おかめの雑煮で虫養い
有楽町の「おかめ」で軽く虫養いをと思って来てみた。
珍しく今日は静かでボクひとり。
「たまご雑煮」を選んでたのむ。
年中雑煮が用意されててしかも2種類。たまご雑煮と味噌雑煮がある。
味噌雑煮はお餅のほかにうどんも入った、味噌味のかちんうどんのような商品。今日のお腹にはちと重い。
力うどんは餅入りうどん。
かちんうどんも餅が入ったうどんだけれど必ず焼いた餅を入れなきゃカチンにならない。しかもカチンは餅をあらわす公家言葉。手間のかかった贅沢料理を思わせる。
父はかちんうどんが好きだった。網で焼いた餅を大抵3切れのせてもみじおろしをたっぷり乗せて食べていた。しかもうどんはいつも2玉。大食漢を絵に描いたような人だった。
ずっと女性シニアスタッフでやっている店でした。
ところが今日、若い女性スタッフが2人入ってらっしゃった。
笑顔かわいく言葉遣いも丁寧で、キビキビ働く姿がなんとも若々しくて、お店の空気を明るく感じた。
従来のシニアスタッフさんもどこか元気に感じる。
そしてやさしく声かけながら働いてるのね。
お客さまとしても、一緒に働く立場としても、子供世代がいると緊張するけど孫世代になるとすべてが許せるように感じる。オモシロイ。
たまご雑煮がやってくる。
手のひらにすっぽりおさまる蓋つきの椀。
蓋を開けるとおすましに卵の白身がふわりと浮かび、三つ葉に蒲鉾。
うつくしいうえ優しい景色にニッコリします。
卵を割れば黄身はほどよき半熟で、汁に溶け出すようで溶け出さずゆらゆら揺れる様子がステキ。
昆布の旨みに塩の風味で仕上がる汁。自然な甘みがオゴチソウ。
白身がスルンと唇撫でるようにしながら滑り込んできてフルルととろける。黄身はとろんとなめらかで、口の中が潤う感じ。
大きな蒲鉾と甘辛煮付けのしいたけが卵の下から浮き上がる。
煮付けた椎茸ってなんでこんなにおいしいんだろう…、なめらかな歯応え、独特の香りに風味、ざっくりとした歯切れ感。
しいたけが嫌いだったタナカくんはそのすべてが苦手って言っていたなぁ…、って思い出す。
しばらくすると卵の黄身が汁に溶け出し濁らせる。濁った分だけ味に深みとコクがでるのがおもしろく、これもひとつのケミストリ。お腹あったか、虫も養生できました。