「自主研のススメ」38.効果の深掘り
2023年1月、できる公務員御用達の『月刊ガバナンス』へ初寄稿しました!「自主研のススメ2023」と題して、自分の体験として改めて「自主研の効果」について記したのですが、その後、たまたま自主研に関するインタビューも受ける機会があり、そこでも自主研の効果が話題になりました。
そこで、自主研活動をすることで得られるメリットについて、改めて深掘りしてみます。
1.僕自身が感じている効果
寄稿では、大きく3点あげました。
一つ目(A)は、幅広い情報を蓄積することができたこと。
役所の業務は多岐にわたるにもかかわらず、業務上で得ることができる目の前の情報だけで物事判断するのって結構怖くないですか?
それが日頃から幅広く情報を得ていることで、ある程度は自信を持って判断できるというのは僕の強みになっていると捉えてます。
二つ目(B)は、企画作りやファシリテートのスキルを身につけることができたこと。
特に今の部署では課題解決マターが盛り沢山なので、物事を整理して、多くの意見を引き出して、より良い方向性に導くことができるようなスキルを身につけてられたことはメチャ仕事に活かせてます(属人的に過ぎる感ありますが・・)。
三つ目(C)は、同志と呼べる仲間ができること。
これが一番かも。このおかげで、僕の人生は格段に豊かになったと実感してます。つながってる皆さんにはホント感謝です。
(サムネの写真は、まさにこの効果を象徴してます)
ここまで、自分自身の体験として大きく3つあげましたが、どうしても抽象的な感が否めません。
そこで、より具体性を増すために次のように分析をしてみました。
2.進化思考(解剖)的分析
進化思考のワークの一つに「解剖」があります。自主研の活動を、僕なりに解剖し、次のように整理してみました。
活動は大きく3つに分類できます。
一つ目(X)は、自主研への参加(図下)
ここで行われるプロセスは、参加申込→聴講やダイアログ、そして懇親会等への参加です。これらを通じて学びに加えてネットワークもできます。
二つ目(Y)は、勉強会等の企画(図中)
単に参加する(X)のと比較して、活動するプロセス(付箋)の量が一気に増えます。こうした活動を経験することで、聴講等受け身的な学びだけでなく、企画力も身につけることができます。また、ネットワークは(X)でも得られるとありますが、企画している側になると信用財産を稼げるので、得られるネットワークの質・量ともに高まります。
三つ目(Z)は、自主研の運営(図上)
会の運営全体を統括するので、マネジメント力が身につきます。これ、非常に重要な要素と考えてます。
というのも、一般的に役所は係長になったその日から「マネジメントも意識して働いてね♪」といきなり役割が振られます。優秀な方はそんな無茶振りでもこなせるでしょうが、自主研でマネジメントの経験をしておくと、その辺りの不安要素が軽減できるのは間違いないです。
3.クロス分析で見えるもの
僕個人が得られたと考える効果(横軸)と解剖分析(縦軸)をクロスで整理したのが下の表となります。なお、グループ運営で得られるマネジメント力をDとして横軸に追加しています。
これまで「自主研やってどんな効果があるの?」と言われた時、どうしても回答が抽象的になりがちでありましたが、その理由は一口に自主研に参加しているといっても、活動の範囲(具体的には経験するアウトプット量)が異なり、それによって得られる経験値も異なることが大きな要因であると上記の表を見ると理解いただけないでしょうか。
さらに、これらの経験によってどれだけ成長できるかは、個人が持つ吸収力によって異なります。得られる経験値が個人の資質向上に与える影響は異なることから変数(α)と考えてみましょう。
ぶっちゃけ、元々仕事ができる人は(α)が限りなく「1」に近い値(場合によっては1を越えることもあるでしょう)にあり、逆に普段から不器用で物事を身につけるのに時間がかかる人の(α)は、きっと「0」に近いでしょう。そうなると、同じ自主研の活動をしても、得られる効果は変数(α)によって差が生じます。当たり前のことですが。
ただ、ここで最も注目すべきことは、(α)は0を下回らないということ。要は、やらないよりやった方が個人の資質向上につながるということです。
以上が僕なりに整理した自主研の効果の深掘りです。
最後に全体をまとめると次のとおりです。
・当たり前の話だが、自主研は参加しないよりは参加した方が資質向上ができる。
・自主研で得られる人的ネットワークは自治体職員人生を豊かにする。
・学習会に参加するだけでなく、企画・運営側にもコミットすることで得られる経験値が増える。
「他にもこんな効果あるよ!」
ということがありましたら、ぜひコメントやメッセージをもらえるとうれしいです。