[コラム]発明の本質/調査対象を見極める
こんにちは!特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。
この記事は「調査対象を見極めるコツは『間引いたり分割したりして考える』こと」について書きます。
例題をひとつ挙げます
上記の動画はマンションの顔認証システムを活用した
「置き配」の実証実験についてのニュース映像です。
オートロックのマンションに 顔認証で入館して置き配を実現する、
というものです。
事前登録された配達員だけが
顔認証で配達に入れる、という仕組みだそうです。
このような技術について特許調査をする時、
割とありがちなのが
『顔認証』をポイントに検索しようとする、というものです。
↑
※ 顔認証で調査=NG、絶対ダメ、という程ではないのですが
適切な課題設定ではないかもね・・・? という感じです。
(ニュアンス伝わって欲しい!)
さて、冒頭で
と書きましたので
例題の「オートロックのマンションでの顔認証&置き配技術」
の要素を分割してみると、下記のように考えられます。
1)宅配便などの配達をする (物流)
2)登録された配達員だけが入館できる(セキュリティ)
3) 配達員は顔認証/顔パスで識別される(個人認証)
次は『間引き』です。
ここでは「その技術で何がしたいのか?」「それがやりたい事なのか?」を上記1)~3)、個別に考えていきます。(要素の間引き)
1)「配達・物流」をしたい
→ △:単なる宅配ならとっくに実現できてます
2)「登録された配達員だけが入館できる」ようにしたい
→ 〇:この技術で実現したいのは、ここですね!
3)「顔認証・個人認証」がしたい
→ × :顔認証技術は2)の手段のひとつ、です
このように
「それがやりたいの?」と考えていくと
本題は「入館時のセキュリティだ!」と見極めやすかったりします。
調査を行うときには
2)のセキュリティに重点を置く
1)物流 3)顔認証(個人認証)も漏れ防止に使う
という風に、重点ポイントを決めるとより効果的です。
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