SAIKAIが手掛ける合宿型新卒採用イベントについて

こちらの楽しそうな写真を見て皆さんはどのようなシーンを想像されるだろうか



学生の楽しそうな表情に加え、よく見てみると社会人の方の充実した表情まで。

そう、これは単なる学生と社会人の交流会ではなく旅行と就活と採用を融合した合宿型採用イベントである。

しかも”初日は両者肩書を抜いた形で実施する“というルールを前提に実施。互いに存在する肩書を最初に知ってしまい、無意識の中にある潜在的なバイアスで優劣をつけるのではなく、人と人で向き合い”再会出来るご縁を築く“為の場所を提供。

結果、写真の表情の通り、初めて会う人同士でもたった2日間で心の距離が近くなれるイベントである。せっかくなのでこのnoteを見ていただいた学生、企業それぞれに価値を感じて貰えるよう説明をしていきたい。



1 合宿イベントでは何をしているのか

一言で表すと”肩書から入らない価値観マッチングをコンセプトにした新卒採用イベント“である。以下、プログラムの詳細を記載していく。

□■ 1日目■□
初日は肩書をお互いに開示しないことを徹底している。どの企業か、どこの大学かが分からないまま人と人で向き合える場を提供。

■アイスブレイク
行きのバスの中(※会場によっては現地集合のケース有り)での自己紹介、会場到着後のアイスブレイクで学生と企業の距離感を縮める。その後は昼食を共にすることでお互いの距離が更に近づいていく。 


■自己分析ワーク
昼食後、就活生は3時間かけて自己分析ワークを実施。ここでは企業向けの人材育成プログラムで使用している価値観カードを用いて、自分の価値観を可視化し言語化できる状態へと導く。

昨今、多くの就活生は自己分析をすることが目的になっており、面接の場で自己理解が浅いことで自分という人間を企業に伝えきれずに苦戦している学生を目にする。就活が始まってから何かのフォーマットに沿って書いていく自己PR。自分の納得した自分だけのものになっているというよりは、上手く見せているだけの自己PRが多いように感じる。

だからこそこの自己分析ワークでは、これまでのその人ならではの経験を可視化しアウトプットしながら自分の過去を整理するだけでなく、ツールを用いて自分の価値観がどう変化してきたか、そして今後はどう在りたいのかまでを言語化する。“価値観の原体験を明らかにしてから改めて自己PRが出来る”ことをゴールにしている。

参加してくれた学生から「自己分析をすることが目的になっていたことに気づけた」「自分の強みをシンプルにまとめることが出来た」「一緒に向き合ってくれた学生との関係がとても深まった」と喜びの声を多くいただいている。
そしてこのワークには人事も参加する。学生の言語化を手伝ってあげることでより内省が深まり、学生と人事との関係値も深まるのも特徴の一つだ。




■採用担当者のキャリアを理解する
その後、学生の自己分析を終えた後は採用担当者が全員の前で5分間のプレゼンテーションをする。内容はこれまでの自身の過去の経験、社会人になった後の変化、そして今の就活生に伝えたいことなど。

このイベントでは学生に宿題として生まれてから今日に至るまでの時系列シートを作成してもらっているが、採用担当者には生まれてから社会人に至るまでと、社会人になってから今日に至るまでの2つの時系列シートを準備してもらっている。

採用担当者の方が宿題がとても多いのだが、学生時代の経験と社会になってからどう変化したかのこの違いを知ってもらうことによって、学生にはその人そのものについてより深く理解してもらうことができる。


実はこの5分プレゼンが採用担当者にとっては高度なスキルが問われ、成長を実感して貰える場となっている。

初日は勤めている会社の業界や企業名を開示する事は出来ない為、この5分プレゼンも会社ありきのプレゼンは出来ない。会社軸ではなく自分軸で話を組み立ててプレゼンをする必要があるというわけだ。

一般の新卒採用プレゼンは会社のPRと質疑応答と、一度覚えてしまえばそうそう苦戦することはないある種決まった流れが存在する。しかし、この5分間はそういったものに頼らず自分の生き様にまっすぐフォーカスする必要があるため、何をどう伝えるかに試行錯誤する。

だからこそ、採用担当者にとってもこのイベントは自分の人生を振り返る内省のキッカケや学生に何を伝えたいのかをまとめる力を身につける機会となり成長に繋がるのだ。
担当者の経験を伝えることによってその後の食事や夜のイベント時も一段深い会話に繋がりやすい為、採用担当者の生き様を伝えることはとても大切な事である。


