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五目そばは五目ラーメンでも五目メンでもないんだよネ。

ここ一年ほどで景色、空気が一変してしまった歌舞伎町をぶらぶら歩く。
訪れる人のみならず呼び込みのおにぃさんたちもめっきり減って街はさみしい。
畳んでしまう店が多い中、これをむしろチャンスとばかりに店を出す人もあったりもするたくましさ。
大きな映画館の跡地には来年開業を目指して200メートル超えの超高層ビルが建築中。開業の頃には景気も人も戻るとふんでのことでしょうか…、ホテルと劇場がメインテナントになるんだという。
中国料理の「五十番」で昼。

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店に入るとほぼ満席で一番奥のテーブルが最後の1卓。

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ビールの入ったコールドショーケースが目の前でケースの上にはテレビがデンッ!オリンピック中継の真っ最中。それをみているお客様の目線を背中に感じていささか緊張しました(笑)。

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テーブルの左手は厨房の出入り口。跳ね上げカウンターの上に次々、できた料理がのせられる。調理の気配もどのテーブルよりも間近に感じる一等席にニッコリします。
前回はチャーハンを選んで食べた。見事に焼き切られたご飯の食感も、八角形のチャーハン用の器もどれもいかにも昭和のゴチソウ的で感心したものでした。

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今日は「五目そば」にする。
ラーメン、チャーシューメン、ワンタンメンと中国料理店の汁そばは大抵「メン」が最後につく。数少ない例外が五目そばともやしそば。特に五目そばに関しては五目ラーメンとか五目メンと言った途端にどんな料理なのかイメージできなくなっちゃうくらい。「中華そば」の延長線上にある料理だからかなぁ…、って思う。オモシロイ。

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厨房の方からジャジャって湿った音がやってくる。
野菜を炒める音なんでしょう。
ジャッとひときわ大きな音がしたと思ったら静かになる。スープをくわえて仕上げに入った合図でしょうか…、まもなく料理がやってくる。
厚切りチャーシュー。炒められた豚バラ肉。
キャベツにニンジン、細切りピーマン。
かまぼこ、なるとにきくらげ、それから半割にしたゆで卵。伊達巻が入るところがほとんどだけど、ここは代わりに卵焼き。卵焼きの中には刻んだ青ネギがたっぷり入って彩り豊か。スープをたっぷり含んでおいしい。
スープは鶏ガラ、とんこつの合わせスープに塩がくっきりとした輪郭をつけてほどよきコクと強いうま味でゴクゴク飲める。オキニイリ。

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麺は軽く縮れた細麺でスープとのからみが絶妙。口の中へおいしいスープをたぐりよせてはみずみずしくする。炒めて仕上げたキャベツは甘く、油の香りがスープに深みをあたえてくれる。この「炒めた具材の風味が混じったスープ」というのがタンメンだとか五目そばを味わう醍醐味なんだなぁ…、ってしみじみ思う。

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それにしても具材が豊富。そしてたっぷり。麺をズルズル食べてるとあっという間に器の中はほぼ具材だけ。その具材がおいしく、野菜を一杯食べた実感に思わずお腹も笑うよう。ピーマンが案外いい仕事をしてくれていて、緑の香りが油をすっきりしてくれる。

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お酢をたらして後半味変。あっという間に器は空っぽ…、オキニイリ。


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