迷子 夢日記2023.9.9
外国。
いわゆる東側の国家だった。
エンジンも付いているがペダルも付いている、文字通りの原動機付自転車に乗っていた。
ペダルを漕いで走っているうちに、軍の演習場に入り込んでしまったようだ。巨大な国家指導者の銅像が見下ろす中、銃を手に隊列を組んだ歩兵や、砲兵が訓練していた。
兵士のひとりに怒鳴られた。何語なのか分からないが、おそらくは、勝手に入ってくるんじゃない、とでも言ったのだろう。エンジンを吹かして速やかに演習場を横切ってしまう。
道路に出ると、急な下り坂だった。エンジンを止めても猛スピードが出る。遠くに怪しい日本語の看板が見えた。微妙に間違えた漢字に混じって「うどん」だけは正確に書かれていた。ちょうどお腹も空いたし、あそこで食事にしようと決める。
いつの間にか、小学校低学年くらいの女の子が、僕の横を、子ども用の自転車で僕と同じスピードを出して併走していた。
坂を下りきるとビルが建ち並ぶ繁華街だった。ガラスの使用が少ない。どうやらコンクリートではなく、石で造られている。デザインも現代的ではない。
一緒に走ってきた女の子を、どうするか。結構な距離を来てしまったし、家に帰るのにあの坂を上るのかと思うと気の毒である。
家がどこなのかなど、詳しいことを聞き出そうとすると、泣き出してしまった。警察に連れて行くのが良いだろうと思い付くが、現地の言葉が分からないので、できれば日本語が通じるとありがたい。
うどんの看板を掲げていたビルが、坂の下にあった。日本語で客引きをしているのも聞こえたので、行ってみる。
ビルの1階に日本人の占い師が数人。呼び込みをしていたのは彼らだった。テレビで見たことのある有名な人もいた。ダメで元々、彼らに聞いてみよう。
誰にというではなく、全員に聞こえるように大きめな声で、日本語の分かる警察を知りませんか、この子、迷子なんです、と言ってみた。占い師たちは全員、心配そうな顔で寄ってきた。
それとは別に、その子知ってますと名乗り出る人が。車椅子に乗ったおばあちゃんと、それを押しているおばさんだった。知ってる人かと女の子に尋ねると、うなずいた。
遅れてもうふたり出てきて、女の子に抱き付いた。お母さんとお姉さんらしい。再会を喜んでいる。3人とも、同じ髪型で、肩まで伸びた髪の下半分が紫色になっているのもお揃い。親子で間違いなさそうだ。
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