仙台を食の都に
藤田 承紀君が仙台へ移住して2年。「ようやく新保さんとシャンカールさんを迎える準備ができました」とのことで、それなら何かやろうよと、2日間に渡り「仙台熟成牛×スパイス」と銘打ったイベントが秋保ワイナリーで開催されたのでした。
藤田くんとの出会いは、10年以上前になるかな。日本味育協会主催のプロフッシュナルコースで僕の講座をやったときの受講生でした。やたら質問してくるので、鬱陶しいやつだな、というのが最初の印象。
そこからIKU青山の立ち上げ、らんどね空と海、料理教室など、事あるごとに僕の肉を使い続けて、肉塾にも入り、着々と牛肉の深みにハマっていったのです。
コロナをきっかけに、仙台に移住し、当初は誰にも相手にされず苦労したみたいだが、持ち前の明るさと積極性で、2年でチームを作り、リーダーとして今回のイベントを立ち上げたのです。
1日目は、一般の方向けに昼はBBQスタイル、夜はコース料理を堪能しました。仙台を拠点に活躍しているセンダイガールズプロレスリングの里村さんと愛海ちゃんも参加してくれて、久しぶりにゆっくり話すことができました。
2日目はプロ向けの講座を開催。僕はこの日のために、宮城県の経産牛を手当てして用意したのですが、ひと足先に黒森さん(楽・食・健・美-KUROMORI-)に送っていて、嬉しい感想をいただいてるのでまずは一安心。
仙台の飲食店の方々との意見交換から、様々な問題点が浮きぼりにされてきたが、地方あるあるの値段設定や使いたくても使えない食材事情など、諸々クリアできるように環境を整えながら、まずは僕とシャンカールで協力していければと思っています。
講座もやらせていただきましたが、やはりみなさん興味があるのは「熟成肉」。仙台牛はA5、B5に評価されたものという定義があり、僕が扱うものとは真逆です。僕としてはいつもやってることですが、仙台牛から外れた格付けの低い牛や経産牛を手当てして、新しい価値観を見出せればおもしろいかなと思っています。
それには藤田くんをはじめとする、若い世代と、黒森さんのような東京を経験している料理人の力が必要だと感じました。継続してやるとのことなので、第二回も楽しみです。