洞窟、の夢(2022.11.27)
洞窟の中。
何かとても価値のあるものがある洞窟だという。要するに、宝探しに来たのだ。
僕らのグループは十人ほど。全員、仮面ライダーに変身している。平成以降、テレビシリーズでも複数のライダーが登場するのは当たり前、御多分に洩れず我々も、それぞれ違うタイプの仮面ライダーに変身しているのである。
仲間のひとりに、ちょっとした超能力を使える男がいて、お宝の位置をなんとなく感知できるので、入り組んだ洞窟を遭難せずに進むことができていた。たまに進んだ先が行き止まりだったりするのは、ご愛嬌。
あいまいな道案内に従って奥へ奥へと歩いていくと、洞窟の先の方に、僕らが持っている懐中電灯とは別の光源からと思しき光が見えた。誰かがいるのか。
それからは慎重に近付いた。
光の発生源は懐中電灯なんて小さなものではなかった。もっと大掛かりなものだ。天井の高くなっている場所に、たくさんの照明が設置されている。電子機器が運び込まれ、白衣を来た人がたくさんいて、研究所のような様相。
我々が洞窟の宝物について情報を得たときには、すでに別の組織がこのような設備を作り上げていたのだ。まるきり、遅きに失したのだ。探検隊一同、大いに落胆した。
がっかりしているところに、何者か!ととがめる声。現れたのは仮面ライダーの集団だった。研究設備の持ち主である組織に所属する仮面ライダーたちだろう。現れるや、はなから激しい剣幕でけんか腰なのである。ここの警備を任されているのだろうから、さもありなん。否応なしに闘うことになる。
敵のひとりが、こちらに手の平を向けて何かもごもご言いだした。まさかビームでも出すつもりかと、とっさに地面に伏せた。仲間も岩陰に身を隠すなどしたのだが、動き出すのが遅れた者がいた。弱超能力者のメンバーだった。
敵はビームを出しはしなかったのだが、目に見えない何かは出ていたようで、それを浴びてしまった彼は、人が変わったように凶暴になり、自分の仲間に対して攻撃してきた。
道案内すらおぼつかない、ほかにできることといえば念動力で鉛筆を転がすのがやっとという程度の超能力者だったはずなのに、念動力の強さが何百倍にも跳ね上がり、僕らを宙に浮かせて、洞窟の壁に叩きつけるなどした。