徒然に「裏山しいちゃん」を解説
「裏山しいちゃん」はJR飯田線「飯田駅」近く、「丘の上」と呼ばれる長野県飯田市の中心市街地にある、築年不詳、少し傾いた古い木造二階建てをリノベーションした「多目的コミュニティ空間」です。
人やモノが溢れるカオスな空間
この説明文を書いている時点で展開中のプロジェクトやサービスをご紹介させていただきますと、貸本店「くまのこしょてん」、レンタルスペース、地元で最大発行部数を誇る「月刊まじめ」編集部、広告デザイン会社「株式会社週休いつか」のサテライトオフィス、3Dプリンターなどプログラミングをもくもくおこなう、その名も「もくもく会」。
そして、ヘアメイクアーティストおぐねぇーこと小椋ケンイチ氏プロデュース「水引御殿」や古い家をリノベーションしたりDIYのお手伝いをおこなう「ディ不動産」などがあり、狭い器に様々な人やモノが溢れるカオスな空間です。
日々変化する施設
演劇と読書を融合させ深い思考実験の機会となった「肉と本しみず」は、関わった方々の心に響く、この施設の象徴的な取り組みになりました。
音楽ライブや映画人や演劇集団によるパフォーマンス、アトリエ「爆発芸術舎」によるインスタレーションなどアート的要素を含んだイベントも生まれては消えてゆきます。
コンテンツが日々変化するのも、この施設の持つ特徴のひとつです。
大人のみならず高校生も、そして地元企業へと拡大
また、こうした取り組みの主体は大人に限ったことではありません。地元高校生が日常的に出入りしていて、高校生による駄菓子販売、地域最大課題のひとつリニア中央新幹線「飯田駅」開業について語り合う場「リニアカフェ」などを開催。
「ちいさな地方創生会議in信州飯田」は、当地特有の文化である「やらまいか精神(住民自治)」と地方創生をテーマとしたイベントでした。地域内外から錚錚たる登壇者が高校生のために手弁当で駆けつけ、大勢の参加者と奇跡的で貴重な時間を過ごしました。
飯田市産業経済部では地元企業における対若年層の雇用情勢改善を目的とした『高校生と地元企業とを「つなぐ事業」』を始めていますが、これは「裏山しいちゃん」のスキームを地元企業にとってのロールモデルとする、拡大再生産への試みです。
内発的動機付けを大切にするインキュベーション施設
なお、先にあげた様々な事象は「自分(たち)がやりたいことをやろう」という内発的な動機づけを大切にしながら、この価値観に共感する人々と出会うことによって生み出されてきました。
「裏山しいちゃん」は、このような人々にとってインキュベーション施設として機能するほか、応援してくださる企業や行政とを結びつける装置にもなっています。
唐突ですが、「人生一度きり、週に五日は休みたい!」がスローガンの「株式会社週休いつか」。「裏山しいちゃん」の生みの親ともいえる存在です。「裏山しいちゃん」は、過労死や非正規雇用、働き方改革、女性の雇用問題など「人が働く」ということに強い関心をもってきた「株式会社週休いつか」の思想の権化でもあるのです。
「うらやましい」ですかね?
・・・と徒然に「裏山しいちゃん」を解説してみました。
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