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O365導入プロジェクトでやらないことリストを作る~インセプションデッキ~

インセプションデッキの中の要素にある「やらないことリスト」を作ってみた。O365導入プロジェクトを進めていくうえで、「何をするか」だけでなく「何をやらないか」をステークホルダー間で共有しておくことの必要性を感じることができた。

インセプションデッキに注目したきっかけ

及川卓也氏の名著「ソフトウエア・ファースト」に記述があり、興味があったので調べた。インセプションデッキの中の「やらないことリスト」という表現方法に特に注目した。

インセプションデッキとは

以下の記事がわかりやすかった。

インセプションデッキ | ネスケラボ

◆インセプションデッキとは
インセプションデッキとは、プロジェクトの全体像(目的、背景、優先順位、方向性等)を端的に伝えるためのドキュメントです。ThoughtWorks社のRobin Gibson氏によって考案され、その後、アジャイルサムライの著者 Jonathan Rasmusson氏 によって広く認知されるようになりました。

◆インセプションデッキの構成
インセプションデッキは10個の質問と答えから構成されます。

我われはなぜここにいるのか(Why1)
エレベーターピッチを作る(Why2)
パッケージデザインを作る(Why3)
やらないことリストを作る(Why4)
「ご近所さん」を探せ(Why5)
解決案を描く(How1)
夜も眠れなくなるような問題は何だろう(How2)
期間を見極める(How3)
何を諦めるのかをはっきりさせる(How4)
何がどれだけ必要なのか(How5)

この10個の質問は、顧客(ステークホルダー)と開発チーム間で認識を合わせるべき重要な項目といえます。

インセプションデッキの大きな特徴は、1つの質問が1枚のカード(パワーポイントのスライド)で構成されることです。そのため、わずか10枚のスライドで、プロジェクトの方針と概要を理解できるようになります。また、数時間~数日で作成できるので、素早くステークホルダーとすり合わせをして、プロジェクトを立ち上げられるようになります。

振り返ればインセプションデッキがいた ~ ヌーラボにとってのインセプションデッキ ~ | 株式会社ヌーラボ(Nulab inc.)

◆プロジェクトの目的を考える機会に最適

ヌーラボではエンジニア率が非常に高く、全体的な技術力には強みがあります。その強みを最大限に活かしつつ、プロジェクトの目的や方向性を捉えるためのものとして、インセプションデッキは効果的でした。
エンジニア同士の会話だと、どうしても「What : 何を作るか」「How : どう作るか」に話が偏りがちになります。「Why : なぜ作るか」「for Whom : 誰のために作るか」をじっくり考えるために、インセプションデッキの中でも「我われはなぜここにいるのか」「エレベーターピッチ」を特に重視しています。

ヌーラボの記事にもあるように「What : 何を作るか」「How : どう作るか」に話が偏りがち。これはエンジニア集団ではない私の属する組織でも同じ。そこで「Why:なぜ作るか」を関係者間で議論を詰めることが必要だと常日頃思っていたので、インセプションデッキを社内プロジェクトのスタンダードなフォーマットにしてもいいのではないかと考えている。

なぜ「やらないことリスト」が有効と考えたか

一般的に、プロジェクトの効果を進言する資料は「あれをします、これをします」の羅列になってしまいがち。だけど、QCD(品質、コスト、納期)はトレードオフの関係であるはずで、何かをやらない(あきらめる)という判断をどこかでしているはず。やらないと決めていること(スコープ外)をプロジェクトを始める前にステークホルダー間で共有しておくことが大事だ。「やろうとしていたができませんでした、ごめんなさい」のような、後出しジャンケンではなく、「効果を出すためには、これはやらない」と最初からネゴを取っておくことの意味は大きい。

やらないことリスト(O365導入プロジェクト)

上記で紹介した記事を参考にして、O365導入プロジェクトの「やらないことリスト」を考えた。これをたたき台にして更新していく予定。

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まとめ

思いつくままに書き出してみた。私一人では知恵が足りなかったり、見えていない部分が必ずある。これをたたき台にしてステークホルダー間で詰めていく予定。インセプションデッキは、考え出すキッカケになるという意味で、非常に良いと感じている。

更新履歴

20.2.2 新規作成
20.2.2 やらないことリストの内容を一部修正

以上。






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