく。しかも安泰な場所からの怒と哀のコメントが多い。noteに書いている自分もそのひとりってことかも。いや、前を向こう。善くなる為に、前向きな言葉を発信していこう。ドラマを観てほしい。

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先ず初回で同局の人気ドラマ金八先生を否定したことだ。このドラマは人気があり過ぎ、実を削り生徒を守り庇い寄り添う先生こそ教師のお手本だと世間に知らしめてしまった。その頃から教師と生徒の上下関係は少しずつ距離が狭まり、やがて逆転し、暴れたりふざけたりの生徒にも教師は手を出せないようなおかしな関係性を作ってしまった。愛のムチまでもはや暴行でしかなくなってしまった。それまで在った先生は偉い人という目線はモンスターペアレントの出現で崩れて学校が親に気遣う世の中に少しずつ変わってきた。もちろんこの距離感が良い面もあるんだけどそれを良いことに自分の都合を主張する親が居るとその子供たちはそれが正しい、普通と考え育って行く。そしてその子供たちが時間が経ち親となり・・・と繰り返す。
ここら辺で「もとい!」の号令をかける人が必要な時期で、それがこのドラマなのかも。そうしないと教師の成り手が居なくなるのかも。

今までの学園ドラマは荒れて授業もできないクラスだったり、勉強よりスポーツに一生懸命な学校だったり、エリート校だと陰湿ないじめが陰で行われてたり、そういったマイナスをプラスに変えていく過程を描いたものが多かった。でも「御上先生」にはそういった所謂問題生徒は出てこない。みんな個性的で育った環境は違っても賢い善い生徒たちだ。だけど賢いからみんな自分の核を持っていて考えもしっかり各々が出してくる。微妙に違う考え方をみんなで均して正しい方向を見つけていこうとするエリート校ならではのクラス運営に見える。
教師もそこに深く入り込みいちいちナビをする必要が無くポイントで道標をさりげなく示している。それを生徒の誰かがキャッチしみんなに説明しみんながすぐさまそれを理解し次の展開を探り出す。ほんと理想的なクラスの姿で、私はそんなエリートクラスに居たことがないのでそこはちょっと違和感。違和感というより羨ましいというべきか。

ドラマの中での私の注目点
◇古代理事長(北村一輝)
一見善人、裏で誰と繋がり何を考えているのか、今のところ不明
◇溝端完(迫田孝也)個人的に気になる俳優
コバンザメ先生がいつ掌を返し御上先生になびくのかが見所
◇是枝文香(吉岡里帆)
学校では非の無い善人、家庭内では何か冷えた空気感がある
◇一色真由美(臼田あさ美)
養護教諭、過去の御上兄弟と知り合いかも
◇槙野恭介(岡田将生)
文科省での御上の同期、周りには御上と敵対風、実は目的一致かも
◇塚田幸村(及川光博)
穏やかだけど腹黒、演技が上手なので微妙なラインを演じている
◇中岡壮馬(林泰文)
VIVANT、アンチヒーロー、善人だったので今回も味方であってほしい
◇冴島悠子(常盤貴子)
元教師、不倫で学校退職、実は不倫ではなく誰かを守っていたのかも
◇真山弓弦(堀田真由)
冴島悠子の娘、過去を引きずり世の中を変えたいと事件を起こす
◇御上孝(松坂桃李)
本人の懇願から今期主演を射とめたという記事があったが、それだけではなく「御上先生役は松坂桃李だから成り立つ」というコメントが多々上がっている。
亡くなった兄・宏太(新原泰佑)も御上本人も隣徳の生徒だった。今回考察をするならその時期学校で何が起こったのかが鍵だ。文科省での不祥事の後始末で隣徳に来たという御上の言葉は実際とは違う気がした。御上は意図的に隣徳に現れた。自分と兄の母校の隣徳で教壇に立ち生徒や教師を動かし、世の中や教育の概念を変えようとしている。まるで台風の目を隣徳の頭上に置いたように感じる。無風状態に感じるたった1つの教室から周りを回し強風で一帯を更地にし再構築していこうとする御上の目的がドラマの台詞の端々から見えてくる。

御上先生の言葉を書こうとしてその多さを感じていたらそれを纏めてくれている note を見つけた。御上先生の言いたい言葉が此処にたくさん詰まっている!

なつさんの note をそのまま貼らせていただきます。
ありがとうございます!
ドラマ【御上先生】名台詞集|なつ


(3)に貼ったYouTubeで学ぶ課外授業、お薦めなので此処にも。
日曜劇場『御上先生』から見る“教育” 課外授業 ~教育論と表現論を知る~【TBS】


飯田氏が学校テーマのドラマを作るきっかけとなった曲はワンオクだった。
シネマトゥデイ 2025年2月16日 15時00分配信
ワンオクTaka「御上先生」主題歌を引き受けたワケ 歌い出しを日本語に変更「僕らなりに考慮した言葉で」|シネマトゥデイ

次は(5)に時間を置いて書きます

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