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鯛胡麻茶漬けと山かけご飯

東京駅の寿司清で朝。タイ料理と寿司屋と牛たん専門店と、早起き店舗が3つ並んだ中の一軒。
最近、ここが続いていたのでガパオライスで今日1日を始めようかとお店を見た。
そしたらなんとそこは満席。
かわりにいつもはにぎやかな寿司清が静かだった。

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こう言うこともあるんだなぁ…。
寒さが本格的になってスープヌードルやピリ辛ガパオが恋しい人が増えたのかしら…、なんて思って寿司清にした。

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最近、大抵、海鮮漬け丼を食べていたので久しぶりに「鯛だし茶漬け」にしようとたのむ。お供に「山かけとろろ」をたのんでひとそろえ。

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山かけとろろをとったのはちょっとした企みのため。まず小さな器に入った鯛の胡麻和えをご飯の上に全部のっける。鯛の切り身を使って丁寧にねり胡麻を器に残さぬようにしっかり拭ってうつし、空っぽになった器にご飯を拝借。山かけとろろに醤油をたらす。

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とろろに箸を入れてざっくり混ぜ合わせ、鯛の胡麻和えが入ってた器の上で傾けむける。最初は動くものかと抵抗し、ところがある角度を超えて傾いた途端に、ドゥルンと雪崩を打つように下の器に向かって落ちていく。
流れ落ちるというよりも、剥がれ落ちると言ったほうがぴったりするような勢いよさで、たちまちご飯はとろろで覆われ、青海苔やいくらにマグロの漬けがご飯の上に散らかっていく。

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ご飯を移した器の上が程よい大きさで、ご飯はほとんど山芋とろろで隠れてる。
器に口つけ、ざぶっとかきこむ。
トゥルンととろろが口の中へと流れこむ。
お茶漬け用の硬めのご飯がホツホツと、とろろと一緒に転がりまわって騒々しくなる。
いくらはプチッとはぜてつぶれて、とろみを帯びたジュースがにじむ。
ひんやりとしたマグロの漬け。ピトッと舌に張り付いてサクッと歯切れて、漬け独特のネットリとした肉感的な食感残してきえていく。

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お椀の中に残ったご飯は胡麻だれまみれ。器の中では花が咲くように整えられていた鯛の切り身が、花びらちらしてご飯の上に舞っている。

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まずその鯛の胡麻和えをご飯と食べる。江戸前流に熟成された鯛の切り身でネットリしている。そのネットリが練り胡麻と一緒になって一層ネットリ。西日本のブリブリとした鯛の切り身ならそのおいしさはいかばかりだろう…、って思うもここは東京で、これもまたこれ。

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熱々の出汁をかけると切り身に熱が入って徐々に白くなっていく。鯛独特の強い旨味とキチキチ奥歯がきしむような食感感じて、ウットリします。
あられをパラリ。海苔をちらして食感、風味をにぎやかにする。それにしても出汁がおいしく、体が芯からあったまる。満たされました、さぁ、仕事。

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