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欧州特許庁 2020年次レビュー
こんにちは!特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。この記事は欧州特許庁が発行した「2020年の年次レビュー」についてです。同時発行の「Patent Index 2020 (特許出願統計)」にも言及します。
それぞれ、EPOのサイトではこちら⇩になります。
EPO・2020年レビューの本文スライドは
90頁を超えるボリュームですが、
あえて「昨年のハイライトを1枚だけ」選ぶとしたらこれです。
2020年 EPOのCOVID-19対応タイムライン
元々、2019年に策定した計画で「2023年を目標に業務の更なるデジタル化を推進する」ことになっていたそうですが、パンデミックがあって、計画を一挙に前倒ししたのだそうです。
日本の知財業界でも、テレワークに移行された方も多かった2020年。
はじめのうちこそ、戸惑いも多かったですし、
ビデオ通話での会議って、ちょっと気恥ずかしかったです。(私だけ?)
でも、今ではすっかり慣れました。
そりゃあ「コロナおさまったら、時々はまた全国出張に行きたいな」とは思います。が、出張することが必須ではない、というか・・・
出張しなくても、案外仕事って滞りなく進むのねぇ、と、実感した年でもありました。
年次レビューを読んだ範囲では、どうやら日本の私たちと同様
「案外普通に仕事が進んだ」ように読めるEPO。
もちろん、大変だった点や試行錯誤もたくさんあったのでしょうが・・・
世界的大流行にプラス面があるとすれば、EPOにとって、それはデジタル化による持続可能性の向上でした。
・出張によるCO2排出量は、2019年と比較して86%減少
・在宅勤務と検索ファイルのオンデマンド印刷により
庁内での紙の消費量も昨年急落し、5,860万枚の紙が節約された。
・2020年末までに、審査官および手続き担当官の業務の
97%がデジタルで処理された。
「EPOの印刷用紙は節約されたけど、自宅での紙の消費量が増えたかも?」とは思いましたが、そこは突っ込まない事にして。。。
なんだかんだで、結局業務の97%がデジタル処理。
元々、審査業務はパソコンで行っていたと想像されるものの、
いわゆる「紙の書類」の仕事が本当に少なくなったんじゃないでしょうか。
そんな2020年。
一挙にテレワークに突入するし、先の様子が想像できないしで、
一時は「欧州特許出願も激減するかも・・・?」という予測も出ていたようなのですが、1年間が終わってみれば
2020年の出願は2019年並み(正確には-1282件)だったとのこと。
ソースこちらです。
出願件数トップ10。 11-25位はEPOサイトで見れます
すごい・・・サムスン、ファーウェイ、LGって、
全然ヨーロッパのランキングを見ている気がしません。😅
同じランキングで「EPO直接出願/PCT経由」の割合もあって
ファーウェイはPCT経由の率が相対的に高いのが目を引きます。
そして2020年、特許出願の多かった分野。
医薬が10%、バイオが6%伸びているのが、2020年ならでは、と感じます。この傾向はもう少し(コロナ禍が一段落するまで)続くかもしれませんね!
インフォグラフィック集は、こちらのPDFファイルと
1分30秒ほどのビデオがあります。
音声オフでも内容わかります&動きがあって、こちらも見やすいですよ^^
最後に、こちらは地味といえば地味なデータ。
「サーチや審査にかかった所要時間」です。元データこちらです。
サーチに平均4.3ヶ月
審査請求から査定が出るまでに平均23.7ヶ月
異議申立に16.4ヶ月、とのこと。
※元データのページには、算出基準の説明も記載されています。
一挙にオンラインに移行された中にあって、特に遅れもなく・・・というか、むしろ処理が少し早くなってるんじゃないでしょうか。
他にも色々なデータが載っている「Patent Index 2020」のページ。
全部見るにはなかなかのボリュームですが、
興味深い箇所だけ「つまみ食い」してみては如何でしょうか?
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