強迫性障害、強迫観念の克服 その1「BDNF」を増加させる
強迫性障害、強迫観念の克服には何が必要か?ということですが、もうとっておきのやつをいきなりぶちまけます。それは運動です。恐らく、軽い症状の方はこれだけで治る可能性はあります。
強迫観念の発生にはエネルギーが必要
強迫観念は雑念、自動思考と捉えられます。要はこいつらが邪魔なのです。認知行動療法の概念では、これらの強迫観念を頑張って無視し、慣れさせていくということになるのですが、それができたら苦労しないというのは、強迫観念に囚われている方にはおわかりかと思います。それを無理やりというか、わかりやすく解決してくれるのが、「運動」です。「運動で治るの?バカバカしい!」と思うのは、早計です。私はこの歳になって気づきました。「運動こそが万病を防ぐ素」だと。運動すれば疲れるので、エネルギーを消耗します。エネルギーが減れば、強迫観念が生み出される分が減ります。それだけでもやる価値はあります。
BDNFが強迫性障害克服のカギ
運動すると、脳内のBDNF(脳神経栄養因子)という物質が増加するそうです。このBDNFには強力な抗うつ作用があることが知られており、BDNFを上昇させることで強迫性障害の症状は弱まります。ある研究では強迫性障害やうつ病の人では血中BDNFレベルが例外なく全員低下しているとのことです。また、運動はマインドフルネスと共通するものがあります。今、ここに集中ですね。今、ここに集中できれば自ずと強迫観念は消え去ります。運動は精神状態を自然とそういう感じにもってきてくれます。
強迫観念で運動をするのが辛い場合
私もそうでしたが、外の散歩をすると確認が酷くて、運動にならないという方は、家で出来る運動でよいと思います。階段の上り下りや、踏み台昇降運動などが良いでしょう。しかし、これは他の記事で書きますが、日光に当たるメリットは非常に大きいので、明るい内に、家の周りをぐるぐる回るとかでも良いので、外で運動することも取り入れてみてください。庭で縄跳びをするとかでも良いと思います。とにかく運動が強迫性障害克服の近道です。
中~高強度の運動を取り入れるのがおすすめ
運動不足の方は、初めはちょっとした散歩から始めるとよいと思いますが、少し負荷をかけると運動の効果は上がります。おすすめなのが、歩き→早歩き(もしくは走る)の繰り返しです。歩くだけでも運動の効果は高いですが、スタミナもつけられる、カロリー消費も上がる、ワーキングメモリも鍛えられる等、嬉しい効果を得たいのであれば、運動の強度は多少は上げるべきです。基本はそれでよいですが、発展形として「HIIT」もおすすめです。20秒全力で動き、10秒休むトレーニング方法です。これはかなりきついので、初めは1セットだけやるとかして、慣らしていき、ゆくゆくは4セット以上できるようになるとベストです。20秒全力、20秒軽く動くというのもおすすめです。「HIIT」でやる種目ですが、定番の「バービージャンプ」だけでもよいです。お好みで、他の種目も取り入れてみてください。You Tubeには「HIIT」関連の動画がたくさん上がっていますので、ネタには困らないと思います。「HIIT」はカロリー消費が少なく、減量効果は薄いですが、有酸素運動の「筋肉を分解する効果」が弱めなので、ボディビルダーとかがやっていることが多いです。更に所要時間が少ないので、忙しくてどうしても運動する暇が無いという日は、とりあえず「HIIT」だけやっておくというのも手だと思います。