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霧島はるか
2021年4月21日 20:26
きっと誰でもいいのだろう嘔吐しきれなかった憂鬱を一緒に噛みしめてくれるのならきっと誰でもいいのだろう優しく溢れる陰鬱を一緒に舐めあってくれるのなら苦し紛れで歩みを続けて鋭く虚栄をまき散らすさすような冷雨に似た黒髪永久凍土のなれの果て君と僕は同じだねなんて言ったら怒るかなどこ吹く風で歩みを続けて漂う虚構に身を任せる酔ったまなこで見つめる街はいつか観た35ミリの淡い夢
2021年5月1日 12:25
その張りつめた君の魅力がどこから来たのか知ってるよたらふく飲みすぎた泥水は飽和点なんかとっくにこえて君のバランスを崩すわけだけどぷっつり糸が切れる前の最期の痙攣が伝わって背筋を伝う憎悪の甘みと奈落の吐息で身罷る快感舌でころがし脳汁すすって同族嫌悪でしめつける裏腹の優しさと滑らかな憎しみを今日も非生産的に抱きしめようかかじりとった憐れみの果汁がしたたり鎖骨を濡らすぬ
2021年5月25日 22:29
ここに来て得たのは退屈だった認めたくはないけれどきっと張り合いがなくなったんだ今の僕は死んでいる殺される直前ほど生きたいって思うのはやっぱり当たり前のことみたいで甘い香りが一面漂うマシュマロみたいなこの町は僕の気力を奪うだけ排水溝に飛び込めばいい淵めがけて飛び込めばいいでも今の僕には願うだけで何もできやしない最低限の興味すらも最低限の気力すらもマシュマロみたいな
2021年5月26日 22:58
羅刹になりきり不幸を喰らうどうせ有限その他大勢はき違えの個性で優劣つけようと無我夢中で貪り尽くし嚥下し消化し血肉にし覚悟もないのに踏み入れたぬかるみ冷たく腐臭を放ち気づいた時には空まで覆った汚泥の天井光は届かず目隠しされた百鬼夜行が本能のままに踊り狂う求め続けた退廃と広げられた空洞で羅刹になりきり不幸を喰らう見知らぬ苦悩は羨望し馴染んだ苦悩は忌み嫌う羅刹になりき
2021年5月6日 19:35
傷口から溢れる優しさを必死で舐めとろうとした君と傷口から溢れる優しさに必死で夢を見出そうとした僕は世界の隅っこの湿気だらけの部屋の中お互いの憂愁を天秤にかけ危うい綱渡りに身をやつした背負った重みの優劣を比べる必要はなかったけれど脆くて頼りない砂の城をなんとか守りぬけたのは比べて蔑み同情し絡んでもつれてこじらせて憤怒と慈愛と嫌悪なんかをないまぜにした強固な城壁を築くこと
2021年6月1日 20:49
壊れるあなたを見てみたいパンケーキみたいな甘い香りに包まれて小さな幸せを謙虚に永続させてパンケーキの油みたいにじわじわとあなたの脳に侵蝕するそれは脳のシワをいつのまにか溶かしちゃってあなたは惰性の幸福をそれとしらずに食み続けるんだだからあなたに壊れてほしい何十年もどんよりと輝き続けるよりも一日だけ目も眩むほどの輝きを蛍の光が綺麗なのってきっとそういうことなんじゃないかなあ
2021年5月5日 18:44
すでに来世に期待しちゃってるコールド確定消化試合見込みがないなら見られてもないそんならさっさと踊ろうか開き直ってとんたたた子宮の中からこんにちはすでに10点ビハインドどうしてこんなになっちゃったかなコウノトリさんの方向感覚狂ってふらふら無差別爆撃そうだそうに違いない自意識過剰で被害者意識棚に上げすぎフェードアウトどうせ人間八十年科学者さんたちちょっと待ってね日々精進
2021年3月23日 17:10
恋に恋する十四歳臓器に恋する殺人狂二人はプリキラ正義のヒロイン今日も俗世にふれまわる人生やっぱり諸行無常狂喜乱舞の一夜の悪夢どうせ悪夢だすべからく歌えや踊れや細胞諸君さあさあお席にお座りなさい間もなく上映始まりますマナー違反はさらし首良い子のみんなはおめめをひん剥け大人たちはご退出まもなくまもなく本編へあかりが消えたら逃げられない私は恋を、したいのです純粋潔癖神経
2021年8月3日 14:12
生きてんのかな死んでんのかな生ぬるいな感じないな味がしないな匂いもしないな色は薄くて無機質で痛くないな喉も渇かないな勃ちもしないな笑わないといけなくて驚かないといけなくて喜ばないといけなくて悲しまないといけなくてどれもこれもふりして切り抜け人間ごっこに四苦八苦どんなお面を被っても心の底では少しだって何かを感じることはないのに涙だけはどうしてだかいつだって
2021年6月10日 22:54
ごっそり根こそぎまるまると気づいた時にはもう遅くすでに脳内膿みはじめ濁った蜜が腐臭を放つあの頃きいた音楽をあの頃よんでた小説をあの頃みていた映画やアニメをそうだあの頃僕はきっと・・・研ぎ澄まされた憎悪や嫉妬張り裂けそうな孤独感突き抜けるような自己嫌悪に無鉄砲な愛情もみんなどこかで落っことしたのかそれとも自分で削ぎ落としたかぽっかり空いたおおきな穴を埋めようと必死に
2021年6月8日 13:28
空はどこまでが空なのだろう僕たちが見ているあの青い空を空というのなら飛行機はぐんぐん高度を上げ空に向かっていくけれどそれに乗った僕たちはどこからここが空なんだと確証を得ればいいのだろう空はどこまでが空なのだろう試しに辞書を引いてみた曰く空とは地上をとりまく広がりのある空間のことじゃあ地上と空の境目って僕の頭が颯爽と通過しているあの空間をなんて呼べばいいんだろうふっ
2021年5月2日 21:35
教室の片隅の日陰のあたりの机上に広がる妄想性交穴ぼこチーズの物知りさんはすかすか頭と体を抱きしめよだれを飛ばしてまくしたて曰くあの子は云々あいつは云々キラキラお目々で群衆興奮辟易Aさん小さくなってそらした視線に光はない大衆娯楽を提供します私の望みはみんなの望みあなたの望みは知らんふり教室の真ん中でふんぞり返る王さま衣服は着ておられない首から下げたドッグタグ英数字の
2021年4月27日 19:17
境界線を隔てた先に広がりすすむ独自の針触れることは許されない負を排除した甘美な虚構と部外者の僕とをつなぐ接点は愛と呼ぶべきものだろうかそのものになりたかったわけじゃないただ美しくなりたかったただ近づきたかったそこには性別の違いなどはるかに超えた生命の理をくつがえす力が存在した窓外に広がる理想郷と籠りよどんだ現実が混ざり溶けあい浸食し輪郭を失った境界の果てで僕はあたら
2021年4月25日 11:50
高架下をくぐり抜けフィルムの中にひとっ飛び井の頭線はスタッカート跳ねて響いて過ぎていく池のほとりを過ぎてみて水の香りの残る道川沿い歩いて久我山へ憂鬱振り切り逃げてみよう現実振り切り逃げてみようふかした煙が漂って消えていくのはお空の彼方逃げよう逃げよう目をつぶろう耳をふさいで鼻をつまんででないと近道したくなる逃走劇の結末の終点意外と早かった北に逃げると聞いたけれど