貸本屋の会員さんが80人近くに。皆さんも物好きですね・・・
こんにちは。のっけから不躾な見出しで申し訳ありません。長野県の南で貸本屋「くまのこしょてん」をやっています。「裏山しいちゃん」という建物に入っている貸本屋なのですが、おかげさまで今年の4月で2周年を迎えます。感謝です。
本が貴重な時代には貸本屋というものが存在していたようですが、今どき貸本屋?って感じですよね。近所の方、通りかかる車の方、この店を見て「え?」って思われる方もいらっしゃるかもしれない。実際、店に入ってこられた方に「かしほんっ!?」って驚かれたことも少なくありませんし。
でも、一番驚いているのはわたしたちのほうで、この田舎町で会員さんが80名にもなりまして・・・。失礼な表現ですが、皆さんもよっぽど物好きですね!
それにしても「これはいったい」ということで、「会員さんがどうしてこんなに」について考えてみます。
面白がって会員になる
まずは「面白がって会員に」なられるという方。
凝った仕掛けや特別な発想もない貸本屋ですが、店を構え、本を並べとそれなりに労力がかかることを大まじめに取り組むという馬鹿さ加減にユニークさを感じておられる方々です。
おそらく、このような方々自身がきっと面白い方々か、面白い人生を歩んでおられる方々だと勝手な妄想が膨らみます。
買うものがないのでとりあえず
つぎに、「店に入ってみたものの買うものがないのでとりあえず」という方々。本当にお気遣いありがとうございます。
その場でファンになった方
ファンみたいな方もいらっしゃいます。たいてい「なんかいい!なんかいい!」と若干興奮してみえます。
旅行などもしかり非日常ってワクワクしますよね。一歩店に足を踏み入れた瞬間から、このお店のファンになってくださります。
本の寄贈者
本を寄贈くださる方々は、このお店のコンセプトのひとつ「知識のシェアリング」をアウトプット側として参加される方々。
誰しも眠っている本をいくらかお持ちの筈ですね。そんな誰の眼に触れることもなく眠らせている本を「みんなの本」にしてしまおうという取り組みに共感いただける方々ですね。
会員カードとトートバックがよろしかろう
原価100円は下らない会員カードに、それなりにコストがかかっている一枚一枚書き下ろしのイラスト付きオリジナルトートバック。300円の入会金を払うと差し上げます。いらないって言われない限り。
さらに初回は1冊無料でレンタルできてしまうという大盤振る舞い。これに惹かれて・・・という方もいらっしゃいます。
口実にされる方
「くまのこしょてん」が入っている建物「裏山しいちゃん」に足を運ぶ口実にされる方。「裏山しいちゃん」は、コワーキングやレンタルスペースの機能をもち、広告デザインやフリーペーパー、不動産の会社のインフォメーションオフィスだったりしますが、大雑把に言えばコミュニティ空間。「インキュベーション施設」とか、「第二の公民館」などと言われています。
ここでは人の「やりたい」を実現するために何ができるだろうと考え、そのひとつの方法として「人と人とが出会う場」をつくりだそうと取り組んできました。
それだけではなかなか店に入りにくいのですが、きっかけが貸本ってことであれば、若い方も年配の方も、コニュニケーションが若干苦手な方も、とりあえずは入りやすいとのことで役立っています。
今でもできる「やりたいこと」を仕事にする
ここまで読んでいただいた皆さまありがとうございました。平成が終わろうという時代の貸本屋と会員さんについて少しお分かりいただけましたか?
一昔前は今よりもっと細かな職業がたくさんあったと聞きます。つまり、いろいろな仕事が消えていったそうです。テクノロジーがますます進化し社会が豊かになり、「食えるか食えないか」「お客が多いか少ないか」という選択ではなく、好きなことや得意なことが職業にできる時代が来たら良いなって思います。
しかし、そんな未来を待ちきれないので、今でもできる範囲でやりたいなって思った貸本屋を営んでいます。もちろん、それだけでは食べて行けませんから、様々な仕事を組み合わせて。
会員さんという形でご支援いただいている皆さま、ありがとうございます。これからも物好きでいてください!
《貸本屋の会員さんがどうしてこんなに増えたか》
・面白がって会員になる
・買うものがないのでとりあえず
・本の寄贈者
・会員カードとトートバックがよろしかろう
・口実にされる方
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