質問箱回答『Gods and Fighting Men』の翻訳予定について
応援ありがとうございます。
ケルト神話の翻訳をしている占い師のケイロカミオカです。
残念ながら『Gods and Fighting Man』を翻訳する予定は今の所ありません。
今後ケルト神話の翻訳本を出すにしても、アルスターサイクルの物を翻訳する予定です。
個人的な優先度としては、アルスター>フェニアン>神話>歴史 で考えており、
本件は神話サイクルに相当するものであるため、かなり実行するにしても後回しのものとなる予定です。
お金の話で申し訳有りませんが、当方が電子書籍を出版する際は表紙絵と監修にかかったコストが年内に回収できる程度に売れそうかどうかで判断しております。
アルスターとフェニアンは某アプリゲーム等の影響もあって少なからず期待できるのですが(実際にその界隈から購入して頂いているようです)
神話サイクルの物は需要が確かに存在すると認識しておりますが、上2つを比較すると、コストの回収が難しいのではないかと判断しております……。
パブリッシャーともなれば、彼らは英語の文献等からそのまま情報を得る事をしているものだと個人的には考えております。
神話サイクルの一部でよろしければ、『ムルセヴネのクーフーリン』を監修されましたケルト神話翻訳マン a.k.a. 腐れマーズ三等星さんのnote有償記事である
『ケルト神話・アイルランドの伝承あらすじ集①:『マグ・トゥレドの戦い』、『侵略の書』』等を購入して読まれてみても良いかも知れません。
そもそも、ケルト神話を日本語に翻訳する方は極端に少ないと界隈の中でよく耳にします。
残っているのであれば、お手元の翻訳原稿を持って、ある章のケルト神話翻訳マンさんに相談してみたらどうでしょうか?(投稿時点先方未確認)
この文章を投稿したら、質問内容を彼に共有させていただきます。
https://note.com で『ケルト神話翻訳マン』と検索すれば簡単に見つかりますのでご検討下さい。
恐らく、Twitterで確認(連絡)できる中では、日本で一番ケルト神話に詳しい方なのではないのかと当方は思ってます。
実は私自身のケルト神話の研究背景が浅く、専門用語も専門辞書を引きながらでも苦戦しているため、時折、ケルト神話翻訳マン様の助力を得ながら翻訳を進めている状況です。
また、物語の前後が繋がらないという事でお悩みとの事ですが、案外それが正確な翻訳結果なのでは無いのかとも存じます。
ご存知かもしれませんが、グレゴリー夫人自信は古アイルランド語の知識が無いため、彼女が分かる言語で翻訳された文献や耳にした伝承を数珠つなぎにつなげて書いた事で知られています。
(少なくとも、ムルセヴネのクーフーリンではその様ににして執筆されていました)
例えば、私が出しました一巻では三章の他に『EX I. THE SHIELD OF CUCHULAIN / クーフーリンの盾』、『EX II. THE GUSSETING OF ATHIRNE / アサルネの接待』と記載した章を書きましたが
原著では、これらは第三章である『III. COURTING OF EMER / エメルへの求婚』の一部として書かれていたのです。
流石にこの二つをそのまま三章の一部として記載してしまうと読者が混乱すると判断し、翻訳側の判断で副題を記載いたしました。
また、九章の『IX. CRUACHAN / クルアハン』ですが、こちらは『Echtra Nera』『Dindshenchas』『Tain Bo Fraich』『Cath Maige Mucrama』等の伝承を混合再話したものだったものでどこからどこまでがどの伝承かは不明の状況です。
他にも数珠つなぎの影響で、表記ゆれが良く見られますし、ある程度の妥協は必要なのではないのかと現時点では思っております。
また、グレゴリー夫人が使われている英語は非常に癖が目立ち、一部地域の方言をそのまま書いている節があり、彼女の文章の特徴を取り扱った専門の論文も存在するそうです
(タイトルは忘れましたが教えてくれた人に必要であれば聞くことも検討)
例えば、女性が自分の事を話すと時はI, Me等は使わず"She"という言葉を使うのが最も分かりやすい特徴です。
以上、答えられるところは全て答えましたが他にも質問があれば改めて投稿しても構いませんし、直接連絡しても大丈夫です。
今後ともよろしくお願いいたします。
ーケイロカミオカ