田舎の町内会行事は権力誇示装置 #前編

こんにちは。毎日晴れて暑かったり曇って寒かったり体調を崩しやすい天候が続きますね

さて、今回のエピソードは　田舎の町内会行事　にまつわるエピソードです
町内会行事にも色々ありますが、みなさんは町内会行事にどんな印象をお持ちでしょうか？

今回は田舎に移住した時の　溝そうじ　について書いて行きたいと思います
みなさんお住いの地域で町内会の溝掃除ってどうしますか？

私は田舎に移住するまで　溝掃除　が町内会行事だと思ったことはありませんでした。
そもそも、近所で集まって何かをする　というものでもありませんでしたし
ただ○月○日に溝掃除をした泥を回収に業者が回るので、回収を希望する人はそれまでにご自宅の前の溝をすくって置いてください
と言う感じでした。田舎に移住した時以外ではどこもそう言う感じで、いつやろうが一人でやろうが自由でした。

自分の時間がある時に溝の中を掃除をして、すくって道路の端に集めておくだけでした
掃除している時に近所と会えばちょこっと挨拶と世間話をして終わりという感じです
いつやるかさえ、別に3日前だろうが1週間前だろうが、それぞれ好きな空いた日の空いた時間にできるので　特に苦でも楽でもなく意識すらした事のない行事と言える程の事ではありませんでした

しかし田舎では違います

まず日時がきっちり決まっています
その日時に各世帯から数名ずつ人を出してきて共同で作業をします
しかも自宅前の幅20cmくらいの溝をすくっておけば済む話ではありません

田舎でいう溝掃除の溝は　小川といってもよく、農家にとっては用水路になります
はっきりいうと農家の為に溝掃除をしていると言っても過言ではありません
排水溝も兼ねていますが、多分都市部だとあの大きさの溝掃除は自治体の仕事になると思います
その農業用水路を兼ねた溝を住民に掃除をさせるのです
みなさんは田んぼに水を引くには取水権というものが必要で、その維持管理の為に毎年お金が必要なのをご存知でしょうか？
私はあのお金は一体どこへ消えているのだろうと思いました
私が移住した田舎でも農家をやっている世帯は全体の半分もありません（殆どが兼業農家です）

さてそんな田舎の溝掃除ですが、排水溝がきれいになる事以外の目的が存在します
一つは先に書きました農民の為であることがですが、あと一つは　なんだと思われますか？

それは　土着民の権力誇示　の為です

先ほど、日時がきっちり決まっている　と書きましたが、理由はその為です
皆が顔を合わせなければ意味はないと土着民は言います
そしてこれは　住民達のコミュニケーションの為という建前になっています
私が何十回も参加しましたが、あれがコミュニケーションと言えるのか疑問でした
そのことはまた別の回で書きたいと思っています

近年コロナで会議もリモートになってやっと気がついた方もいると思いますが　
ほとんどの人にとってわざわざ時間を作り移動して顔を付き合わせるのは非常に無駄な時間なのです

会社でわざわざ時間を割いて場所を決め集まって会議をする　あるいはヤクザがわざわざ組長の所に子分を集める
それらは皆、自分の権力を他の人間に見せ付けるのも目的です。
町内会の総会も同じ意味があるといっても過言ではないです
わざわざ皆からいちいち報告をさせたり、上の者にお伺いを立てたりする必要なんてないはずで、ただ書類を回せば済む事を、沢山の人の時間と場所を合わせて人を集めるのは自分達の権力を皆に見せつける為なのです

”声のでかい者”にとってはこれは非常に重要で、自分の支配欲を満たす絶好の機会なのです
でなければ、わざわざ集まらなくとも要点をまとめた書類を各戸に配れば済む話です

田舎の町内会行事にさえ　そういう意味があることを証拠づけるエピソードをこれから書いて行きたいと思います

人はコミュニケーションを取ってないと、他の人への影響力が薄まって行きますね
自分の権力が弱くなると言ってもいいでしょう
芸能人でもなんでもいいですが、マスメディアへの登場回数が減っていくと皆どんどん忘れて行きます
皆から忘れられると影響力が弱くなって何を言っても誰も耳を貸さなくなります
顔を突き合わせていなくても影響力を維持する為に　噂話を利用する　という手法もあります
しかしこれは噂話に興味があり　聞き耳を立てている人にしか効きません
私のように人の噂話などに興味がなくただのノイズにしか聞こえない人間には全くと言っていいほど影響がありません

そこでやはり集合して顔を突き合わせる　というのが権力者にとって非常に有効な手段となります
近所にいくら偉そうな老人が住んでいる　と知っていても、会う事も話をする事もなければ　あなたの頭の中から存在は消え去り、話題にも上らず、あなたの生活に何の影響も及ぼさないのと同じです

とエピソードに入る前に長文になってしまったので今回はこの辺りで終わりにしておきます
今回もご覧いただき大変ありがとうございました。