2021、夏の終わり
八月の夕焼けが懐かしくなる九月の夜空
7月から始まった夏は終わって
新しい季節への憧れはなく
何もかもがあっけらかんとした静寂の夜は
まっすぐ歩く帰り道でも 思考回路は蛇行運転
まごう事なき夢を抱いてる
掛け布団に抱きついてそっと閉じる目
昨日見た猫のあくびが未だ目蓋に焼き付いてる
理路整然とした気持ちの代弁よりも
体が熱くなるような自分の根底を探す
年の功が弾き出す合理的な言葉に
僕自身の背筋が凍りつく午前一時
大して面白くもない予測変換で刷り込まれた言葉が、
脳内を徘徊 空回りする歯車
いつだってそう 曖昧な妄想にしがみついて
答え合わせが間に合わなくなる前触れ
向かい風が僕の体温を下げた。
嫌気がさし 書き換えるように
心臓が早まり出した
君と僕の手のひらのシワを合わせて祈るみたいな 答え合わせ
白黒つけるためじゃない
ただ、何もかもが勿体無いだけ
両手じゃ足りない感情を愛と呼んでる 分かって
変わって欲しいんじゃない
足りないものなんてない
確かめ合って 裸足のまま
明日になっていく