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荒木町さわ野の秋のゴチソウ、穴子のカツ煮

昨日、ひさしぶりに近所の「やきとんあかし」に飲みに行った。
友人とタナカくんを偲ぶ夕べ…、って感じの夜であかしにきたのは5年ぶり。
お勘定をしようと立ち上がったら「もしかして」って声をかける人。
四谷三丁目界隈で「もしかして」ってかかった声の続きは「サカキさんですか?」であることがほとんどなので「はい、サカキです」って振り返りほんの少々の立ち話。
一緒に飲めればよかったのになぁ…、って思いながら家に帰って、今日は「荒木町さわ野」で昼にしようと思った次第。

昨日に続いてタナカくんを偲ぶ昼。
秋のランチメニューに「穴子のかつ煮定食」がある。穴子が鰻よりも好きだったから今日はそれ。

お店に入って注文をしてのんびり待ってたらご主人が「あの画家の方が亡くなられてもう4年以上経ちますか?」っておっしゃる。
覚えてくれている人がこうしているってことはシアワセ。さぁ、昼ごはん。

お膳の上にメインの小鍋。
季節の炊き込みご飯に味噌汁、料理が4種でひとそろえ。

卵でふっくらとじられた穴子のフライに絹ごし豆腐。
熱の入れ具合がやさしくて卵の一部がブルブルしてたけど、この状態がタナカくんは好きだったんだ…、と思って食べる。
卵でとじてもサクサク感が残った衣。

ぷるんと卵がまとわりついて口の中でとろける感じが揚げたてフライにないおもしろさ。肉感的とでもいいますか…、味がしっかり染み込んでご飯がすすむオゴチソウ。
穴子自体も厚みがあってむっちりしてる。小骨がときおり奥歯に触るもそれすらおいしいアクセント。出汁を吸い込み卵をまとった絹ごし豆腐がまたおいしくて、プルンと舌の上でふるえて崩れて消える。

今日のご飯はさつまいもと豆と雑穀。さつまいもは皮もひげもそのままでほどよい甘味がご飯を炊いた出汁のうま味を引き立てる。
ホツホツとした硬めの炊き上がりが好みでうれしい。

おかず料理はゴボウとひじきの煮物に厚焼き卵、しらすのせ。ポテトサラダに漬物。ほどよいおいしさ。
味噌汁がおいしくってネ…、味噌は控えめ、出汁のうま味を味わう仕上がり。

穴子のフライを食べ終える頃には熱々だった小鍋も冷める。
持ち上げるとんすいに中身を移してざぶざぶ食べる。
硬めに仕上げた玉ねぎがシャキシャキ奥歯をくすぐる感じにニッコリしました。満ちました。


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