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能登 視察報告②

4/30~5/2に、今度は個人で、再び輪島から珠洲市へ足を運びました。水道や仮設住宅など、状況は改善されていましたが、まだ十分ではありません。
そうしたなか、全国から1週間交代で応援に入っている派遣職員さんは、水道が復旧していないある学校の校舎の教室にテントを張って生活をしていました。自炊もできず、街中の食堂も開いていないなか、カップラーメンやコンビニ弁当で頑張ってくれている姿は有難いと言うほかありません。

■ 現場の進捗状況

①水道引き込み工事
自宅回りの配管は全面的な改修が求められているため、地元の水道事業者には注文が殺到しています。
そこで現場では、1軒につき1か所だけ屋内で水道が出るようにして、工事を進める工夫をしていました。1か所でも使えるようになれば、給水所まで水を汲みに行く労力が省け、中には自分で屋内の他の配管をやってしまう人もいるそうです。全面配管では2~3日かかるものを1軒1か所にすることで、工事事業者が1日で数軒回れるようになります。
一方で、上水が戻ると必然的に求められるのが下水管の整備ですが、全く手を付けられていません。
下水管は上水よりも面倒です。見えない場所にあることが多く、また勾配がなければ自然降下で下水設備に流れていきません。特に今回は隆起などで勾配が逆になっているところも数多くあるはずで、基礎の中に埋められている下水管が使用不能な場合はかなり大掛かりな工事になってしまう可能性があります。
この件は誰も指摘していませんでしたが、ここにも早急な対応が求められるため、災害対策特別委員会で取り上げます。

②解体工事
現場や業界では動きがあるのでしょうが、それがあまり報道されておらず、結果として何も動いていないと批判されているようです。珠洲市の例を聞きましたが、この6~7月には市内だけで150隊ものチームを入れて解体を進めるので、月に300棟は更地に戻していけるということでした。このペースでいけば知事が目標に掲げる2025年3月末までの完了も可能かと思われます。

③罹災証明書
二次調査が進んでいることも確認できました。自宅に関しては、一次調査の結果に不満があり、二次調査を申請した人が31%以上いました。これはかなり高い数字だと考えます。私が聞いた範囲内では、二次調査ではそれなりに考慮した評価を受け、安心した方がいました。しかし、担当者によって評価のばらつきがあるという不満も聞かれ、そこは市も認識し、是正に向けて検討していました。
いずれにしても、全般的に支援をしてくれる人を含め、マンパワーが足りません。誰がこの人間リソース確保に責任を持っているのか。当然、優先順位をつけて具体的な作業を進めているので、そことも調整は必要ですが、責任の所在を明らかにしつつ、ここを進めていかなければなりません。

さかい学が昨夜宿泊した「インスタントハウス」と呼ばれるテント。 テントの前にある機械は裏山の地滑りを感じるセンサーで、紐が引っ張られる原始的な方式とのこと
地滑りセンサー
インスタントハウスの中
さかい学が宿泊した際に使用させていただいた段ボールベッド
簡易トイレはウォシュレット付き
水洗式の仮設トイレのタンク
手洗い用の機械で、使った汚水を再生利用(ポータブル水再生システム)
ポータブル水再生システムの説明書
避難者用の「水道がない場所のシャワー室」
シャワーを使った後の水を再生して再利用する機械
地滑りを感知するセンサーが感知すると、ここから大きな音が出て周りに知らせる仕組み
震災当時そのままの街並み
能登駅前のカレー屋さん
災害対策特別委員会の視察の時から気になっていて、今回ようやく入れました

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