病院内で火災が発生した場合の対応について
病院内は患者さんやスタッフが多く滞在する場所であり、火災発生時には迅速で適切な対応が求められます。ここでは、火災が発生した場合の基本的な対応手順と役割分担について、職員向けにまとめました。
1. 火災を発見した場合の初動対応
火災を発見した場合は、まず落ち着いて以下の手順を実行してください。
火災発生の周知
大声で「火事です!」と叫び、出火場所を周囲に伝えます。
初期消火
消火器や消火栓を使用して、初期消火を試みます。
消火活動は、安全が確保できる範囲で行い、決して無理をしないようにしてください。
消火不能の判断
消火が困難であると判断した場合は、周囲のスタッフを通じて、事前に決められたリーダーに速やかに報告してください。
緊急通報
近くにいるスタッフのひとりが119番に通報し、火災の状況と病院内の場所を正確に伝えます。
障害物の除去
廊下や避難経路上にある障害物を速やかに片付け、避難の妨げにならないようにします。
2. 各スタッフの役割
火災対応において、事前に役割分担を決めておくことが重要です。
リーダー
「消火不能」の報告を受けた場合、以下の対応を指示します。
患者さんへの状況説明。
透析中の患者さんの緊急終了。
緊急終了を終えた患者さんの避難誘導。
透析担当スタッフ
透析中の患者さんの緊急終了作業を行います。
避難誘導スタッフ
患者さんを安全な場所に避難誘導し、避難完了状況をリーダーに報告します。
3. 透析中の患者さんの緊急終了と避難誘導
透析中の患者さんを安全に避難させるため、以下の手順で対応してください。
透析の緊急終了
血液ポンプを停止し、除水を止めます。
穿刺針より少し離れた位置で動脈側と静脈側の血液回路をそれぞれ鉗子でクランプします。
2本の鉗子の間で血液回路を切断し、患者さんを透析装置から切り離します。
患者さんの避難
鉗子を患者さんに持たせ、安全な場所まで誘導します。
抜針は、避難完了後、安全な場所で落ち着いてから行います。
避難状況の記録
避難した患者さんの名前を記録し、その数をリーダーに逐次報告します。
避難誘導への加勢
緊急終了を終え、手が空いたスタッフは避難誘導に加わり、患者さんの安全確保に努めてください。
まとめ
病院内で火災が発生した場合、患者さんとスタッフ全員の安全を最優先に考え、冷静に対応することが大切です。また、事前に火災時の役割や対応手順を確認し、訓練を行うことで、緊急時にも迅速な行動が可能になります。
今一度、各自の役割と対応手順を確認し、緊急時に備えましょう。