”低血糖”の改善例 〜〇〇○○菌〜
かなり前だけど、ある患者さんが低血糖と診断され、病院で薬などを処方してもらってはいるけど根本的には改善せず、「何が原因なのか知りたい」と紹介により来院された。
特に食事をした後に血糖値が下がり、フラついたりして、飴などの糖分を手放せないという。
血糖が下がる原因として考えられるのは、
①血糖値を下げる作用のある、インスリンが過剰に出すぎている。
または、
②血糖値を上げる作用のある、グルカゴンがちゃんと出ていない。
どちらにしろ膵臓が関係しているけど、膵臓だけが問題とは限らない。
「血糖を下げる体のメカニズム」は、
食事をする事で、小腸から分泌されるインクレチンというホルモンが栄養素が吸収されたことを膵臓に伝える。その状態でグルコース(糖)が膵臓に入ってくると、膵臓がインスリンを分泌し血糖値を下げる。
「血糖を上げる体のメカニズム」は、
膵臓から放出されるグルカゴンが、肝臓でグリコーゲンとして蓄えられたグルコース(糖)を血液中に放出するように働きかける。その結果、血糖値を上昇させる。
だとすれば膵臓だけでなく、肝臓・小腸のどちらかにも問題がある。もしくはその全てが異常を起こしているのかもと考えた。
早速身体を触診して診てみると、肝臓は疲労していて、膵臓も疲労していたが、小腸は異常な膨張というか、明らかに普通ではない感覚が手に伝わった。
小腸がこれだけおかしいという事は食生活に問題があるか、ストレスなどの問題かもしれないため、さらに詳しく話を聞かせてもらった。
その中で気になったのは、めまいふらつき以外に、
『最近感情が安定しない。異常に疲れる。体のあちこちが痒くなったりする。ボーッとする。オナラがよく出る。最近水虫ができたなどの症状がある事。』
食生活は以前はストレスなどもあり、よくお菓子などを食べていたけど、最近はほとんど食べず、野菜中心で砂糖や小麦(パン、麺類など)も控えていて、回復していきそうな感じではあるけど、症状が回復していかない。
最初に小腸が異常を起こしたことで、肝臓、膵臓に負担をかけてインスリン・グルカゴンの分泌障害を起こすと推測した。
だとすれば原因は、リーキーガット症候群から起こる低血糖だと考えた。
※リーキーガット症候群は、まだ医学的にエビデンスがハッキリせず、あくまで仮説の域を出ないけど、個人的にはあり得る病気とは考えている。
しかし、リーキーガット症候群なら食事に気をつけていけば少しずつでも回復していくものだけど、全く改善しない、むしろ悪化している。
という事は、リーキーガット症候群を起こしてしまった細菌(悪玉菌)・真菌(カンジダなど)の異常増殖がまだ続いているのではないか?と疑った。
症状の中で「食後すぐに血糖値が下がる」と言われていたが、
細菌や真菌は糖分をエサにするから、食べたものが小腸に届いてすぐに細菌や真菌が糖分を食べてしまうなら、すぐに低血糖になるのも頷ける。
「最近水虫になった」と言われていたが、水虫の原因は真菌(カンジダ、白癬菌)である。
腸内にカンジダ菌が繁殖する事は色んな論文などにも書かれているから、真菌(カンジダ)が小腸の中に異常増殖していて、それが低血糖が治らない一番の原因なのではないか?と考えた。
ならば、低血糖だからと食後に飴を舐めたり、糖分を摂るようにする事はカンジダ菌の増殖を助長し、回復する事が難しくなる。やるべき事は、カンジダ菌の除去かもしれないと伝えた。
リーキーガット症候群を回復させるためには、腸の粘膜を回復させる必要がある。
腸の異常な膨張のために骨盤周辺と背骨が歪んでいたから、その調整と体全体のバランス調整も行い、腸のぜん動運動を促し血流を良くすることで腸の回復は早くなる。
ビタミンA、ビタミンD、亜鉛、オメガ3、マグネシウムなどの栄養素や、アマニ油、天然塩、卵などを摂ってもらうように伝えた。
カンジダ菌除去のために、タマネギ、ニンニク、MCTオイルなどを摂ってもらった。(これらはカンジダ菌の増殖を阻害すると言う科学的なデータがある)
そしてご本人に任せるとは言ったけど、「カンジダ菌を退治するためには、なるべく糖分は摂らない方が良いのかもしれない」と伝えた。
低血糖の人が糖分を摂らないと言う事は、恐怖であると思うし、さらに症状が悪化するリスクもある。
しかし、ご本人は薬剤師なんだけど、なるべく薬には頼りたくないと言う意見で、自然の物で治したいと言う事だった。
流石に僕がその責任を取る事は出来ないから、ドクターに一度相談して抗真菌薬を試してみるのもアリかもと伝えたが、抗真菌薬は使いたくないと言う。
抗真菌薬がどのような効果や副作用を起こすかを現場で見ているはずで、それでも使いたくないと言う事は、相応のリスクがある薬なんだなと思った。
それから1ヶ月後に来院された時は、「低血糖が治った」と言われた。
話を聞くと、やはり抗真菌薬は使わなかったそう。
糖分も迷った結果、食後に飴を舐めることもやらなかったそう。
最初は糖分を摂らないことで、フラつくような症状も出たけど、次第にフラつきはなくなり、体のだるさや体の痒みなどもマシになり、オナラも出なくなったそう。やはり、カンジダ菌の異常増殖だったのかもね。
病気を乗り越えるためには、リスクを取る事が必要な時もある。
どんな事でもそうだけど、リスクを取らずに成果を上げる事はできないと思う。
リスクを取らずに成果だけ欲しいと言う考え方では、何も得られない事が多いから気をつけて。
「〇〇を自分で治す方法はありますか?」
「〇〇のような症状の場合はどんな治療法が良いですか?」
「〇〇のような病気はどのようにすれば良くなりますか?」
などを知りたい方は、コメントに書いて頂くか、プロフィールに貼ってあるホームページから、メッセージを送って頂けたら、それに関する記事を書きますので教えて下さい。
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