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ボカロ曲「ここすき」な「歌詞」の話

こんばんは。一介の賃金労働者ボカロリスナーのさかじょんです。普段は週1回くらいの頻度でボカロリスナー文書を製造しています。

いや~今年も終わりが近くなってきましたね。この記事はボカロリスナーアドベントカレンダー2022の12/12(月)担当記事です。

今年もobscure.さん(@voca6458)企画ありがとうございます。

私は昨年度のボカロリスナーアドベントカレンダー2021で記事を書くためにnoteを始めたのですが、もう1年経ったと思うとえれえことです。
あの頃は修士論文を書いていたんですよね……。

さて、昨年はボカロ曲で「ここすき」な「音」について書きました。

1年経ってせっかくですので、今回は楽曲を構成するもう1つの大切な要素である「歌詞」について、ピンポイントな「ここすき」を綴りたいと思います。

歴代の「ここすき」

まずは、2022年の楽曲に限らず、私のボカロ人生において好きなボカロの歌詞フレーズをご紹介します。昨年の「音」の記事と被ってる曲ばかりなのですがユルシテ……(好きなんだもん)

①「BREEEEAK THROUGH!!」(ケダルイさん/2018年)

限界なんて恐れちゃいないわ
キミはそう言って明日を切り裂いて
夏の匂いとキミの香りが混ざりあって
風が吹いたんだ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm33641228

人生10選でもご紹介した、ケダルイさんの「BREEEEAK THROUGH!!」です。「限界なんて恐れちゃいないわ」という底抜けの前向きさ・清々しさを、スカッと突き抜けるサウンドが彩ります。以前も同じことを書いたのですが、「『がんばれ』と言うのではなく、『前を笑顔でかっとんで行く人の背中を見せてくれる』ことで元気をくれる曲」です。

②「私は足りないでいっぱい」(HaTaさん/2018年)

人生を棒に振ろうとは思ってないんだ
そうじゃなく、自分の幸せを自分で
定義し損ねてしまっただけ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm34172788

「自分の幸せを自分で 定義し損ねてしまっただけ」がとてもすきです。「自分の幸せを自分で定義する」ということ、ステレオタイプの「幸せ」が支えてくれはしない現代を生きる人にとってとても大切で、それでいてとても難しい。そんな世界に生きる切なさ、作り笑顔の生を丸ごと包んで歌い上げるかのような一曲です。

③「トンデモワンダーズ」(sasakure.‌UKさん/2021年)

“どうして”!?“ああして”!!も「全部」だいすき!がいいじゃん!!
みんなみんな笑っちゃえの魂胆で

https://www.nicovideo.jp/watch/sm38907008

「みんなみんな笑っちゃえの魂胆で」……。いい魂胆だな~!!
音と歌詞の楽しさに溢れた一曲、その名の通り「トンデモ」なわけですが、その中に聴く人の身体が自然と揺れ動くような笑顔があります。何度見ても、ドット絵のMVも素敵ですね!

2022年の「ここすき」

ここからは今年2022年の曲から、「ここすき」歌詞を紹介していきます。

①「ぎゅって」(MIMIさん)

「つらいの」言えないでもいいじゃない
合図でほら、僕ら生きている

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40329410

「『つらいの』言えないでもいいじゃない」というやさしさがとってもやわらかいですね。「つらいの」を受け止めるやさしさももちろんありますが、「つらいの」が言えないことを包み込んで肯定するやさしさがあってもいいじゃない。

②「回せツインテール」(maras k)

嗚呼 神様仏様
きっといい子にしますんで
ツインテールなびかせば
御後がよろしいようで!

