俳句甲子園でいいな〜〜〜ってなった句@18回,19回
0.注意
これは坂口がなんとなくいいな〜〜と思った句をただ羅列していくだけの記事です。
もしこの記事内で好きな句があれば、Twitterあるいはここのコメント欄に書いていただけると坂口はうれしいです。
その句の作者にとどけばもっとうれしいです。
1.なぜこのシリーズを書いているのか
この記事で4本目となりました本シリーズ(?)、なぜ書いているのかと言われると、「暇だから」としか言いようがありません。強いて言うならば、自分の俳句へのモチベーションを少しでも出すため。要は自己満なわけです。だらだらと読んでくだされば幸いです。
*おねがい
誤りなどあればご連絡ください。訂正いたします。
2.俳句甲子園 18回,19回
【18回】
月光や向日葵の首折れてをり/荒谷菜々穂
夕立や道にはみ出す森の闇/吉川創揮
しりとりの終わり夕立晴れてくる/山本夏子
日焼子の日記の最初歯がぬけた/近藤舞
向日葵の重さうに朝迎へけり/金悠樹
向日葵や雲の向かうはいつも晴れ/渡邉玉貴
向日葵畑夜空の藍の積もりけり/川島寛乃
ホームの端夕立に叩かれてをり/瀬戸口優里
マドンナも夕立に遭えば一少女/伊東琴乃
日焼子の大漁旗を上げにけり/高岡秀旭
日焼してステーキは皿はみだせり/牧萌子
辻あれば辻曲がりゆく日焼かな/渡邉玉貴
向日葵の遠く重たき舟大工/八品舞子
向日葵やメトロノームが鳴つてゐた/長谷川日和
夕立や足首をさはられてゐる/大西菜生
日焼子の旗を立てたる砂の城/濱松郁美
向日葵の丘へ気球の影落ちぬ/柳元佑太
向日葵や旅の日記は長くなり/木村杏香
ひとことも交はさずにゐる夕立かな/荒井愛永
夕立が去る道端を光らせて/花岡美紅
夕立がカバの背中を叩きたる/柳元佑太
葉脈の透きとほりゆく夕立晴/木村杏香
日焼子の夜を飲み込む如く寝る/野名美咲
石鹸を強く撫づるや日焼の手/石村まい
向日葵や鍬につきたる土軽し/鶴田侑己
防空壕出でて向日葵しづかなり/長谷川凛太郎
巻尺のちゅるんと戻る銀夕立/中矢温
監視台に日焼の脚の組まれたり/上木小春
釘打つて日焼してゆく匂ひかな/竹中健人
まわし飲みで動く日焼の喉仏/中矢温
青銅の馬迫り来る夕立かな/山根未久
海に礼揃ふ日焼の応援団/桐木知実
点滴のリズム日焼の腕に入る/山根未久
日焼した腕逞しく十七年/村瀬愛実
向日葵を背に星団といふしるべ/村上知子
臆病の背骨つらぬく夕立かな/森舞華
円陣の日焼大きく重なりぬ/村上知子
シンバルをぐぐと合はする日焼かな/木村優花
日焼して今日何をした欠伸した/世良拓斗
向日葵のすき間の空へ手を伸ばす/山田貴紀
向日葵は折ろうとすれば折れるなり/片倉裕希
工場の神殿めきし夕立かな/笠原悠二
監督が一番日焼露天風呂/片倉祐希
焼肉を仕切りし父の日焼かな/工藤由真
向日葵や恐竜滅びたる地平/工藤凱門
うまれたてのあらのとおもふゆだちあと/上出千隼
日焼子の飲み干せそうな小川かな/岩瀬花恵
神主に神めいてくる夕立かな/上川タクマ
照明係音声係みな日焼/山下真
日焼子の集まるバスの時刻表/佐藤真美
おほかたは日焼なりけり自由席/上川拓真
ひまわりばかりで君がいてほしい/金子日南
夕立来て星の一部となる雲母/江川智一
日焼の体ごと突堤より空へ/宮下優祈子
一漕を生めり日焼の力瘤/芝田早希
号砲や飛び出す一塊の日焼/兵頭輝
カーテンを死に場所として油蝉/三原瑛心
いつからか水のなき沢蝉時雨/柳元佑太
空見えぬ熊野古道は蝉の国/柴田健
牧場に風吹かぬ日の蝉しぐれ/長谷川凛太郎
熊蝉の腹に応へる大樹かな/桐木知実
蝉時雨だらけ暗転して覚める/橋本孝輔
たそがれや蝉のなきやむまでは夏/池田歩馬
蝉時雨画鋲の跡の連なりて/工藤凱門
みんみんの最期は自鳴琴として/森一真
蝉時雨棋士ゆつくりと立ち上がる/内舘快海
渋滞の先にふるさと油蟬/山下真
廃坑はみんみんに閉ざされてゐる/筏井悠
蝉しぐれ設計中の未来地図/丸田洋渡
片翅野蝉や秒針動かない/兵頭輝
ポケットに牛舎の鍵や草の露/柳元佑太
折り鶴のきつちり折つて夜の露/荒井愛永
露の夜の指揮は小さく始まりぬ/木村杏香
捨て傘をまとめるときの露あまた/関矢拓光
琴の音の行きどころなく露の秋/竹中佑斗
山ぢゆうの羽しづかなり露の玉/上川拓真
ひと粒の露や地球が生きている/田原佳歩
