人面瘡の予言、の夢(2022.6.19)
体のどこかにできた腫れ物が、だんだんと大きく、人の顔の形になっていき、やがて意思を持ってしゃべりだすという、いわゆる人面瘡。
ある女性の肌に生まれた人面瘡が、未来の出来事を予言する、それがよく当たるという評判が、僕のところにも伝わってきた。
誰かしらの紹介で、彼女に会うことができた。自分から会わせてほしいと頼んだわけではなく、会わせてやるからいついつに行くように、と期日を決められたのだ。といって、僕は予言などに興味はなかったので、ひっきりなしの来客に紛れて時間を取らせることに申し訳なさを感じていた。
会ってみると、とても美しい若い女性だった。穏やかで、優しい言葉遣いをする。話していて心地良い。人面瘡は背中にあるそうだが、見ようとは思わなかった。彼女とお付き合いをすると、もれなく人面瘡が付いてくる。これだとほとんどの男性は尻込みすることだろう。
他愛ない会話に終始したが、欲得まみれの相談ばかり受けて疲れていたのでちょうど良い息抜きになったと言ってくれて、多忙の中に押しかけた申し訳なさが、少し薄まった。