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2025年、ソフトウェアエンジニアの年収アップ戦略

遂に2025年になりました。昨年末はジョブマーケットに明るい兆しが見えてきた年であると感じます。コロナバブル時のような事はもう早々おきませんが、経験・実績があるエンジニアであれば2025年は良い転職年になるのではないでしょうか?

この記事は2025年に年収アップしたいエンジニアへ向けて具体的な年収レンジと企業名、必要な経験などを絡めて話しています。


年収は何で決まる?

基本的に年収は所属企業職位の二つの要素で決まります。よく市場価値という言葉がありますが、私はあの言葉は嫌いです。あんなもの受けていく企業によって全く事情が異なるわけです。

例えばサカモトくんは年収800万円です。下のA社に勤めるミドルレベルの職位で給与レンジ(600~1100万円)の中の大体中央にいますね。この給与レンジは会社が定める限り絶対なのでこの方がこの会社で1100万円以上狙おうとするとシニアに昇進するしかありません。

A社の給与レンジと職位

サカモトくんはなかなかA社でシニアに昇進できないので、転職活動を開始し運よく外資系のB社に入社できました。この会社ではA社と同じ下から二番目の職位の同じミドルでオファーを得ました。面接での評価はミドルのやや下の方でしたが、B社のミドルの給与レンジは1200 ~ 2000万円でオファー年収は1500万円となり倍の年収アップを勝ち取りました。

B社の給与レンジと職位

このように同じ職位であって企業によって全然年収は変わってきます。同じ働き方のレベルが求められているにもかかわらず給与が全然違うなんてことはザラにあります。

転職活動する際は、どの企業のどの職位レベルを狙っていくのか?これも考えて受けていかなければなりません。例えばシニアを狙うのであればシニアっぽいエピソードを複数用意して臨まなければなりませんし、技術面接で課題が与えられた場合にはリーダーシップを発揮して答えていかなければなりません。

転職における年収とは自分で決めていくものです。あなたが1000万円欲しいと思えば、あなたのスキルや経験で年収1000万円を出してくれる企業を探せばいいのです。今無理なのであればそこで感じたギャップを埋め合わせていきましょう。

年収レンジ別の考え

目指す年収帯によって戦略を考えていく必要があります。次から始まる説明は全てを語れているわけではありませんが、テック企業で働いている方、目指している方へ向けて書いています。コンサルやSIerなどの業態は考慮していませんので悪しからず。

年収600 ~ 1000万円

日系テック企業で典型的に貰える給与レンジです。

日系テック企業からミドルレベルのオファーを貰えば大抵はこの年収ラインになると思います。日本のテック企業にいる多くのエンジニアはこの年収レンジに収まっていると考えると一般的なエンジニアの年収と言えるでしょう。

例えば楽天のBBBグレードであれば年収860万円、サイバーエージェントのJB05でも640万円のオファーが出たりします。

どうすればこれらの企業のミドルレベルでオファーがもらえるでしょうか?ここで長々と説明するのもあれなので要点だけ答えると、技術者として議論が成立するという点が大事かと思います。

例えば、面接で「MySQLを採用したと言っていたけどどうしてこの結論になったのですか?」や「認証方法にはJWTを利用していると言っていたけど、JWTを採用する上での利点や気をつけるべきポイントは?」など面接で飛んでくる技術質問に対して論理的に答える必要があります。自社の技術選定の理由くらい答えられるようになっていなければ正直厳しいです。

これらは面接の前に自分で準備ができるので、必ず振り返っておくようにしましょう。技術選定に正解はありません。EC2にアプリケーションからDBまで全て乗っけることも実は一番効率が良かったと言えるユースケースだってあります。

年収1000 ~ 1500万円

日系テック企業の上位職種もしくはグローバル企業のエントリ〜ミドルの給与レンジです。

一般的には高年収と言われる年収帯です。日系テック企業この年収をもらっている方は例えばシニアなどの上位職位になってきます。とはいえ10年前後の経験であれば着実に昇進した方は年収1000万円は超えているのではないかと思います

