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「定義文」がわかりにくい特許分類と対処法
こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。今日は「分類の意味がわからない時の対処法」について書きます。Peingで頂いた、こちらのご質問からです。
最初に対処法をいくつか。
・わからなくても「結果」が出ればよし。
検索に使ってみる。ヒット公報の傾向を確認
・ちゃんと意味を理解したい時は
1)Fタームリストを見る
2)英語版のIPCを見る
3)分類定義文の言葉でググってみる
4)わからない分類で検索 → 「古い公報」か「新しい公報」を見る
動画ではこちらで話しています。
調査では「定義がわからなくても「結果」が出ればよし!」
極論と叱られてしまうかもしれませんが、「調査」という事だけにフォーカスすると「分類定義の意味がわからなくても、ちゃんと結果が出ればよし」というケースも、案外多いんじゃないかな?と想像します。
たとえば「最近話題の”セルフレジ特許”、他にも同じような出願はあるだろうか?」と考えたとします。
対象特許にはこのような分類がついており
J-PlatPatで分類の意味を確認すると「金銭登録機」と書いてあります。
「金銭登録機」って、日常ではあまり見聞きしない表現ではありますが、
仮に意味がわからなくても、検索するだけならば
① 付与されている分類をコピペなりで検索して
② 検索結果を確認
③ 意図した通りの結果なら「検索はできている」といえます。
なお、意味を理解できる分類でも「検索→結果確認」は毎回行った方がよいですよ。サンプリング大事です!
このように「分類の意味がわからなくても検索はできちゃいます。」(極論かもしれないですけど。)でも、意味がわかった方が気持ち悪さ(?)は軽減できそうですよね。
ここから「分類の意味を把握・理解する方法いろいろ」です。
主に「金銭登録機」を例として説明していきます。
ところで「金銭登録機」って何の分類なのか、わかる方いますか?
英語に直訳してみてください😀
金銭=Cash、登録機=Register。
そう「キャッシュレジスター」の分類なんですよー!
分類の意味を把握・理解する方法 1)Fタームリストを見る
「金銭登録機」正直、Fタームだとわかりにくいと思われます。「レジの機会」ってわかっていれば「おー!」って感じなんですけどね😜
Fタームを見ると一瞬でわかる例の代表は「機械的カッティング/機械的感知による再生、そのための記録単体」です。
レコードプレ-ヤの分類。確かに機械的な溝で記録再生してますよね。
2)英語版のIPCを見る
「金銭登録機」だと、英語で見るのがわかりやすいです。
Cash registers と書いてあって、初めて見たときは「日本語版IPCも”キャッシュレジスター”って書いてくれてもいいのに」と・・・😫
3)分類定義文の言葉でWeb検索してみる
金銭登録機はWeb検索でも説明が出てきます。「英日直訳?」みたいな感じのする分類定義は、試しにWeb検索してみるのも良さそうですね!
4)検索して「古い公報」または「新しい公報」を見る
「金銭登録機」だと、意味をつかみたい場合は、古い公報がおすすめです。
下図のような図面がたくさん出てくるので、直観的に内容がわかります。
ちなみに「金銭登録機」の分野では、古い順に
・古典的な「レジの機械」
・POSレジ
・バーコード等での登録
・ネット決済、スマホ決済 など
という風に技術が移り変わるので、最新の公報からだと技術の流れがわかりにくいかもしれないです。
ですが、逆に「新しい公報から見た方がわかりやすいかな?」というケースもあります。新しい公報がおすすめの例は「付加製造」とか。
検索して、古い側を見ると「プラスチックの成型方法なのかな・・・?」程度の印象ですが
新しい公報を見ると、付加製造とは3D印刷、三次元造形の事なのかな、と察しがつきます。
この「B29C 64/ 付加製造」って、英語表現がAdditive manufacturingとなっていまして、金銭登録機と同様「分類表が直訳されたパターン」でもあります。
なじみのない技術分野、分類表の意味が読み取れなくて「うっ・・・」となる時もありますよね。(私も多々あります😫)
あの手この手で解読、がんばりましょう!