■食事
開催場所によってはその土地の郷土料理が食べられたり、関東の河口湖ではバーベキューを実施したりと、美味しい物を沢山食べて、沢山会話をして楽しんでもらっている。食事はお互いの関係を深めるための絶好の機会だと考えている。バーベキューとなれば皆で準備してお肉を焼いて分けあってといった共同作業も関係を深くするキッカケになる。



■キャリアを語る会
そしてこの合宿イベントの1番の魅力はこの時間にあると言っても過言ではない。肩書を抜いた状態でお酒を片手に、お互いのキャリアについて・人生について自由に話し合う貴重な時間。

ここでは特殊な手法を用いて学生と企業が話したいテーマに沿って雑談出来る場を設けている。単なるフリートークの場ではない。それぞれが今抱いていることを自己開示し、そこに複数の意見を重ねていくことで新しい発見が生まれる。



就活の選考時では絶対に聞けない学生の本音が沢山飛び交い、また、就活の選考時には絶対に聞けない人事の経験談やアドバイスが沢山飛び交う為、運営側の私達も毎度多くの学びや発見をいただいている。気がついたら、恋バナや結婚後の話、筋トレや趣味の話で盛り上がっていたりと、例えるなら修学旅行特有の“あの夜だからできる話”がここにはある。


□■ 2日目■□
■企業プレゼン
■座談会
■面接
2日目はいよいよお互いに自己開示をする。先ずは企業側から7分間で会社説明をし、その後の座談会を通じて会社理解を深めて貰う。午後からは面接を通じて学生側が自分の経験や思いをPR出来る時間を設ける。

お互いを知り相互理解に繋げる場である為、この面接で合否は出さず、学生に次のインターンシップや説明会に参加してもらうことを目指している。

2日目は一般的な新卒採用イベントと大差はないかもしれないが、既に1人の人と人とで関係構築が出来ている状態な為、会社理解や学生理解の深さが通常とは大違いである。どの企業にも声を揃えてそう言っていただける。

■締め
合宿イベントの最後は2日間の振り返りをしながら、今後どう行動に繋げていくかを一人一人が宣言して最後の挨拶をもって終了。毎回実施する度に、初日の最初の空気感とは比べ物にならないほどに温かい雰囲気に包まれている。これもSAIKAIの合宿イベントならではの世界観だ。


以上、そんなこんなで沢山の時間と想いをかけてインターン生と数か月間準備して作り上げていく合宿イベントは運営側にとっても学びと感動の宝庫であり、やりがいを感じられる瞬間でもある。
大まかな流れをご理解いただけただろうか。


2  何故、合宿イベントを実施しているのか
このイベントを開催しようと思ったキッカケは、価値観でマッチング出来る環境を作りたいという思いと、両者が肩書というバイアスがかからない状態で向き合える環境を作りたいと思ったからである。

私自身が前職時代に勤めていた企業はいわゆる中小企業で、一般の採用イベントに出向いても肩書や規模、知名度で判断されてしまい見向きもして貰えない悔しさを経験した。

そういった目に見える情報も大切かもしれないが、いざ社会人になると実際にそれだけで仕事の充実感を味わうことは出来ない。仕事をする中で大きな影響を与えているのが会社の方針や風土、評価制度と言ったその会社が大切にしている価値観の部分になってくる。

そういったところを見ずして目に見える情報だけで学生には自分の入社先を決めてほしくないと強く思う。また、現に活躍している社会人の多くは会社の価値観と自身の価値観が合っているとも感じる。

大切なクライアントとSAIKAIが向き合ってきた学生とが肩書を抜いて向き合うことができたら、それはとてもよい場になるのではないかという思いが合宿イベントを実施したキッカケである。

もう一つは、上記で伝えた初日の夜に行われるキャリアを語る会へのこだわりだ。

学生時代にヒッチハイクをして全国を回ったことがある私は、沢山の大人に出会い沢山の人生観に触れることができた。その経験が自分の就職活動の軸を固めるきっかけになり、後に再会株式会社の“再会”という言葉を作り出すきっかけにもなっている。(詳しくはこちらのnoteを参照)
https://note.com/sakai_0401/n/n7b944ee9688c

学生時代の出会いが自身にとって非常に大きく、今の自分自身が形成されている重要な要素になっていると感じている。だが、今の学生がヒッチハイクを全員できるわけではないし、ましてやコロナ禍になった以上実施しづらい状況でもあることから、学生が沢山の大人ともっと関われる機会を作ってあげたいという思いがある。

