「愛の軍団」としての矜持 モーニング娘。'24 コンサートツアー秋「WE CAN DANCE !」
⬛︎ 群馬遠征
「モーニング娘。'24 コンサートツアー秋
WE CAN DANCE ! 10/19(土) ベイシア文化ホール(群馬県民会館) 大ホール(群馬)」に行ってきました。
ツアー初日の立川公演のチケットが当たらなかったので群馬へ遠征です。
弓桁朱琴さん(ゆみげた あこ メンバーカラー:ピュアレッド)のパフォーマンスを今見ておかなければ、今後の文化人類史を語れないと思ったからです。
「モー娘。3日会わざれば刮目して見よ」の教えに従って、コンサートを鑑賞しなければと思い立って遠征を決意したのです。
モー娘。を見るのは10年ぶりくらいです。刮目どころの騒ぎではありません。
楽曲は数えるほどしか分かりません。それでも見ないといけないと思ったのでした。
前橋駅に着き、歩いて会場まで向かいました。バスを待つのが苦手。遅れてしまうのでは、という不安もありまして。
到着して物販に並んだのですがお目当てのものは全て売り切れでした。人気高すぎ!
というか情弱&ファン意識低すぎ!
欲しいものがある時は物販スタート時に並ぶべし!
座席に着き隣の方に軽く挨拶し待つ。
10期メンバーの石田亜佑美さん(メンバーカラー:ブルー)が今回のツアー終了と同時にご卒業とのことなので、観客のペンライトやTシャツも青が多い印象でした。
⬛︎ モー娘。は伝承の歴史
モーニング娘。は歴史が長いです。
歌とダンスが代々引き継がれていきます。
石田亜佑美さんは歴代屈指のダンススキルをお持ちです。9期メンバーの鞘師里保さん(メンバーカラー:レッド)と良きライバル関係であり、ダンスによる肉体表現を高め合う同志でもあったと感じます。
そんな石田さんの青き炎がツアータイトルにも刻まれています。
そしてツアーと同時に公式YouTubeでデビュー時からのシングル曲のソロ振り付けを公開。
「モーニング娘。のダンスの歴史を遺していく」という強い想いが感じられます。
その意志がメンバー全員に確実に伝播しているのがわかりました。
全員のダンスが流麗で、楽しい曲は全身から楽しそうな波動が広がっていき、しっとりとした曲は表情や指先など細部にいたるまで音楽を味わっているように感じました。
妖艶というと字面が大人過ぎるので、あえてここは「清艶」と表現したいです。
(こんな熟語があったんですね。日本語って奥深いですね)
まさに清らかでキラキラしたエネルギーを放ちながらも、艶っぽさもまとっているのです。
ダンスは振り付け通りに動くことが出来れば「上手く」見えるでしょう。でもそれは「上手い」であって「スゴい」ではない。
石田亜佑美さんのダンスを見れば一目瞭然です。彼女は「上手い、かつ、スゴい」。
見る人に「これが正解の振り付けなんだな」と思わせる説得力と、他のメンバーとは明らかに違うレベルの高さから「どれほどの努力を才能の上に積み重ねてきたのだろう」と想像させる力強さがあります。
そんな石田亜佑美さんが現メンバーにダンスそのものを遺し続けているツアーです。
みんなのレベルが格段に上がっていっているのでしょう。
弓桁朱琴さんのパフォーマンスがすごかったです。
以前の映像でも表情の作り方がすごく、今回それを拝見できて良かったです。
(見る者を平伏させる眼光。たぶん熊くらいだったら逃げ出す。熱いほどの眼差しで圧倒する)
序盤から特にすごいと感じたのがアイソレーションと呼ばれる頭と身体を左右別々に動かすダンスです。
この日のために頸椎を増やしたのでしょうか。
ぐわんぐわん動いていて、頭が取れてしまうのではないかと心配しました。
(取れるわけないから心配してない。でも物凄く動いててスゴい!と思った)
弓桁さんは石田さんからダンススキルを受け取っているのだなと思いました。
鞘師里保さんがモーニング娘。として最後に発売したシングル曲『冷たい風と片思い』が本ツアーに組み込まれているのも、石田さんの強い想いが感じられて涙腺を刺激されました。
鞘師さんのダンスソロパートが印象的な楽曲ですが、ツアーでは石田さんがソロを踊り、その後各メンバーもダンスソロパートをそれぞれ踊り、それを石田さんが見守っているように感じました。
つまり「WE CAN DANCE」です。
「石田亜佑美さんが抜けたらダンスレベルが落ちるんじゃないか」と心配するファンに向けての答えがすでにツアーで表現されています。
まさに「最新のモーニング娘。が最高のモーニング娘。である」というのを証明しているようでした。
⬛︎ 「愛の軍団」としての矜持
この項目ではモーニング娘。の精神性と社会的な役割について考えたいと思います。
(すでにお気付きかと思いますが、このnoteは社会的意義とか幸福度を上げるために何が必要か、サブカルチャーを引き合いに考察する場です)
モーニング娘。の楽曲には愛を歌う作品が多いです。
僕の好きな曲である『愛の軍団』はまさにモーニング娘。を言い表したタイトルだと感じます。
もしモーニング娘。が戦隊ものになったら主題歌はこれでお願いします。
「自分を信じて行くしかない」
「成功したら幸せだと言えるのか?」
「他人の目を気にせず守るべきものを守れ」
「マジョリティの波に飲み込まれず孤独でも貫け」
というとても力強い内容です。
これはそのままモーニング娘。のアーティストとしての戦い方でもあるでしょう。
他の歌手やグループとは何か違うと感じる方も多いかと思われますが、それが「愛の軍団としての矜持」なのだと僕は思いました。
愚直に愛を信じ続け、代々引き継がれ、何年もパフォーマンスされ続けていく。
人間を奮い立たせる愛の軍団は、本気でこの社会を笑顔と愛と幸福で満たそうとしているのです。
今社会が不安定に感じられたり、不安を刺激されて焦らされているのだとしたら、処方箋はすごく簡単です。
「あなたにはモーニング娘。が足りない!」
人生の素晴らしさや愛の強さを思い起こさせてくれる楽曲に必ず出会えます。
⬛︎ 今回のにこにこポイント
さて、長々と書いてきましたが、最後はコンサートを鑑賞してにこにこした場面を挙げてしめたいと思います。
席が遠かったのでステージ後ろの大きなビジョンを見がちでしたが、それでも十分楽しめました。
今後ますます大きな存在になっていくと予感します。
P.S.
コンサート終了後にラーメン屋に寄ったら店主さんが気の良い方で、「どちらかの帰りですか?」と聞かれ「モー娘。です」と答えたらYouTubeで曲を流してくださいました。
今のモー娘。もぜひ聴いてください!と思いました。