【イベントレポート】日常の場所に流れる非日常的な時間。「遊び心」が生み出す風景【坂川ながるるシネマ】
10月26日(土)、JR・新京成の松戸駅にほど近い春雨橋親水広場で、屋外映画上映会『坂川ながるるシネマ』を開催しました。本記事ではその様子をお届けします。
『坂川ながるるシネマ』は、かつて春雨橋親水広場の向かいで営まれていた映画館「松戸輝竜会館」の存在に着想を得て起こしたイベント。
2000年に閉館するまでのおよそ40年間、子どもから大人まで地域の方々で賑わった風景を再び呼び起こすように、みんなでつくる映画祭として企画しました。
「松戸輝竜会館」の元スタッフ、山口久夫さんへのインタビュー↓
この場所にながれる歴史を汲んで
陽が沈み、気温が下がりはじめた午後17時すぎ。事前に予約をしていただいた、100名ほどの方が春雨橋親水広場に集まり始めます。
気軽にふらっといらっしゃった方から、ちょっと厚めのジャケットを着て来られる方、レジャーシートとお弁当を持って来られる方まで。みなさん思い思いの時間を過ごす用意をしてお越しくださいました。
映画のおともといえば、やっぱりポップコーンがないと。ということで「松戸輝竜会館」のそばにあったという喫茶店「シベール」にちなんだお店が、ポップコーンやドリンクを販売。キッチンカーの出店もあり、良い香りに誘われて、多くの方が立ち止まりオーダーされていました。
18時、ついに上映会がスタートです。上映前には、参加者のみなさんに知っていただきたいイベントの趣旨をお伝えさせていただきました。
今回の上映作品「リトルプリンス 星の王子さまと私」(2015)については、本企画の上映協力をいただいた「旅する映画館 café de cinéma」のちゃっぴーさんよりミニ前説。上映がますます楽しみになる、ちょっとした小話も。
夜空の下の上映会のはじまりはじまり
この日はあいにくの曇り空。星空の下で…とはいきませんでしたが、雨に降られることもなく、秋の空気に包まれながら、約2時間の野外上映が行われました。
せっかくの屋外イベント。上映中も、ちょっとしたおしゃべり、途中で飲み物やたべものを調達するのももちろんOK!
デッキの上に敷かれたじゅうたんの上でコロコロ転がるお子さんや、じっとスクリーンと向き合う方。自宅で観るのとも、映画館で観るのとも異なる鑑賞体験を、来場者のみなさんが各々の形で楽しむ風景が広がりました。
日常の場所で広がる非日常的な時間。スクリーンを超えた坂川の向こう岸には、通行人の方が珍しそうにこちらを見ている様子も伺えました。
「リトルプリンス 星の王子さまと私」は、効率的なものが評価を受ける環境に囲まれ暮らす主人公の女の子が、大切なともだちであるおじいさんのために冒険に出かける物語。
遊び心を忘れないおじいさんは、一緒に女の子との時間を過ごす中で、かつて星の王子さまと出会い気づいた大切なことを、女の子に自ら作った本『星の王子さま』を通して伝えていきます。
想像を働かせてみること、子どもの頃に抱いた感情は大人になっても捨てないで良いこと、「大切なことは、目に見えない」こと。
冒険を通して、教えてもらったことを理解していく女の子とともに、暮らしの中で抜け落ちてしまう大切な物事を思い出した方も多かったのではないでしょうか。
「遊び心」が集まる広場に
温かいエンディングの後、来場された方による拍手が。
「野外で映画を観る体験ができてよかった」、「にぎやかなお祭りも楽しくて良いが、こんなふうにゆったり過ごせるようなイベントがあると嬉しい」、「来れなかった母や祖母も興味を持っていた」などの声もいただきました。
お昼のブックマーケットと、夜の上映会。この日の春雨橋親水広場は、様々な風景の可能性が広がる1日になりました。
今後もこの広場では、かつての歴史や、みなさんの声を頼りにこれからも様々なイベントを計画中。そこで関心を寄せてくださるみなさんの力を借りていくことを企てています。
星の王子さまやおじいさんが持つような遊び心を、この春雨橋に集められますように。
(写真:Asuka Sato)
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