だからこそ、初日の夜に実施する「キャリアを語る会」は学生と社会人が深く対話出来るかけがえのない時間である。人と人で繋がれる瞬間を目の当たりにすることができる。

この新卒イベントが終わった数年後も社会人と学生、社会人同士、学生同士が再会できるご縁になっているという事実がこのイベントの核ではないかと思っている。このイベントはただマッチングをするだけではない。両者にとって意味のある時間にしてほしいという作り手の思いがとにかくたくさん詰まっている。


3 実施した結果、どうなったか
企業側では採用につながった。手探りで実施してみたが、1回目の合宿イベントから参加学生の採用に繋がっており本格的な採用マッチングイベントとして収益化できると判断した。

それもそのはず、通常の新卒イベントに比べて合宿イベントは36時間の中で濃い時間を共に過ごすため、関係の深まりは数あるイベントの比にならない。

2日目には企業説明会や座談会、面接を入れ最後には皆でグループスレッドを作らせて貰い、その後もすぐにコンタクトをとれる環境を作っているためその場限りではなく接触率が高いことも功を奏している。

そして、有難い事に毎年参加してくださる企業が多数を占める。参加企業に対して、プレゼンテーションや座談会で感じたことをフィードバックしている。私自身がプレゼンテーションの構成や脚本、個人の指導もしていることから、その企業のプレゼンや学生との向き合い方や些細なやり取りなど違和感をおぼえたことやポジティブな印象につながる事は全てお伝えするようにしている。

その結果、参加するごとに企業側の採用力が高まり、私達と再会するたびに、企業にとっても自分たちが前進していることを実感できる機会となっているという構図が出来上がった。

参加学生を採用することが企業側の目的ではあるものの、裏目的として参加社員の育成という“研修要素”を含めている企業も多い。このイベントに参加することで、採用に繋げられる事は勿論の事、自社の採用力を高められるきっかけになるとリピーターをいただいているわけである。

私は参加してくださる企業への感謝だけでなく、その会社がどうすれば採用につなげられるかという当事者意識を持って当日のイベントの立ち居振る舞いを見ている。企業は我々からのフィードバックを、そして弊社は毎年参加していただけてありがたく、合宿イベントを通してこのような新たな関係性を深めることに繋がっている。

続いて学生側だ。
学生はこのイベントに参加するに辺り、交通費も宿泊費も全て自己負担してもらう。この時点でハードルがとても高い。

一般の就活イベントは参加することで図書券やギフト券がプレゼントとして貰えることが多いのに対してこのイベントは真逆である。自分で費用を出して貰うことこそに価値があると思っている。
そんな学生が全国から参加し、お互い自己分析をし寝食を共に過ごすのだから大学の友人とはまた違った深い関係が築ける。

特に初日の自己分析のワークでは、自分のこれまでの経験を自己開示し相手に壁打ちをしてもらいながら価値観の言語化をする機会を作っている為、同じグループになった学生どうし、感謝の気持ちから絆が生まれる。その後の食事会やキャリアを語る会を共にすることでも、お互いの人生を応援し合える関係が築かれる。

私自身も、大学時代に就活で出会った仲間とは未だに関係が深く、酒を交わしながらお互いの人生について語ったその当時の経験がその後の関係を良好にしてくれている。

就活は競争社会のため、周囲にいる就活生がライバルに見えてしまい殻に閉じこもってしまいがちだが、SAIKAIに集う仲間は、思いをもって自分でお金を出して全国から集まるからこそ、繋がっていける深さと確かさがある。

数年前に合宿イベントに参加してくれた卒業生からは、「仕事で辛い時に相談できる深い関係が今でも続いている」「一緒に仕事をするようになった」と言う声を複数いただいている。なんとも嬉しい限りである。


4 これからに向けて
合宿イベントを毎年3~4回実施し、企業側学生側、双方に喜んでもらえる機会を今後も作っていきたい。

自分達は新卒採用イベントの運営会社ではなく、誰しもが再会出来るご縁を築く為に必要なスキルやキッカケを与えられる会社であることから、開催数は決して多くはないがこれからも両者にとって価値あるものを提供できる組織でいたいと考えている。

”就活で3本の指に入るくらい思い出深いイベント“と参加学生の方に言っていただけるこの合宿イベントに興味を持っていただいた学生、企業の方がいらっしゃれば、問い合わせフォームや個人SNSアカウントへのご連絡をお待ちしております。

素敵なご縁が実りますように。

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