元敏腕刑事 夢日記2023.11.6
とあるマンションの一室。
僕は新米刑事で、先輩とふたり、殺人事件の現場であるこの部屋には、もう何度となく来ていた。
現場百遍とはよく言われるが、さすがにこれ以上通い詰めても、新しい物証は出なさそうだ。
他の捜査員からも目新しい情報は無く、はっきり言って手詰まりである。
突破口を開くため、先輩に連れられて移動する。車内で受けた説明によると、これから訪ねるのは、定年退職した元敏腕刑事だという。
会ってみると、凄みのある老人だった。頼りになりそうだと、一目で分かった。それとともに、もし捜査が行き詰まる前に安易にアドバイスをもらいに来たら、追い返されていただろうと想像してしまう。厳格さが全身から滲み出ている。