こっちなら大丈夫 夢日記2024.9.29

 近所の路上。
 ちょっとした工事に使うような、小型のショベルカーを運転していた。
 なぜか道路からビルの地下へ入る。ごとんごとんと階段を下りて。
 そこは飲み屋街だった。両側にスナックや居酒屋の看板を見ながら、ミニショベルのキャタピラが通路をのんびりと走る。
 だんだん道幅が狭くなってきたのに気付いたとき、後ろから男性の声で、そっちはやめとけ、と注意された。
 バックで通路が分かれているところまで戻ると、さっきの男性が、こっちなら大丈夫と教えてくれたので、右に曲がる。
 そっちの道へ行くと、老婆に連れられた子どもたちがいた。みんな縄文人のような格好をしている。
 幼児は、はたらくくるまが好きなもので、当然、ショベルカーを見つけるやいなや駆け寄ってきた。接近される前に止まる。キャタピラに巻き込むなどしてしまったら大変だ。
 危ないから絶対に近付かないようにと、縄文風の服装をした子どもらに、よくよく言い聞かせる。
 言いつけを守って一定の距離を取りながらわあわあ盛り上がる子どもたちを引き連れて、進む。
 こっちの道は大丈夫と道案内してくれた先程の男性の言葉を信じきっていたのだが、だんだん通路の幅が狭くなってきた。このまま進み続けると、車体がつっかえてしまうかもしれない。
 適当なことを言いやがってと怒りが湧いてきそうになったところに、役所の職員のような生真面目そうな中年男性がふたり現れて、壁を押し始めた。そうしたら、さほど力を入れているようでもないのに、すーっと壁が動いて道幅が広がった。派手な扉が並び有線放送やカラオケの下手な歌声が漏れ出ている地下街の一画が、動いたのだ。
 必要な作業は終えましたとばかりに、中年男性ふたりは無表情、無言のまま去っていった。
 あの男性が言った「こっちなら大丈夫」は、道幅を調整してくれる係の人がいるから大丈夫、という意味だったのだろうか。

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