第三の胃センマイについて
牛の胃は4つありますが、3番目の胃が「センマイ」です。
見た目が雑巾みたいで、見慣れていない人にとってはグロテスクかも。語源は、千枚を意味する「千葉(チョニブ)」という朝鮮語が元になっているとか。
そのセンマイですが、最近でこそ焼いたり鍋にしたり、内臓一頭仕入れても売り損じなくなりましたが、ひと昔前、僕が30代、40代の頃は売るのに一苦労しました。
僕の力不足だとは思いますが、タンやレバー、腸は売り切ることできるのですが、センマイだけがまったく売れない。
屠畜したばかりのセンマイは噛めばコリコリ歯触りが良く、おいしいのですが、見た目がよくないからなのか、とにかく人気がなかった。
生センとして、それこそ酢味噌を絡めて生で食べる人がいますが、僕は無理。屠畜場で散々内臓から出てきたばかりのセンマイを見ているから、どうしても映像として浮かんでしまう。
昨年、定期的に集まる某所にて、中華女史の指導の元、センマイだけの辛鍋を食べたのだが、これが癖になるおいしさだった。僕にとっては嫌われもののセンマイが、こんなにもおいしく食べられるのは衝撃だった。
そして昨日、京静華で開催された宮本シェフと一碗水の南シェフの中国名菜の夕べにて3品目。
髪絲牛百叶 中国名菜
センマイ 乾筍
僕が知ってる牛の腹から掻き出されたセンマイとは別物の、美しく調理されたセンマイに感動した。
先日入荷してきた、ホルスタイン経産の内臓。屠畜から問屋での処理がよかったのか、すばらしくきれいだ。原型を知らなけば生で食べたいくらい。
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