日系テック企業の中にも年収レンジが高い企業があり、メルカリ、PayPay、LINEヤフー、エクサウィザーズ、LegalOn Technologies、リクルートなどは年収も高い方です。こういった企業を狙って転職活動するのは悪くありません。

例えばマネーフォワードでもG5であれば年収1000万円、LINEヤフーでもG4(Senior)で年収1200万円のオファーが出たりします。

シニアでオファーをとることを考える場合にはシニアとして自分は御社で働けますよとアピールできる材料を探さなければなりません。チームメンバーに建設的なフィードバックを送った経験、プロジェクトをリードして成功に導いた経験、複雑な技術的意思決定を行った経験など受け身で働いていては中々得られるものではないです。現在シニアでオファーを取りたいと思っている方は上記に挙げたエピソードを語れるように普段の仕事から意識的に取り組んでいきましょう。

また、Indeed、Google、Amazonのエントリ〜ミドル下位のソフトウェアエンジニアの年収レベルは大体このくらいです。日系テックのシニアでオファーには経験が足りないエンジニアでどうしてもこの年収が欲しい方は英語とコーディング面接を頑張りましょう。この二つさえなんとかなればこれらの企業に入ることができます。対策としては私と元Amazonのエンジニアが開発しているCoding InterviewCatなどのプラットフォームで面接対策すると良いかと思います。

年収1500 ~ 2000万円

グローバル企業のミドル以上、日系テックの超上位職種はこのレンジです。

基本的にはグローバル水準の年収を出す企業でなければこのレベルのオファーを取るのは非常に難しいでしょう。しかし、意外と要求レベルはとんでもなく高いわけでもないです。今メガベンチャーあたりで働いている5+年くらいの経験のエンジニアであれば面接対策さえすれば到達できるレベルです。繰り返すようですが、英語とコーディング面接をまずなんとかしましょう。

例えばAmazon JapanのL5であれば年収1800万円、SmartNewsのMidレベルのUpper levelであれば年収1800万円なども出たりします。

また日系テック企業の超上位職種(スタッフ)でもこの年収を出す場合はあります。要求レベルは言わずもがな高いです。普通に働いていては難しく、組織的にインパクトを与えれられる仕事をリードしていたなど、実力以外の部分も大事になってきます。

例えばLegalOn Technologiesではスタッフで年収1800万円などもありえます。

年収2000万円超

グローバル企業のシニア以上の給与レンジです。

この辺りから、グローバル水準の年収を出す企業からただオファーを得るだけでなくシニア以上でオファーを取る事を考えなければなりません。

ここまで来るとコーディング面接の結果だけでは不可能です。コーディング面接は最低限雇うかどうかのシグナルに利用される事が多く、ミドルレベルまでは通用してもシニア以上だとこれまでの経験やシステムデザインなどで高評価を得ていかなければなりません。私もこのレベルのオファーを得るために日々どうやって仕事するか?研鑽するかを考えています。

例えばApple JapanではICT4で年収2700万円のオファーが出たりします。

なお普通の日系テック企業でこの年収を目指すのはあまり現実的ではありません。たまにLINEヤフーやメルカリでももらっている方がいると思いますが、本当に超上位職種の稀な例であると考えた方が良いです。

まとめ

この記事を通して言いたかったことしては

  • 年収が決まるのは所属企業職位の二つの要素

  • 転職で狙う年収は自分で決めていく

  • 職位ごとに求められる経験が異なるのでそれを意識して普段仕事すべき

  • 経験が少ないが高年収を目指すなら英語とコーディング面接対策

です。600 ~ 1000万円の間をもっと話してほしいと聞こえてきそうですが、日系テック企業のシニアの給与レンジが多少降りてくるくらいで方針として変わることはないです。

多くのエンジニアに当てはまるアドバイスとしては、経験を充実させて日系テック企業のシニア以上を目指していくか、英語とコーディング面接対策をしてグローバル企業を狙っていくか?この二つなのかなと思っています。両方あれば言わずもがな最高です。

2025年を最高の年にしていきましょう。以上。

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サカモト@エンジニアキャリア論
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