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歩いて歩いてありつくそばのおいしいことよ

早く目がさめ体も軽い。なんだかたくさん歩けそうな気がしてそれで牛込柳町を目指してテクリと歩く。
昔、住んでたことがある町。タナカくんとはじめて出会ったバス停近くに「白河そば」って立ち食いそばの店がある。そこを目当てにひたすら歩いて20分ほど。

朝早くからもうにぎやかで、早起きさんたちが朝そばスルスル食べている。
出汁がおいしいそばの店。
冷たくしても出汁の風味やうま味がゆるがず、むしろすっきりとした後口が印象的で、いつもここでは冷たいそば。昔は中華麺とそばだしを組み合わせたぶっかけ中華っていうのがあって、チュルチュル感が好きでいつもそれだったけど中華麺の仕入れがなくなり、代わりに今ではもっぱら冷たいぶっかけそば。

きざみをそばにトッピング。
「もっと小さいちょいがけカレー」に煮卵乗せてひと揃え。

テキパキ料理が仕上げながら、ご主人が価格を暗算してくれるのね。
サービスの紅生姜と刻んだタクワンを盛り付けながらボクも負けずに暗算し、1150円をにぎりしめて料理をうけとる。

そばをすっかり覆うように、刻んだ油揚げ、わかめにネギに天かすに海苔。

麺は色黒。

キリッと冷やされ麺は芯までひきしまる。
噛むとガツンと奥歯を叩くほどに硬くて歯ごたえがよい。若干モサッとしていて、出汁がからんで口の中が潤う感じがなんとも旨い。
カレーは辛口の大人味。一口目からヒリヒリ辛く、食べ続けると辛さがどんどん舌に重なりヒーハーしてくる。

ただ辛いだけじゃなくうま味がしっかりしていておいしい。香りもさわやか、スパイシー。
舌が疲れたところで煮卵。甘辛醤油出汁で煮込まれ白身が水分を煮汁に吐き出し小さくなってる。白身は硬く、黄身はとろけてねっとり甘い。
そばのかけ出汁も舌をホッとさせてくれます。醤油をほとんど使わず出汁と塩で味は整い、にもかかわらず複雑にして濃厚、どっしり。
カレーで疲れた舌にもおいしさをしっかり感じる力強さにうっとりします。

「だち油」っていうここオリジナルの調味料が用意されてて、山椒風味のラー油みたいな味わい。

軽い痺れと香りがそばをエキゾチックにしてくれる。

しみじみおいしい、オキニイリ。


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