【本会議】第3回前期定例会・討論
2024年(令和6年)第3回前期定例会 10月10日 本会議(討論)
通告してある議案および請願について、委員長報告に「反対」の立場で討論しました。
1 録画
録画映像をご覧ください。(約11分)
2 反対討論(全文)
日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、通告してあります、議案および請願について、委員長報告に反対の立場から討論をいたします。
最初に第127号、一般会計補正予算についてです。
災害用移動式トイレ導入や災害医療対策、子ども子育て支援、交通安全施設整備など、県民に必要な施策もありますが、一方で、国のデジタル化ごり押しに便乗し、住民要求からかけ離れた事業も含まれており、全体として賛成するわけにはいきません。
Gメッセに開設しようとしているTUMO Gunmaですが、具体的な学習効果や学校教育との関連性について未だに納得のいく説明はありません。
今回、整備費として、展望ラウンジ工事や備品など5500万円が盛り込まれました。
「中高生が行きたくなるような非日常空間の演出」が目的だといいますが、机といす一体型の家具1台で100万円以上。
これを11台導入する予算です。
施設整備だけで3億9千万円、運営費も含めれば、すでに5億円を軽く超えてしまいました。
さらにこれとは別に、4階会議室が使えなくなることへの損失補償額として、2600万円が計上されています。
残る10数件の主催者への損失補償はこれからです。
一握りの「デジタル人材」育成にこれほど莫大な税金を投入する必要がはたしてあるのか。
急ぐべきは、どの子にもゆきとどいた教育条件の整備であり、学校給食費の無償化を全県ですすめてほしいという教職員や保護者、子どもたちの切実な願いに応えることではないでしょうか。
133号、138号、139号はTUMO Gunma関連の議案であり、先に述べた理由から反対です。
135号および137号は、上信自動車道関連の橋梁工事です。
今求められているのは大型道路の建設よりも、通学路や生活道路の拡幅・安全対策であり、開発優先の県政に警鐘を鳴らす上からもあえて反対します。
136号は、敷島公園新水泳場の契約締結についての議案です。
設計から建設、管理運営まで包括的に民間事業者に任せるPFI方式で行うものですが、全国的には当初の見込みどおりの収益が上げられず、事業者が撤退したり、経営破綻したりする事例もあります。
契約情報の多くが企業秘密とされ、議会や住民が事業者の活動を民主的にコントロールすることが極めて困難になる、住民サービスの切り捨てにつながる、などの弊害も指摘されています。
水泳場の整備そのものは賛成ですが、公共施設は直営を基本とすべきであり、PFIでの本契約の締結に反対します。
次に請願についてです。
環境農林9号は、国の責任で米の増産、安定供給を求める請願です。
新日本婦人の会がこの8月、緊急に実施した、スーパーなどでの調査によると、店頭に「全くなかった」64%、「少しだけあった」29%と合わせて9割のお店でお米が出回ってない異常事態だったことが明らかとなりました。
特に、消費地である都市圏での「米がない」状況は深刻ですが、生産県や産地直販の店舗でも例外ではありません。
米が消えた衝撃とともに、あらゆるものが値上がりし、暮らしが大変になる中、主食米の値上げへの不安も寄せられています。
生産現場では、生産費もまかなえない米価は農家の生産意欲をそぎ、農家の高齢化もすすんでいます。
農家が安心して生産が続けられるように、米の買取価格を補償し、新規就農者が増える環境整備こそ求められています。
そのためにも、新米が出回るのを待つのではなく、政府が責任をもって国民が主食の米を購入できるようにすること、米の安定供給と価格安定のため、お米の減産から増産へと農政を根本的に転換することが急務です。
よって、本請願の不採択に反対し、採択を強く求めます。
文教警察5号は、学校給食費の無償化を求める請願です。
伊勢崎市長名で出されましたが、これは多くの市町村長の共通の思いではないでしょうか。
来年4月からは、伊勢崎市が中学生の給食費を無償化、大泉町は小中完全無償化、高崎市もついに第1子に10%補助し、第2子以降の給食費を無償にする方針を打ち出しました。
安中市、沼田両市議会が県での制度化を求める意見書を提出しています。これまでに青森県、和歌山県、東京都が無償化に踏み出しました。沖縄県は来年度からの実施を準備しています。
子どもが学校で給食をたべるのは教育を受ける権利であり、基本的人権です。
憲法で義務教育の無償化が明記され、生存権や成長発達に付随する食の権利とも深く関係しています。
しかし、住んでいる自治体によってその状態に格差が生じているのが現状です。格差解消はまさに県や国の責任ではないでしょうか。
今回、全国の自治体が学校給食費の無償化を早期に実現するよう財政的支援を国に働きかけるよう要望する部分のみ採択され、県による財政的支援を求めた部分は採択されませんでした。
国の実施を待たずに、県が自らの政策として実施するのが当然です。
よって、一部採択に反対し、全部採択を主張します。
最後に、県民会館についての請願ですが、「県民会館の方向性の検討について、所在地である前橋市や文化芸術分野の専門家、利用者を含む多くの県民の意見をしっかりと聞き、全県的な文化振興を図る観点から行われるよう求める」という部分が一部趣旨採択されました。
県都前橋から、歴史的価値のある文化の殿堂をなくさないでほしいという県民の声をしっかり受け止めるよう切に求めて、私の反対討論といたします。
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