露けしやこれから椅子となる丸太/日下部太亮
露時雨月の破片を踏みてゆく/岩瀬花恵
方形の村呑み込んで露時雨/工藤凱門
朝露のふとおそろしく済んでをり/関口晋
紙芝居ゆつくり抜かれ雲の峰/木村杏香
端居して塩素の匂ふからだかな/日下部太亮
居場所などなくて和蘭陀獅子頭/山下真
長居して言葉すくなき残暑かな/荒井愛永
箱庭の新居は湖に似た光/筏井悠
朝露や麓の鳥居朽ちてをり/柳元佑太
居酒屋の窓を動かぬ守宮かな/竹中佑斗
雑居ビル夏に一番遠い場所/井関諒知
静寂をまとふ蹲踞や初稽古/長谷川凛太郎
クリスマス角の取れたる紙芝居/柴田健
甲板に一日居眠る夏帽子/竹中健人
流星を待ち伏す滑り台のうへ/柳元佑太
流星を待つや宇宙は成長す/柴田健
秋隣待ち受けはまだ変えられず/萩原海
宿坊の消灯早し居待月/鶴田侑紀
豆腐屋を待つてゐるなりちちろ虫/竹中佑斗
さらはれるために亀の子波を待つ/竹中健人
計98句
【19回】
外国の切手並べて明早し/角田萌
旅先の短夜余すところなく/須佐菜月
本能の軽くなりゆく藍浴衣/八品舞子
蜥蜴の目ひたと墓石を守りけり/清野梨佳
飴屋から灯りこぼれて夜の短か/片倉祐希
狛犬の尾から蜥蜴のあらはるる/齋藤和美
秘密ではなくなった基地蜥蜴逃ぐ/片倉祐希
短夜のもう溶けきっているグラス/板尾奈々美
惑星の干浴衣へと隠れゆく/萩原海
雨了る最も蜥蜴冷たきとき/柳元佑太
短夜や家はあまたの管を持ち/山下真
短夜の墓標と思ふとほき木々/筏井悠
海やがて浴衣の裾の流れけり/間宮拓海
みづ掬ふやうに蜥蜴を捕らへけり/板倉健
在りし日の大樹の跡に瑠璃蜥蜴/國府田翠
蜥蜴這ふ船が出てゆくしづけさに/山下真
やあというように蜥蜴が立ち上がる/松本ルミナ
短夜や大陸少しづつ動く/桐木知実
零るるほど浴衣を電車てふ箱に/中井望賀
青蜥蜴より稜線の始まりぬ/桐木知子実
明易や寺の三和土のスニーカー/茶谷美月
群衆の影をのみ込む蜥蜴かな/檜垣早苗
石灼けて青き蜥蜴の薄くをり/安里恒作
青蜥蜴轢かれて長く冷たい尾/山田祥雲
明易し多摩川のまだ夜の色/宮地春奈
橋昏し浴衣の花の名を知らず/岩田奎
浴衣ふたり話し始めを待つてゐる/瀬戸口優里
食つてから翅を吐き出す蜥蜴かな/細村誠一郎
走り根をみづのごとくに瑠璃蜥蜴/岩田奎
浴衣浴衣異国のやうに見ゆる町/岡部将大
水墨画蜥蜴の走り抜けてをり/沖本のぞみ
青とかげ縁石を歩きたくなる/金谷佑策
非常口みどりの境界に蜥蜴/仲保亜子
青蜥蜴今日は定休日の飯屋/宮崎凌
葬送を終へて短夜の残る/宮地雄也
短夜を絶えずナースの靴の音/波多野俊介
川風や普通列車を待つ浴衣/牛田大貴
少女らの雨に濡れたるはつゆかた/村木朱夏
何もない街を愛して浴衣着る/大島穂乃花
湖のひかりに育つ蜥蜴かな/大島穂乃花
海に逢いて浴衣の裾の濃くなりぬ/石村まい
洞窟のみづのかたちに這ふ蜥蜴/石村まい
銀河より流れ着きたる小瓶かな/板倉健
銀漢や楽器とならむ木の揺れて/笠原悠二
生れしより骨土めけり天の川/柳元佑太
岩塩を運ぶキャラバン天の川/藤野日向子
切り絵のごと一本の木や天の川/中井望賀
難民のキャンプに轍天の川/中矢温
銀漢に祖母の草履を借りてをり/棚原きらら
一切は足音蜥蜴風天の川/鶴岡夏鈴
天の川バス停どれも对をなし/岩田奎
かじり終へし林檎の芯のくびれたる/武井沙恵子
林檎剥くことから暮らし始まりぬ/吉金由伸
あをぞらにぶつけた跡のある林檎/秋庭颯太
みづうみの凪のみじかし林檎園/岩田奎
髪濡るるままに林檎の蜜の濃し/坂口渚
夕凪や水平線へ岬利し/藤野日向子
孑孒の国を鋭利な雨が打つ/板倉健
海あたらし勝利のやうにヨットの帆/笠原悠二
伊太利のかたちに曲がる唐辛子/平野智士
上海の尾灯にまみれたる氷菓/森一真
花火待つ大地に万の尾骶骨/山下真
雷鳥の尾羽より夜の明けにけり/笠原悠二
鳥渡る眼に深き海を持ち/伯方高校
放課後の写真のひかり鳥渡る/興南高校
鳥渡る手紙に磯の香りあり/水沢高校
商船のエンジン静か鳥渡る/就実高校
電線に縛らるる山鳥渡る/徳山高校A
先生も浴衣になつてゐる夜だ/丸田洋渡
夏帽子押さえ船尾の娘かな/角田萌
銀漢や魚群太平洋巡る/竹中俊介
ぼくらみな化石になれる天の川/兼松紗希
林檎もぎ手の形から習ひけり/戸澤優子
計73句
引用元
https://haikukoushien.com/4996