【江東区】HPVワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種と9価ワクチンのご案内~
みなさん、こんにちは!
看護師、助産師、一児の母
江東区議会議員の酒井なつみです。
本日は6月の議会でも取り上げた「HPVワクチン」について取り上げます。
ヒトパピローマウイルスやキャッチアップ接種の詳細。
新たに定期接種化される9価ワクチン(シルガード9)についてキャッチアップ接種の対象なのか、待つべきなのか、などを紹介しています。
ぜひ読んで広めてくださいね。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは
まだ馴染みのない言葉かもしれません。
HPVとはヒトパピローマウイルスのことです。
ヒトパピローマウイルスは、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。
子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。
特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVワクチンを接種する大きなメリットに、子宮頸がんの予防があります。
子宮頸がんとは
ウイルスの持続感染を予防することで、子宮頸がんになることを予防します。
子宮頸がんは自覚症状がないまま発症・進行することが多く、発見が遅れると妊娠出産に影響を及ぼすだけでなく、命に関わることがあります。
私は28歳の時に子宮頸がんと診断され、手術・抗がん剤治療を受けました。
子宮を摘出しており、子供を産めなくなってしまいました。
同じような悲しい思いをする女性を1人でも減らしたい、と子宮頸がんの撲滅に力を入れて活動しています。
もしこれを読んでいるあなたの周りに、16歳から25歳までの女性がいたら、HPVワクチン受けた?と聞いてみてください。
まずは予防できるワクチンがあることを知ってもらうことから。
江東区キャッチアップ接種について
ご存知ですか?
1997年生まれ~2006年生まれ(現在16歳~25歳)の女性の中には、自治体からのお知らせが届かず、ワクチン接種の機会を逃した方がいらっしゃいます。
国は、まだ接種を受けていない方に改めてHPVワクチンの接種の機会をご提供しています。
江東区ではお知らせと予診票などの送付は、7月11日(月)に発送しています。
HPVワクチンは国の定期接種に指定されており、無料で接種ができます。
2022年度は江東区内111カ所の医療機関で接種が可能です。
接種の期限は令和7年3月31日までと設定されていますが、なるべく早い接種をオススメします!
自分で自費で打ったよ、という方は、申請によりお金が戻ってきます!
償還払いのページをご参照ください。(江東区ホームページ)
9価ワクチンの定期接種化が決定
とても喜ばしいことに、9価ワクチンが定期予防接種化されることとなりました。
来年4月1日から全国で無料で打つことができます。
もちろんキャッチアップ接種の方も選択可能です。
専門家は4月を待って9価ワクチンを打つべきか?ということに関しては「個々の状況に応じて判断して」と呼びかけています。
厚生労働省の資料などによると、9価ワクチンは子宮頸がんの原因の80%~90%をカバーします。
一方で、副反応はこれまで承認されていた2価/4価と同様であり、優れた効果が確認されています。
ワクチンはウイルス感染を防ぐ効果はあるが、既に感染しているウイルスを排除したり、子宮頸がんを治したりする効果はありません。
ウイルスは主に性交渉で感染するため、初めての性交症の前に打つことが最も効果的です。
そのためキャッチアップ接種の対象の方は、これらを踏まえ、産婦人科医に相談するなどして個別に判断していただければと思います。
議会での取り組み
キャッチアップ接種及び償還払いについては、6月に補正予算を審議し、可決。
江東区では本年7月から事業開始・受付開始となりました。
補正予算の審査では以下を要望しました。
区ホームページでの案内を速やかに開始すること
見やすいページにすること
接種券の取り寄せを電子申請可能にすること
償還払いの対象に既に接種済みの9価ワクチンを含めること
副反応疑いへの対応力向上(初期対応のマニュアル化と丁寧な対応、医療機関での対応)
医療従事者への研修/医療機関や学校と連携した啓発
4価ワクチンは男性も対象であることの啓発
子どもへのワクチン助成の導入(おたふくかぜワクチン、季節性インフルエンザワクチン)
詳しくはこちら。(江東区議会インターネット中継)動画でご覧いただけます。
ワクチンの接種率向上について
HPVワクチンは積極的勧奨が差し控えられた期間が約9年間もありました。
その間は区では2%未満しか接種されませんでした。
2021年にHPVワクチンの積極的勧奨が再開され、区では対象者全員に個別通知を送りました。
その後、接種率は20.2%に上昇したものの、依然として低い状況です。
学校に関しては日本教育新聞から啓発のポスターやチラシが送られていると聞いています。
素晴らしいです。
それぞれができることを地道に続けていかなければなりません。
自治体の役割は特に大きく、益々の取り組みを要望しています。
子宮頸がんの撲滅に向けてはHPVワクチンと、子宮頸がん検診が両輪です。
この併用で子宮頸がんの発生率を年間10万人当たり4人以下にする「撲滅」は可能だとされています
早くからHPVワクチン接種を開始していたオーストラリアでは2028年には子宮頸がんの撲滅が達成できると予測されています。素晴らしいです。
日本でもいずれ撲滅できると信じて、これからも活動して参ります。
応援してください!