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中国広東省南部 開平市 世界遺産を訪ねて!

中国広東省南部 開平市 世界遺産を訪ねて!
                                                                                                                             22.07.22 さかい 悠 
 赴任時代 広東省を中心に地方都市の風景に触れながら、小さな出来事を求めて、一人旅を楽しんでいた。

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 今回は中国広東省南部 開平市周辺の世界遺産の紹介。 
今からもう十年ほど前に成る この辺りは広東省の南に位置する温暖な場所 華僑の故郷でもある。
華僑の故郷は広東省、福建省など中国南部の出身者が多い、今回旅する開平市は華僑の出身者が特に多い地域でもある。
 当時 私が住んでいた場所(深圳)からバスで片道3時間ほど、移動、観光を含めると日帰り観光は時間的にギリギリの場所

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 華僑が外地(中国以外の地域に出稼ぎ)で成功し、その財をもとに故郷に建てた家があちこちに残っている 田舎には不釣合いのモダンな建物が多く点在する。
 のどかな田園地帯に突如、背の高い建物 今は寂れ(さびれ)使われなくなった建物、中には物置程度しか使っていないものもある その建物を見て回る事と内部を公開している所もあるので是非見学したいとの思いが今回の目的。 
 外観は無論、室内装飾、一部の家具類がそのまま残っており、当時の暮らしぶりが確認できる 年代は20世紀初頭 1900年〜30年と聞いている しかし1部を除いて、多くは荒れ果てたものが多い。

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 長距離バスに揺られ開平のバスターミナル、更にそこからローカルバス(市中バス)に乗り換え、田舎道を歩く事でやっと目的地に着く。
 バスの中の乗客、バスターミナルの案内人、 路線バスの運転手、よろずやの店主、自転車で通る子供達、片言の中国語を駆使しながらいろんな人に尋ねながらやっとのおもいでたどり着く。
(人は言う タクシーで行けば簡単なことなのに!)
 いつも苦労して探し出す面白さ、そのどきどき感、その過程がたまらない ツアーでは体験できないスリリングな出来事が好き!

 市中バスを降り、さて実際に歩くとなると、なんとなく心細い 事実 田舎の通りは夜など避けたい風景である。

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ところ処に看板が設置され、それを頼りにひたすら歩く 大きな看板は見落とすことは無いが、小さな看板は見落とし、その度に引き返す事もある 人に聞く事もあるがやはり最後は自分の判断。

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途中 喉(のど)を潤すにもコンビニなど無い、やっとのおもいで見つけた万屋(よろずや)の店先   ※万屋=日曜雑貨など何でも扱う田舎の店
店主は壊れかけた椅子に座り、昼寝の最中、飼い犬も同様に寝そべっている。

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 飲み水を求めるも商売っ気はまるで無い 自分で店の冷蔵庫から1本取り出し一息入れる 当時1本1元〜2元  静か 生暖かい風   店主同様眠くなりそう  時が止まるとはこんな事なのか?
イッキに汗が噴き出す しばし休憩 午後の日差しが照り付け人通りは全くない。

 知らない土地での移動は風景と感情が混在する。
目的地はまだ先か? あの曲がり角を曲がると何があるのだろう?  そして何が見えるのだろう? そんなことを思いながらひたすら歩く!

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 当時はまだまだ携帯の地図ナビが十分機能しない頃 バスターミナルで買った地図を片手に聞いた目印を探しながら歩く。
 大きな橋に出た、対岸に目的の建物が有るはず!

