Patent Olympiad(7) - 特許調査の小ネタ
こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井と申します。今日は「CEPIUGで聞きかじった調査の小ネタ」について書きます。
短め投稿で3つだけです。
1.先行文献調査としての意匠検索
特許に対する先行文献として意匠が使える事も多いのだから
もっと意匠に目を向けよう!
でも、意匠データは特許のようにテキストデータ量が多いわけではなくて
検索に使えるのはタイトル(デザインの名称)や簡単な説明、
ロカルノ分類と、あとウイーン分類程度。
たまに分類が付与されてないのもあるから気をつけようね!
・・・といった内容の発表を聞いたのですが
不意に出てくる、日本原産(?)のゲーム機。
こんなに似た印象なのに、名称もロカルノ分類も違う例として示され
「うっ・・・確かに・・・💦」となりました。
意匠調査(と先行文献)のお話は
個人的にも興味深くて、かなり食いついて聴講したのですが
その中からもうひとつ。
2.AIに意匠検索をさせてみた-AI vs 人間
以下の話の「前提部分」は
私自身が正確に理解できてるのか?正直不安があるものの
かなり興味深かったので紹介します。
何と言っても「AI vs 人間」ですからね!
それで・・・よくわからなった「前提部分」というのは
使用データベースです。(肝心なところなのにすみません)
最初はCNIPA(中国の産権出版局です)の「逆イメージサーチ」というのがあるんだよ、という話をされていて
「ほうほう?イタリアでCNIPR使ってるの?」と呑気に聞いていたところ、突然「AI vs 人間」の話が始まり「え!急に何事!」となった、という状況だったので、一応「CNIPAの逆イメージサーチを使ってみたのだろう」と解釈してます。
それでですね!
人間が手動・目視で「リボン型の装身具」を探すと
下記のような物が見つかって
AIにイメージサーチさせると、下記のような結果だったそうです。
何というか・・・「なかなか」ですよね。
現状のAIは「指定した形そのもの」をしっかり探せるようになってきているけれど、画像が斜めになったりネックレスチェーンが付いたりすると
まだまだ人間に軍配が上がるのかな、という印象でした。(2023秋時点)
3.米国ドケット番号の修正忘れを突き止めるには
こちらはオランダチームの発表からの「小ネタ」です。
「米国の公開公報等には、時折 特許事務所のドケット番号(整理番号)が記入されたままの物がありますよね?」という話題提供からです。
ありがちなのは「本件出願に関連する社内の関連技術で、出願番号がまだないので仮に特許事務所の整理番号を入れておいた。特許出願時には修正するつもりだったが、ついうっかり修正を忘れて出願してしまった」という状況なのだと思われます。
以下は、上記のような「ドケット番号」から「本当の出願番号」を確認する方法、という小ネタです。
そもそも「ドケット番号」自体はUSPTOのPatent Centerなどでも
情報収録されていて「閲覧はできる」が「一般的には検索できない」そうで
ドケット番号を検索できる数少ない(もしかしたら唯一の)データベースが
USPTOのPEDS(Patent Examination Data System)というものだそうです
PEDSの More Filters にドケット番号を検索できる機能があるので(下図)
「ここで検索したら出願番号や公報番号がわかるよー!」
・・・って、さらりと小ネタ披露されてたんですが 😅
いやいや!「米国特許庁のPEDS」って初めて知りましたよ!(私だけ?)
USPTOの情報源って、一箇所にまとまっていないのが面倒に思えて
個人的には割と避けて通ってきたのですが、
キライでもいいから、ちゃんと情報把握に努めなきゃですねぇ。。
こちらのまとめノートも合わせてどうぞ!
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