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40623158

「きっといい子にしますんで」……って絶対いい子にせんのやろ! 絶対はっちゃけるやろ! と思いました。笑
私もミクさんと一緒にツインテール回してえな……。

③「終末には酸素がない!」(夜流みずくさん)

この終末には酸素がない
でもその時までは踊っていたい
取り残されたストーリーはとうに
延長戦終盤を迎えて

もうこの星には未来がない
終わると知っていてもやめらんない
この歌が届くように最後に
電子の波を君に送ろう

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40771049

「でもその時までは踊っていたい」「終わると知っていてもやめらんない」の2フレーズが特にすきです。IPPUN GP参加曲なので1分しかないですが、伸びるリンちゃんの声と不思議な空気感を持つ音遣いが魅力的ですね。

④「社会科見学」(appyさん)

放っぽりだしていいかい?
僕のこと忘れていいかい?
放っぽりだしていいかい?
樹海の真ん中でビンタ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40771454

こちらもIPPUN GP参加曲です。うごメモPVも圧巻ですが、歌詞の細部に宿るスパイシーな狂気と少しの恋慕がとっても刺激的です。この曲がなければ、人生において「樹海の真ん中でビンタ」というフレーズに出会うことはできなかったと思いませんか?

⑤「Ours」(*Lunaさん)

ここから始めたらいいさ 何度でも
だって僕ら人生一回目

https://www.nicovideo.jp/watch/sm40897880

「だって僕ら人生一回目」、そうだよなあ~。私もまだ人生一回目なんだもんな~。ちょっと難しいこともあるし、うまくいかないこともあるけど、そんな僕らも人生一回目。ちょっとくらい許してあげて、そんな自分と一緒に「一回目で一回しかない」自分の生を進んでいくのも悪かない。そんな気分にさせてくれます。

歌詞を聴かないボカロ曲も……良いよね!

さて、ここまで「歌詞の良さ」に焦点を当ててまいりました。ここまで言っておいて何ですが、実際のところ私は「音優位」な聴き方をすることの方が多く、「歌詞は全然聞き取れないけどこのボカロ曲最高~!」という聴き方も積極的に支持しています。

ただ、だからといって「歌詞はなくても良い」と思っているわけでは全くなく、「歌詞を乗せられる音」とも言えるボカロの声と、他の「音」たちが作り上げる「音の総体」としてのボカロ曲や、そんな自由度に裏打ちされた曲群に表れるクリエイターの個性に魅力を感じているものです。その「個性」の幅を広げるのに、歌詞というものは非常に資する要素だと感じています。

この辺の話も以前に記事にしましたので、お時間がある人は読んでみてください!

おわりです(+ちょっと告知)

さて、今回は「ここすき」な「歌詞」に関して、いくつかの楽曲をピックアップしてご紹介しました。エモい歌詞から明るい歌詞、不思議な歌詞まで、ボカロ曲には様々な方向に魅力的な歌詞が詰まっています。

皆さんも、「ここすき」な歌詞を探しつつ、Youtubeやニコニコをさすらってみるのはいかがでしょうか。

ん? ニコニコといえば……本日、ニコニコがバージョンチェンジして「ニコニコ(eR)」になりましたね!

私は :Q の頃からニコニコに居ますので、気づけばもうニコニコの歴史の半分以上もおるんか……となっています(ももつきゆきやさん(@yukiyalien)、お借りします!)。

:Q の頃は遥か遠く……

そうして(Re)から(eR)を迎えたニコニコとともに、色とりどりの有志が集まった夢の合同誌、「Re:starteRs」が年末のC101にて頒布されます! 私も今は亡きボカロ垂れ流し生放送「Nsen01」の思い出を綴った1pを寄稿しております。

私は寄稿してるだけなので一般参加なのですが、チケット当選したので自分の足でスペースに行きます!

冬コミに参加する方で、ニコニコに「思い」がある方には非常に興味深い1冊となっているかと思いますので、ぜひ!

最後は少しの宣伝とさせていただきましたが、来年も皆様のボカロ人生が豊かでありますよう。(ペースは落とすかもしれませんが)来年もちまちまボカロの記事を書いていければいいな~と思っていますので、良ければ読んでやってください。

ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

モチベが上がります(当社比)