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『ヒヤマケンタロウの妊娠』で社会観を見直す

様々な問題が「男性妊夫」を起点にとても丁寧にわかりやすく描かれています。
性差に関する偏見や社会環境の不備、会社の妊娠者への在り方、少数者に対する多数者が持っている無知ゆえの圧力などなど、1話約25分×8話という短さをまったく感じさせない豊潤な物語でした。
見た方は必ずや自身が知らないうちに抱いている歪んだ社会観に気付かされるでしょう。

そして役者陣も素晴らしいです。
『シン・ウルトラマン』が記憶に新しい斎藤工さんは、男性妊夫という現実にはあり得ない役所を現実としかあり得ないかのごとく演じられております。
この役は彼でなければ成立しないと思わせてくださいました。

そして相手役の上野樹里さん。
仕事に生きるバイタリティあふれる役所で、序盤は妊娠させたことにどこか無責任さがありつつ、徐々に親としての感情が芽生えていくという、これまた現実には起こり得ない役をとてもわかりやすく視聴者に伝えてくださってます。

ひとつひとつ問題を取り上げていくと膨大な文章量になるため割愛いたしますが、百聞は一見にしかずです。ぜひご覧いただき、新たな社会観を獲得していただきたいです。


それにしてもリリー・フランキーさんってどの作品でも絶対にリリー・フランキーさんでしかない強烈さがありますよね。

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