銃声、の夢(2022.12.18)
ホテル。
旅行でなのか仕事でなのか分からないが、ひとりでホテルに泊まっていた。なかなか豪華な部屋である。現実の僕なら、こんな高そうなホテルは選ばないだろう。
起きる予定の時間より早く、目が覚めた。部屋の外から音も聞こえるが、騒音というほどではないので、うるさくて起きてしまったのではなさそうだ。さすがは高級ホテル、防音もしっかりしているのだろう。逆に言えば、しっかりした防音壁で防ぎきれないほどの音が、室外で発生しているのかもしれない。
音のせいで起きたのでなければ、何かしら不穏な空気を察したのだろう。
いつでも出られるように、着替えた。
少しずつドアを開けて、廊下に出てみる。断続的に聞こえていた音は、銃声だった。階段まで行ってみる。発砲音は下の階から響いてくる。反社会勢力の抗争が、高級ホテルで繰り広げられているのか。何も僕が泊まっているときにやらなくても。
さて、どうするか。部屋に戻った方が良いか、隙を見てホテルから出た方が良いか、それよりも何よりも、警察に通報するべきか、などと考えていると、上の階で銃声がした。
見上げると、黒いスーツにサングラスの男が、僕の方に銃口を向けている。考えるまでもなく、逃げるしかない。
階段を下へ下へと駆け下りる。1階ロビーでは銃撃戦。物陰に隠れながら、ホテルの外へ逃げ出した。
土を固めただけの、茶色い地面が広がっている。たくさんの人が走っている、背中が見えた。ときどき、撃たれて倒れる人がいる。申し訳ないが構っている場合ではない。銃弾が当たらないことを祈りながら、全速力で走り続けた。