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詩をまとめました。
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#恋愛

ペンシル少女

散り散りにはじけた私を集めて
君の体を作ってみたよ
足の長さがずれちゃったけど
意外とうまく笑えたよ

お腹の中が空っぽで困ってるんだ
臓器はさすがに腐っちゃって
お腹に戻す気になれなくて
君の可愛がってたみーちゃんを
代わりに入れてみたんだけど
爪とぎしないと気がすまないみたいで
そのたびお腹のつなぎ目が
ほつれて破れて困ってます

右の手首に大きな瞳
左の手首はまっさらで
やっぱりかわいそうに

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深く、深く

壊れるあなたを見てみたい
パンケーキみたいな甘い香りに包まれて
小さな幸せを謙虚に永続させて
パンケーキの油みたいにじわじわと
あなたの脳に侵蝕するそれは
脳のシワをいつのまにか溶かしちゃって
あなたは惰性の幸福を
それとしらずに食み続けるんだ
だからあなたに壊れてほしい
何十年もどんよりと輝き続けるよりも
一日だけ目も眩むほどの輝きを
蛍の光が綺麗なのって
きっとそういうことなんじゃないかな

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消化不良のもどきちゃん

名前くらいしか知らない君の
後ろ姿が可愛くて
話しかけてみようかと
口を開いてみるけれど
開いたそこから漏れるのは
いつまでたってもため息ばかり

おしゃべりなあの子の舌を食べたら
君と上手にお話できるかな
自信満々なあの子の瞳を食べたら
君と上手に目が合わせられるかな
おしゃれなあの子の足を食べたら
君の目をひくことができるかな
小説好きのあの子の脳みそ食べたなら
君と気の利いた会話の一つでもで

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願わくば

殺したいほど私を憎むあなたと
殺されたいほどあなたを愛する私
あなたの憎しみの矛先が
責任転嫁の矛先が
罪悪感の矛先が
私に向いてくれてよかった

ありきたりな言い方だけど
手をのばせば簡単に触れることの出来る距離にいるあなたは
けれど私には遠すぎて
どうもがいたって指一本触れることはできなかった
でもそれでよかった
それで満足でした
私はあなたの物語のヒロインでも
ライバルでも親友でも級友でもな

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あなた

あなたの吐き出した憂鬱に
私はゆっくりかぶりついた
首に滴ったあなたの果汁は
生ぬるくてさらさらで
私はじっくり咀嚼し嚥下した

あなたから絞り出した涙を
私はゆっくりなめとった
あなたの涙は血なまぐさくて
暖かくてぬるぬるで
私は舌で転がし味わった

あなたから切り取った肉の塊を
私はゆっくり噛みしめた
あなたの一部は固くて苦くて
私の内臓をかき乱した

あなたから引きずり出した内臓を
私はゆっ

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