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向き不向きな占術

少し昔にある同業者の先生から、「梅舟さん、手相だけで占い師として、食べて行くのは、難しいし、大変だよ、せめて、もうひとつぐらい占術を学んだら」と何度も言われたことがある。

ずっと心に引っかかっていた言葉であった。

会う度に助言をしてくださったし、間違えではない。

むしろ、的確なアドバイスである。

この世界で食べて行ける人間は、ほんの一握りだからね、とも言われた。その助言に焦りと不安をおぼえて悪あがきをしてしまった。

その先生の言われたことが間違っているとか、言われたことを否定しているというのではない。

素直に自分には、他の占術を学び、理解し、実践的に鑑定する能力がない、欠けていると素直に、正直に言えなかった。

きっちりと本当の気持ちを伝える必要があった気がする。出来ない自分を知られたくなかったし、もしかしたらやれるかもしれない、という期待感が自分自身の中にもあった。

しかし、向き不向きや占術との相性もある。 

やっぱり、 自分にとって偽りのない、信じている占術を選ぶ必要があり、精神的にも技術的にも無理のないものを扱うことが大切である。

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