意識生命体、の夢(2022.9.28)
宇宙のどこか。
男女二名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が、目的地への航路を外れ、漂流していた。もう、どこにいるのかも分からない。
漂い続けているうちに、とある惑星の周回軌道に入った。軌道上から観測する限り、環境は地球に似ているようだ。
これから先の行動を決めかねて、漫然と惑星を周回していると、突然、ふたりの脳内に直接、何かからのメッセージが入ってきた。驚きと戸惑いはあったが、ふたり同時だったことで落ち着きを取り戻すのは早かった。
メッセージの内容をお互いに確認し合うと、ふたりに同じ事柄が伝えられていた。ほとんどが英語で、理解できない単語がたまに混ざる。
こちらからも質問をしてみると答えが返ってきた。やりとりを繰り返すうちに、相互理解が深まっていく。
語りかけてきたのは、肉体を持たない意識生命体だった。かつては肉体があり、地球よりもはるかに進んだ文明を築いた後、その知識を全員が記憶した状態で意識のみの生命体になったのだとか。
コンタクトをしてきた理由は、周回している惑星で進化の途上にある知的生命体を支援してほしいという依頼のためだった。
地球に帰れるあてもなく、食料と水が尽きたら死を受け入れるしかないと覚悟していたところだ。何もせず最後の時を待つのと、名も知らぬ星とはいえ発展に寄与できるのとでは、雲泥の差である。提案を受けることにした。
意識生命体はあらゆる知識を保有していたが、体を使って手本を見せることはできない。そのため、ひとりの宇宙飛行士に一体の意識生命体が同化することに。
そして宇宙船は惑星に着陸する。
その後、男性飛行士が惑星特有の感染症で死にかけたり、人類と肉体を共有したことで意識生命体の老化が始まり若い意識体と交代したりなど、いろいろあったが、ふたりの地球人は、たまたま辿り着いた惑星の知的生命体を助けながら寿命を迎え、遺跡に刻まれるほどの存在となった。