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米国仮出願を基礎としたファミリーを調べる方法

こんにちは! 特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。今日は「米国特許庁のPAIRと欧州特許庁のEspacenetを使って、米国仮出願を基礎としたファミリーを調べる方法」を書きます。データベース2つ使う分、ちょっと手間はかかりますが無料でできますよ。

手順は次の2ステップです。

1)米国特許庁のPAIRで「仮出願された年」を特定する
2)欧州特許庁のEspacenetで、優先権番号=仮出願番号 として検索する

 ポイントは1)の「仮出願された年」の特定です。
出願年がわかっていれば、ステップ1)は省略できます。

それでは手順メモです。(「米国仮出願」についても、手順メモの下に記載します。)例題は 仮出願番号 62/346762 です。

1.米国特許庁のPAIRで「仮出願された年」を特定

Public PAIRで 例題[ 62/346762 ] を検索します。

Application Number を選択。入力例を参照して番号を入れます。

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検索結果から仮出願年=2016年、を確認します。
仮出願年+仮出願番号、が判明すればEspacenet検索は可能です。
が、ついでなので「答え合わせ」用に発明の名称、出願人をチェックしておくと確認がスムーズです😄

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2.欧州特許庁のEspacenetで、優先権番号=仮出願番号 として検索

仮出願番号の [ 62/346762  ] と 出願年の [ 2016年 ] を合体させ、
Espacenetで「優先権番号」扱いで検索します。

US201662346762、として
Advanced Search では下図のように入力

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コマンドなら

pr any "US201662346762"

と入力です。(⇨入力例

発明の名称・出願人が米国特許庁・PAIRで見たのと同じか?を確認し・・・

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ファミリー有無を確認します。

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お疲れさまでした!

◇ おまけ「PAIRの関連出願も見ましょう」

PAIRの Continuity Data も開いてみることをおすすめします。
親/子(継続出願)があれば、こちらで確認できます。

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◇「米国仮出願」について

米国における仮出願とは、通常の特許出願の要件を満たさない簡易な形式による出願をいいます(111条(b))。明細書と図面のみで、クレームがない場合でも、仮出願が可能です。仮出願は日本語でもできるそうですよ!(びっくりですよね・・・笑)。
 翻訳文は提出不要で、仮出願の出願日から12ヵ月以内に、仮出願に基づく利益を主張して正規の出願をすることで、仮出願の日を最先の出願日とすることができます。米国ではこの仮出願の制度があるため、国内優先権制度はありません。

また「仮出願」というのは、文字通り「仮の出願」なので、そのまま公開される事はありません。正規の出願に切り替えられてはじめて出願公開の対象になります。

ですので、何かの機会(たとえば「他社出願の公報中で、先行技術の説明などの中で仮出願番号が言及されていた」とか)に仮出願番号を知ったとしても、前述のように仮出願は直接公開されないので、公報番号を知るのはちょっと難しいです。

さて、さきほど例題として [ 62/346762  ] を使いました。
ご存知の方も多いかと思いますが、米国の特許出願番号は「シリーズコード+連続番号」の構成になっています。シリーズ16だと、16/000001から始まり、16/999999まで使い切ったら、次はシリーズ17・・・といった具合です。(2020年後半からシリーズ17に入ったそうです)

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同様に仮出願では、現在シリーズコード60番台を使っています。ですので、米国出願番号には「出願年」を示す数字が入っていません。

一方、Espacenetでファミリーを確認するには
上述のとおり、仮出願番号=優先権番号 として扱えばよいのですが、
Espacenet側では 出願年が必要なので

pr any "US201662346762"

一度 PAIR を通して、出願年を確認する、という流れにしました。

お疲れさまでした!

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