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 バナナ畑のわき道から突然 中学生くらいの子供達が自転車を漕い(こいで)で現れた ものめずらしそうに話しかけてくる しかし会話が成立しない 広東省は広東語のエリア 広東語の会話は全く理解不能 普通語(標準中国語)でもろくに話せないのに尚更 仕方なく地図を見せながら目的の場所に指差す 納得したようで方角を指さす。

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 やっとの思いで目的地に到着 中学生が教えてくれた方角で道は合っていた!
休日にも拘らず 観光客はまばら 世界遺産に登録されてはいるものの観光客は少ない。
私の様な1人旅で、しかも探索しながら観光する人などまれ 観光ルートとは少し離れているのか? その為か観光客も少ない 有名なルートより少し外れているのだろう。

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 先ずは最上階に登ってみた 遠く山々を見渡し のどかな田園地帯が広がる いろんな形の塔が点在する 一つとして同じものは無い。

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 先ほど立ち寄ったよろず屋の方角を眺めたが木々の大きさ、バナナ畑の広がりで確認できなかった
高さが違うせいか風が心地よい 曲がりくねった田舎道を苦労して来た甲斐が有った。

 建物内はいろんな調度品が揃っている、使用した品々が当時のままに飾られている 中には今も使用している生活空間が有る、当時の田舎では考えられない豪華な建物、当然狙うものがいる その為か鉄格子、鉄の扉など防備も気を使って建てられている 優雅さを兼ねた堅固な建物と感じる。

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 隣接する、近くの建物も見学でき何軒か見て回る 室内の装飾の豪華さ、調度品は見るべきものが有る。

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 今でも実際に生活している建物も多い 生活感がする 洗濯物が干され かまど用の小枝、貯蔵用の食料が庭先に干され、子供たちが大きな木陰の広場で遊んでいる。

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 中国でも最近、都会ではこの様な光景を目にしない、この場所は日常の光景として存在する 自分の子供の頃の光景がいま目の前でおこっている。 当然 それぞれの家で車も持ち、携帯電話を使用する環境であろうが外から見る光景は子供の頃そのものである。

 日はまだ高い しかし そろそろ戻らないと! バスターミナルまで戻るには徒歩、市中バスを乗り継ぎ、来た道を戻らねば成らない。
 同じ道なのに行きと帰りでは景色が違う うしろを振り向きながら違いを確かめる事もする。
同じ道であっても川を背にする、山を背にするでも風景が違う その違いも興味深い。

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行きと帰りを別のルートにすると、これまた面白みが増す。
旅はいろんな方角からの楽しみ方が良い そのほか、季節であり、寄り道であり 乗り物を変えてみたりでいろんな楽しみ方がある  旅とは自由奔放に許す限りアレンジしてみたい。

 市中バスの停留場で30分程待つ バス停近くでは水牛がのんびり草を食んでいる。

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 目的のバスがやってくる 手を上げ、乗る意思を示さないといくら停留所に人がいても止まってくれない いざ乗って見ると少し違和感?! バスの通路左側に板敷の座るところが有る 込み合っている時に通路板敷きに座ることが出来る 安全に少し疑問を感じるが、なるほど面白いアデア! 今回 混んでいないので座る人はいないが座った状態を見てみたい。

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 田舎道をのんびりとバスターミナルに向け戻る。 暑い日であるが雨の心配は直ぐには無さそう ただ帰りの高速道ではいつもの時間帯で夕立が有りそうな雲行き。

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 帰りの高速バスの時刻にまだ1時間ほど余裕が有る 丁度近場のビルの2階に喫茶店を見つける。 店内は混んでいる 私の様なバス待ちの人もいるのでは! coffeeを注文したがよくよく他の客を見ているとお茶のセットを注文している人が多い これもまた初めて見る光景 小さなやかんにお湯、お茶っ葉などがセットで出される それぞれに自分好みの量で茶葉を入れ、お湯を注ぎのんびりと、くつろいでいる 当然茶葉の種類も豊富で個々に銘柄を注文するであろう! なかなか面白い 今度類似の店が有ればこのセット良いな!

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時間は5時近く 深圳に着くには8時を過ぎるかもしれない!

 ほぼ時間通りにバスが深圳のネオン街に入る 長い見学と歩きで流石に疲れた 車窓を見ながらのバス旅行も楽しい 記憶に刻む旅が今回も出来た。


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